鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

追悼 久野恵一さんのこと。

2015-05-02 | 日々のこと。
光陰矢の如し。

風薫る五月とは言い古されていますけれど、
本当に草花の香りが風に乗りながれてき、
生命の根源から気持ちが浮きたちます。

そんななか先日、もやい工藝の店主でもあり、
手仕事フォーラムの代表でもあった
久野恵一さんの訃報を眼にし胸が締め付けられました。
さぞかしご本人も悔しかったことだろう、
その心中を思うと涙が止まりませんでした。
3月の終わりに入院され、
それから一月あまりでの旅立ちでした。


久野さんは民藝を心より愛し、そして未来を憂い、
それが全国のさまざまの作り手のもとを訪ね、作品を見、発注し、
販売することに繋がっていました。
時に作品に厳しい評価もし作家を叱咤激励もされていましたが、
根底には愛がありました。

久野さんは作り手を育てるだけでなく、
買い手である消費者も育て、その裾野を広げようと各地で展覧会も行い、
そして「民藝の教科書」も執筆。
情熱と行動力の人でした。
思えばそれがお体に、負担をかけてしまったわけですが・・・。

命をかけ執筆した「民藝の教科書」の展示販売が
5月9日~23日に七尾ICOUで行われます。
ぜひお出かけください。

生前、久野さんにお逢いしたとき、
かたかご庵で民藝の展示会をしたいとお願いしたこともありましたが、
以前、販売会を金沢で行ったおり反応が今一つよくなかったようで
「金沢はなあ・・・」と言葉を濁されて実現に至らず。
もっと強くお願いしたらよかったなあ。

それにしても儚い。
今頃、去年お亡くなりになった八尾の桂樹舎・吉田桂介さんに
「なんだもう来たのか」と怒られながらも
あの世で民藝、骨董談義に花を咲かされているだろうか。

ご冥福、心よりお祈り申し上げます。





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