万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

ヴァーモントの美しい庭

2007-08-13 21:38:40 | 万華鏡ブログ
ハワード&エリザベス・スミスさんの2007年新作で「フラワーズ」という作品の映像です。以前にご紹介した「ハートオブヴァーモント」では、万華鏡本体、ガラスオブジェクト、アイホールの形がすべて、ハート型のユニークな作品でした。
今度の作品は木目の美しいメープル材をシンプルな楕円形の切り口の筒に加工しています。大変丁寧な造りで、滑らかな木肌が気持ちよい作品です。
オブジェクトはひとつひとつバーナーワークによるガラスの花や草からなり、そこから生まれる映像はすてきな庭のようです。同じヴァーモント州で美しい庭と心温まる絵本で有名なターシャ・テューダーさんの世界と通ずるものがあるような気がしました。ドライセルですりガラスの背景、7ポイントの明るい映像は、ガラスの透明感を活かした繊細な映像。心地よい音とともに、映像が変化していきます。
この作品は、「Views from Vermont(ヴァーモントの光景)」というシリーズのひとつと位置付けられ、製作されています。 今は「フェザーズ」と「フラワーズ」の2作品のみですが、これから増えていくとのことですから、とても楽しみです。
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「佐藤元洋の世界」展から(3)

2007-08-11 22:26:35 | 万華鏡ブログ
佐藤元洋さんのコンベンション出品作としてご紹介した「空翠」の色違いの作品です。先月「アートの庭」で開催された作品展で出品されたものです。あまりにも橙色(オレンジ色、赤色)が美しいので、ご紹介したいと思いました。ガラスの透明感に暖かい色が組み合わされている台座部分、そしてオレンジ色の流れるような色合いが美しい万華鏡の部分が組み合わされてとても印象的な作品でした。太陽のエネルギーを取り込んだような表現なのか、暮れなずむまま眺めていたい美しい夕焼け空を思う表現なのか…佐藤さんの作品は、見る人の心を映し出すような気がします。
オイルの入った球体のオブジェクトセルもバランスよく配置され、一つは赤やオレンジやピンクがそのまま染まったような色合い。もう一つは緑と黄色のオブジェクトを入れて色味を変えたもので、全体のアクセントにもなり、また内部映像の雰囲気を変えています。
今回の作品展では、本体の新しい色合いにもチャレンジし、また、オイルセルだけでなく、ドライセルの作品も充実させ、それぞれのタイプに合った特徴を工夫してオブジェクトを創っているそうです。 佐藤さんの作品はとても人気があり、製作に追われながらも、たくさんのアイディアを表現する努力をなさっていることがよくわかります。
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小さな筒の中の大きな映像

2007-08-09 17:28:44 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介した「トロピカルガーデン」の内部映像です。幾つも撮影した中のうまく撮れた1枚で、当然のことながら、同じものを見たいと思っても、まず難しいのですが、銀色の筒の中にこんなにきれいな色模様があるなんて!と(万華鏡の魔力を)分かっているのに感激し、また見たいと思うのです。
作家さんによっては、ある程度色合いなどが特定される映像もありますが、ヒーリー夫妻の作品では、オブジェクトの選び方やミラーシステムの決め方に決まりはないようです。したがって同じタイプでも2ミラーのもの、3ミラーのものが混在しています。映像の色合いもこのように赤を中心に明るいかと思えば、同じ作品が、濃いブルーの落ち着いた映像になったり、ダイクロイックガラスの効果で虹色に見えたりと千変万化です。
ペンダントや指輪など、筒の長さがかなり短い万華鏡にはアイホールにレンズを入れてあります。そうしないと人間の目の焦点距離に合わないので、ぼやけてしまうからです。ヒーリー夫妻の小さな万華鏡は、それぞれの筒の長さに合わせたレンズを使っていますので、どのタイプでもくっきりとした映像が、ほとんどの場合、実物より大きくみえています。そしてそのようにくっきりと大きく見えるということは、ミラーシステムの欠点も見逃さないのですから、映像を見れば作家さんの実力がわかるというものです。小さな万華鏡でも高価なのは、丁寧な作業と困難と技術があっての上で完成された作品だからです。
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「トロピカルガーデン」という万華鏡ペンダント

