鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

印。

2008-05-30 | 日々のこと。
21世紀美術館が建てられたとき、
街路樹として沿道に植えられていたプラタナスの並木が
ある日根こそぎ無くなりました。
代わりに大きなケヤキが1本植えられましたが、
このケヤキ、土地の祖霊から
プラタナスの哀しみの声を聴いたことでしょう。

そして今、通勤時に通る石川県立美術館前でも
同じことが起きているのでした。
21世紀美術館ができたことで集客が落ちこんだのを立て直すためか、
現在、美術館はバリアフリー化と称してリニューアル工事中。
ついで道路から建物がよく見えるようにするためなのでしょう、
あれよあれよと正面に植えてあった木々が無くなっています。
青いペンキで印をつけられた直径60㌢あまりのこのケヤキも、
まもなく伐られてしまう運命です。
木にとってこの青いペンキは、死刑宣告の印なのでした。

そよそよと風わたる梢の音がどこか寂しく聴こえるのは、
気のせいだけでしょうか。