KAMATA CYCLE

子供の時から自転車に乗り続けて現在でもMTBを中心に活動しています。

聖宝谷から弥山へ

2011年11月06日 20時36分36秒 | OUTDOOR

 こっしーが聖宝谷を登って弥山へ行っている人達が要るとネットでぐぐってみてというので

調べてみると確かに要るが冬季が多く無積雪の登攀は少なかった。
こっしーは冬季に聖宝谷から弥山を目指すから下見に行こうと言うので気軽にOKをだした。


 トンネル西口に車を置いて聖宝谷取り口まで歩く途中に聖宝谷の全貌が見渡せた・・・あれ登るの?マジで!
写真と実物は違うなぁ。と感じたよ。最後の三本爪みたいになっている箇所なんて登れるのか心配だった。

 谷の入口から稜線が見える標高差約600mあそこまで行くのに3時間かかるんや、と思いながら谷に入った。


傾斜が緩い段階でも足場が悪いく幸先が不安だ。


幾つかある砂防ダムをクリアする度に撤退が難しくなり最後の砂防ダムを荷揚げしてクリアした時に撤退も難しくなったと感じた。


そして登る方も傾斜がきつくなりガレとの闘いになった。

谷と林の境目をふと見ると登り易そうに見えたのでそっちを歩こうと向かったが

これが中々難しく崩れ落ちる石と闘いながら頑張って登った。こっしーは変わらず谷を歩いている

最初に落石対策で離れて歩こうと決めていたからこんなけ離れれば大丈夫だろう。
 境目を歩いている私は歩き易かったが一部分は危険な場所があり滑落の危険と闘いながら進んだ。
休憩出来る場所で一度合流し今後のルートと林への取り付きをどこでするかなどの相談を行った。


ここからは二人共谷を歩いたがガレが凄くて足を置こうとすると、

上部50センチ程にある石全てがグラっと音がする状態で少し登るのも体力がいった。


そして林への取り付きも目前にして最大のピンチが訪れた。

取り付きに苦労するだろうとは予想したが取り付きの近くに行く事自体が至難だった。
こっしーは谷から登って向かったがガレが凄く進めなくなってしまった。
私は取り付く林の下部にある林に一度登ったおかげでこっしーより7m程上の場所で同じく身動きが取れなくなった。
 二人ともに動けない非常時だったがこっしーが「上に向かわず右へトラバースしたら登れるんちゃうか。」

とアドバイスがあったが右へ移動するのも大変やぞぉ。

慎重に足を置けそうな場所を探し進むがどうしても少なからず落石を伴う、

当然真下にいるこっしーを落石が襲い掛かるがこっしーからも構わないからトラバースしてとの事だったので

大きい石を退けていたら何十センチか奥は粘土質の土が現れた。そうか!取り付き間近なんで土が現れたんや。

そこからは石を退けて現れた土に石で掘って足場を作りながら進むという。作業を繰り返し林の一部を掴む場所までたどり着いた。
ここで動けないこっしーを救う為に支点をとってロープダウンするがロープの長さもぎりぎりだし足場が不安定で

こっしーまで届ける事が出来ずとりあえず先に林へ乗り上げてからロープダウンすることにした。

無事にロープもこっしーに届きプルージックで登り始めた。
 今回は運が良かったと思う、たまたま上部にいた私がロープを持っていた事、こっしーがロープスリングを持っていた事、

同じルートを歩いていなかった事、プルージックで登る練習をついこの前にしていた事が二人共無事に林へ取り付けたと思う。

私が下でこっしーが上だった時を考えるとぞっとする、最低でもロープは二人共に装備をしていたほうが良かったと反省した。


 最大のピンチは脱出したがこれから尾根に出るまで直登の試練が待っていた。谷でかなり使った体力をここでも使うかぁ。
延々と続くかと思う直登もいずれは終わる、ただし足を動かす必要がある10歩進んで休憩を繰り返しやっとの思いで奥駆道に出た。
この時の嬉しさは半端無く嬉しかった。登り切ったことより命があることの方が少し上回っていたけどね・・・

 聖宝の宿跡にある理源大師像の近くで少し遅い昼ごはんを食べていたらポツリポツリと雨が・・・

天気予報では昼から雨やもんなぁ。弥山まで行って雨が酷かったら小屋でも良いかなぁ。と思い日帰りを止め弥山へ向かう。

 聖宝の宿跡に弥山まで900mとの石碑があったのでボトルの水が少なかったが補給せずに進んだ。

これが失敗し弥山までは標高差300mもあり時間にして一時間程かかるとは・・・

そこに残った水は早々になくなり小屋に着く前にはグロッキー状態になった。

スタートして過酷な谷登りもしているのに750mlしか飲んでいなかったので脱水症状が出てきたんだなぁ。

いつぞやのこっしーみたいにヘロヘロだよぉ。

 それでも無事に弥山に着きキャンプするか小屋にするかどうするかをこっしーと話した。

聖宝の宿跡を出発して雨も降っているし疲労も凄かったので弥山が近づくにつれ小屋素泊まりの%がグングン上昇した。

そして結果としてとりあえず風をよけれそうな場所を確保できたのでタープを張ってその下にテントを張れば雨でもなんとかなるのでは?

ということでテントで寝ることにした。

 今回のテントはこっしーが持ってきた新物だ。

小屋でビールと水とテントの手続きをしていると小屋の主人と少し話をすることになった。

今日の宿泊は一組だけとか台風の影響で今年はダメとかあの谷から来たんか?とか何とか谷から来たんか?とか

夏に訪れた時とは正反対なフレンドリーやったなぁ。

テントの中で先程、主人が話していた谷はここや!とかここからも登れるんや!とか今回苦労したのにもう次の話になってる。

こっしーが言うには山と高原地図には点線ですら描かれていないが冊子で紹介されている沢登りのコースがあるんや!と・・・

帰ったら次に挑戦したい山の情報を教えるわと、もう次への挑戦が始まってるみたいだった。

大峯奥駆道の事を相談しなかったらこんなハードな山遊びはしなかったんだろうけどまぁ、付合えるだけはね頑張ろうかなぁ。

 夜中は低気圧の通過で強風が吹き荒れたがタープは飛ばされず無事だったし朝方には雨も弱まった。

昨日の疲れもあって早々に下山したら車の置いているトンネル西口まで三時間も掛らず下山したが昨日の疲れで何度もこけた・・・

一番最悪だったのは向こうからきたパーティに道譲っている時にふらついて滑って転倒という恥ずかしい場面もあった。

近頃は歩荷トレーニングをして鍛えているがまだまだ修練が足りんなぁと自分の甘さに気が付いた。