2007-08-08 17:55:50 | 万華鏡ブログ
今日はアクセサリー万華鏡の第一人者、デボラ&ケヴィン・ヒーリー夫妻の「トロピカルガーデン」シリーズの1点です。ペンダントタイプですが、造りは本格的な万華鏡と同じで、先端部のオブジェクトセルが入っている部分を回転させることができます。チェーンから下がっているU字型の金具を持ち、筒を90度傾けて、水平方向に向けることができるので、そのまま目の高さまで持ってくると、首にかけたまま、楽に中を覗くことができます。素材はスターリングシルバーで、南国の花に囲まれてブルートパーズが飾られています。石はほかにもいろいろな種類があります。
ヒーリー夫妻の数多いペンダントタイプの作品のうちでも、最も手の込んだ作品のひとつで、万華鏡としても大変高品質であり、ペンダントのデザインもバランスの取れた形が美しいものです。
小さな作品に、高い精度でミラーを組み、魅力的な変化をするオブジェクトセルを作るのはどれほど大変なことだろう!といつも感嘆してしまう、ヒーリー夫妻の作品ですが、内部の細かい作業はデボラさんの担当、銀細工はケヴィンさんの担当だそうです。次回はその映像のひとこまをご紹介します。
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マッシモ・ストリーノさん/ビーズ装飾の万華鏡

2007-08-07 22:33:36 | 万華鏡ブログ
数年前来日し、日本でもファンの多いマッシモ・ストリーノさんのサイレントオークション出品作です。過去には真鍮、アルミニウム、スターリングシルバーなどの手持ち型やアクセサリータイプの作品、またバンクシアという木の実を使った作品などさまざまな素材で製作していましたが、今の作風はこの作品のとおり、スワロフスキーのビーズを飾りつけたパーラータイプを中心に創っています。支えるスタンドの部分の金属も渋い色ながら、装飾的です。
テーマの灯台はオブジェクトの部分で、回転させて映像の変化を楽しみます。万華鏡本体の向きを変えることによっても、映像を変化させることができます。ぶらさがっているのは、やはりスワロフスキーのビーズで飾られた小さなライトです。このライトをオブジェクトに当てると、きらきらと輝きが増し、また違った映像が見られます。来日した当時、作風の大きな転換には驚いた記憶がありますが、マッシモ・ストリーノさんはむしろ原点に戻ってきたとおっしゃっていました。それから数年、この作風でますます磨きがかかってきたように思います。
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ランチボックスの万華鏡

2007-08-06 16:06:44 | 万華鏡ブログ
今日は楽しげな作品をご紹介します。 今年の万華鏡コンベンションのサイレントオークションのテーマは「灯台」でした。このテーマで作家さんがいろいろな一点ものの作品を創り、出品しました。 ユニークな作品がありましたので、少しずつご紹介します。
これはマーシャ・クラークさんの「A Light Lunch(ライトランチ)」という作品で、金属製のランチボックスに装飾をして、中にミラーシステムを組み込んだものです。装飾はごらんの通り、灯台とカモメ達、反対側にはビーズとワイヤー細工による海と魚、そして船が見えます。
左の側面にアイホールがあり、右側の側面に大きめのオイルセルが見えています。
セルを回しながら、2ミラーシステムを通して映像の変化を楽しみます。持ち運べる可愛い雰囲気の作品ですが、お腹の足しにはなりません。あくまでも目のご馳走です。
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3ポイントの花模様

2007-08-03 16:25:24 | 万華鏡ブログ
前回ご紹介したキテルソン夫妻の「フクシア」の内部映像です。ご存知の通り、ゆったりと流れるような映像が美しいオイルセルの万華鏡なので、ここだ!と思ったところでシャッターを押してもなかなか思うように撮れませんが、この写真を選んでみました。
3ポイントの映像で、紅紫や薄紫の陰影を美しく表現しています。チューリップのときにご紹介した内部映像も3ポイントですが、輪郭にも手が加えられていましたので、感じが違います。こちらは六角形の映像で、より濃く、深い色合いが独特の雰囲気の作品になっています。
このフラワーシリーズは、外観のデザインが凝っているだけではなく、オブジェクトのガラス細工も手が込んでいます。この作品なら、フクシアの花をバーナーワークで創ったものも入っています。映像からはわかりませんが、以前、ほかの花のオブジェクトを見せてもらったことがあります。あのオブジェクトセルに入って、優雅に動き回るのですから、とても小さいものです。
バーナーワークによるオブジェクトは、作家さんの個性をよく表すものです。万華鏡を楽しむときの注目ポイントとしてごらんになると、作家さんごとの違いがわかって面白いと思います。
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万華鏡に咲く華

2007-08-01 22:14:59 | 万華鏡ブログ
スティーブ&ペギー・キテルソン夫妻のフラワースコープシリーズから2007年の新作「フクシア(Fuchsia)」です。繊細な花模様を白いガラスに順々に重ねて焼き付けてあります。それからスランピングという技法で筒状にして、万華鏡に仕上げます。 フラワーシリーズには大きな円状の木製の台が付いているのが特徴です。
2ミラー、ドライセルという基本的なスタイルを貫きながら、毎年違った花をテーマに素敵な作品を創っているので、発表されるのが本当に楽しみです。今年も万華鏡のコンベンションで実物を拝見してきましたので、ご紹介したいと思いました。(2006年2月22日カラーリリー、5月25日ダリア、ラン、デイジー、2007年3月12日チューリップをご紹介しています。)
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