鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

仙台文庫「ブックカフェのある街」。

2011-02-19 | 本のこと。


ここ数年、実は仙台の古書界とアンティーク界が楽しい企画を次々くりだしていて、
密かに注目していました。
そのムーブメントの中心的存在のひとつがブックカフェ「火星の庭」。
金沢でも昨年からOYOYO書林さんやあうん堂さんが「一箱古本市」をはじめましたが、
仙台では火星の庭さんが早々行っており、今も盛況のようす。
また昨年はBOOK!BOOK!SENDAI!という大きなイベントも行っていて、
杜の都仙台では、本が(古書店、本屋)がとても呼吸をしやすそうにしているのです。

さてそんな仙台で、1月末に市民がお金を出し合い本を作るという出版スタイル、
早い話、市民レーベルで、
仙台文庫が誕生しました。
素晴らしい!
仙台文庫の記念すべき第1冊は、
先に掲げたブックカフェ「火星の庭」オーナーの前野久美子さんが執筆した
『ブックカフェのある街』です。

同書の前半にはブックカフェ「火星の庭」ができるまでの経緯が包み隠さず書かれていて、
善意で助けてくださる方々の思いにホロリ、
自営業として身につまされることにホロリ、させられました。
後半は旅したヨーロッパで出会ったブックカフェのこと、
店内で行っている仙台在住の作家佐伯一麦氏を交えた読書会のようすほか、
仙台市内のブックカフェ店主、出版社を経営する方などの交友、本への思いなどが、
気負いのない文体で綴られていました。

惜しむらくは章立てやデザインなどもう少し洗練されるといいかな。
それはともかくも、仙台で育まれている「本の文化」、店作りの思いが沸々伝わってきました。
本が好きな人はもとより、これから何かお店を始めようという人にお奨めです。

ところで私がこの仙台文庫を知ったのは、
同書にも載っている書肆マゼラン店主のタカクマさんのブログから。
タカクマさんは実は富山出身の方で、学生時代を仙台ですごしたことから、
サラリーマンから転身し、仙台で古書店を営むに到った方。
彼もとても素敵な企画をお店で行っていらっしゃいます。
いつか仙台へ行ったらきっと訪ねますね~、タカクマさん

わが街も、文学の街としては仙台同様、
いやそれより豊かな土壌の街であったはずだから・・・、
もっともっと盛り上がって、
根付いていくといいなと思います。

本年3年目に入るかたかご庵も今年は本にまつわる何かを。
え? まだまだ妄想ですよ。














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2 コメント

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ありがとうございますー (くま)
2011-02-25 19:06:00
どうも、マゼランの高熊です。
仙台文庫をお読み下さるとは、恐縮するやら嬉しいやら。とにもかくにも光栄です。その上ご紹介下さるなんて、重ねがさね感謝です。
ありがとうございます!
弊店などまだまだひよっこですが、火星の庭さんの勢いは留まるところを知りません。つねづね刺戟を頂いています。ボクも精進せねば。。

金沢は、仰るとおり、文化的ソースの宝庫ですよね。富山に住んでる当時から羨ましかったものです。
ボクも、きっとまた金沢を訪ねたいと思います。その折にはこちらこそどうぞよろしくですー!
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よろしくどうぞ! (kakyo)
2011-02-28 09:53:27
○高熊さん
コメントありがとうございます。
いつもすごく刺激を受けていますよ~。
こちらの古書界も、元気よくなってきました。
御地、高熊さんらの活動に刺激をいただきながら、
楽しく、少しは儲けがでるよう(苦笑、
私も精進していきます。


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