中里保子さんが夢シリーズの作品で、初めて黄色がメインカラーでのオブジェクトに挑戦なさいました。中里さんはそのイメージをゴッホの「12本の向日葵」に求めたそうです。「向日葵」はゴッホが短い生涯の中で、何枚も描いたことで有名ですが、その独特の色使いが印象的な作品です。
中里さんはそのイメージを持ちながら、黄色系のオブジェクトをさまざまなガラスを使ってバーナーワークで作り始めたとのこと。そして、いろいろな黄色が生まれてきて楽しくなり、黄色いガラスの山ができたとおっしゃっていました。その山からオブジェクトの組み合わせを選び出し、何度も覗いて確かめながら、やっとひとつの作品になります。
レモンのような緑がかった黄色からオレンジかがった黄色、琥珀色まで、色味の違いだけでなく、透明なもの、不透明なもの、表面に光沢があるもの、ねじったもの、細いもの、丸いもの・・・それらのオブジェクトが丸いガラスオブジェクトセルの中に見えています。
2ミラーシステム7ポイントの映像はゴッホの絵のように、いろいろな色を帯びた黄色の花が次々に展開します。絵の具を重ねたり、混ぜ合わせたような濃厚な色を見せたかと思うと、透き通ってきらきらする瞬間もあり、味わいのある魅力的な映像展開です。