このステンドガラスの万華鏡は、全長7.5cmほどの作品で、ペンダントのようになっています。 創ったのはシェリー・モザーさん。 '89と刻まれていることから、25年前に製作された万華鏡です。 現在は万華鏡製作よりもガラスジュエリーの製作に力を入れているシェリーさんですが、カレイドスコープルネッサンスの初期の頃から、斬新な作品を生み出し、数々の受賞歴を持っていて、 コージー・ベーカーさんの本にも代表的な作品がいくつも紹介されています。
この作品も「シャンダラ」という有名な作品の小型版で、映像の見え方はほぼ同じです。 ミラーシステムの中にオブジェクトを入れて動かすという大胆なアイディアから生み出されたのは、 まるで天井から下がるシャンデリアのように見える立体映像です。
本来のその作品は、2010年8月27日の当ブログでご紹介しています。
これを見たコージー・ベーカーさんがシャンデリアとマンダラを合わせて、「シャンダラ」と名付けました。
2ミラーシステムの第3面が半透明なガラスになっていて、そこに光が当たると、こんなにピンク色に輝きます。
少し光をそらせると、こんな色にも見えます。 実際は淡い色のガラスオブジェクトなのですが、光によって色が生まれるところが面白い作品です。
この万華鏡にはちょっとした歴史があります。 創ったのはシェリー・モザーさんで、それをコレクションのひとつとして持っていたコレクター/作家のジュディス・ポールさんがオークションに出品し、コレクター/万華鏡ギャラリーのオーナーのM.Wさんが落札したものです。
そのM.Wさんから私のもとにやってきたこの万華鏡には、少し古びてはいても、関わってきた人たちの万華鏡への想いが詰まっている気がして特別な作品です。
万華鏡コレクターという人たちがブリュースター・カレイドスコープソサエティーにはたくさん参加しています。 日本にもコレクターの方が増えていると思いますが、数として把握することはできていません。 万華鏡が好きだ、この作家さんが好きだという人たちがそんな思いを伝えあう場があれば良いのになあと思うこの頃です。