鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

かはたれそ。

2009-12-06 | 本のこと。
先日の富貴よせ企画展のとき、
亀鳴屋の主人と妻女の幸ちゃんが遊びに来てくれました。
連日の原稿入力でへたばったようすの亀主人。

「なんかいい布な~い?」と言いながら、帯と着物に近づくのであります。
この方にとって、帯や着物は本の装丁に使う布クロスにしかみえないのですな。

やおら本棚にあった「藤澤清造貧困小説集」(亀鳴屋刊)を手にとると、
ぐるぐる帯を本に巻きつけたり、着物の袖に本を通してみたりと、
もしこのようすを着物好きのお客さんがみたら、訝しい視線を送られること必定。

何枚かそうやって試しているなか、黒地に江戸紫の唐草模様、
袖の返しには紅絹が使われた綸子の着物がすっかり気に入ったようす。
「ああ~、これ、いい!!!」と先ほどまでとは打って変わってハイテンション。
幸ちゃんも、お気に入りが決まったようでニコニコ。
お二人に喜んでいただけて良かった~。

亀主人が求められた着物は、解かれ、遠くない将来、
伊藤人誉さんの本の特装本に生まれ変わります。
 
 かはたれそ 女の声で なく蛙    人誉

亀鳴屋本ファンの皆様、お楽しみに~。



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2 コメント

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着物再生 (甘夏)
2009-12-07 09:22:16
着物をリフォームして洋服に、というのはよく聞きますが、本の特装本なんてステキかつ贅沢ですねー。
その内かたかご庵さんでも拝見できるでしょうか。
楽しみにしています!
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そうですよね (kakyo)
2009-12-07 19:35:37
◎甘夏さま
考えてみたらそうですよね。さすが着物をよくご存じの甘夏さん!
亀鳴屋主人が1冊、寄贈してくれると約束してくれましたので、いつか必ず。
私も楽しみです。
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