鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

梨木香歩 ロングインタビュー。

2008-06-10 | 本のこと。
久しぶりに立ち読みだけでなく(ごめんなさい)、
ダ・ヴィンチ7月号を買いました。
梨木香歩さんの特集で、ロングインタビューもあるんです。
「西の魔女が死んだ」の最初の読者が故河合隼雄氏だったんなんて!
作品のバックボーンが紐解かれて、
また一段と梨木香歩さんの世界観を深く感じられました。


先の歪と歪のお話の続きだけれども。
抑圧された小学生の時や一人になってしまった時、
私の場合、宮沢賢治や古い器、猫、空、草花に助けられました。
梨木さんの紡ぐ物語りもまた。

そんなはずれ方、逃がれ方、休み方、心を守れるあたたかい場所が、
いろんな形でどこかにきっとあるんです。
見つけてくださいね。

歪と歪。

2008-06-10 | 日々のこと。
歪と歪。
同じ漢字ですが、読みは『いびつ』と『ひずみ』です。

「ぼくは昭和一桁生まれだからね。日本がどんどん戦争に巻きこまれていって、
思いも寄らぬ方向へいったのを見て知っているんです」。

日曜の午後来店されたMさんがそうお話されました。
Mさんは私の親と同世代。再来週、「げいのう万華鏡」にもご一緒される方です。

「今の日本は、あの頃とまるで同じだね。
効率という名前の戦争にどんどん巻きこまれて、
人の生き方が乱暴で歪(ひず)んでいるように思う。
ぼくもいい年齢だからあとどれくらい生きられるかわからないから、
そういう物事や人から遠ざかっていようと思うんだ」。

そう仰るMさんが来られるうちの店は、
さするに効率からは外れていることになるのですよね。。。。
商いとしては喜んでいいのか、哀しんでいいのかではありますが。
商う物が物、者が者だから仕方ないでしょうか(苦笑)。

しかしながら、もう少し効率の渦からの逃れ方、外れ方、
間の取り方なぞの生き方を何かしら身につけていれば、
どんな歪(いびつ)な生き方であろうとも、もっと別の道があったろうにと、
昨今の物騒な物事に思いを向けてしまいます。

骨董の世界でも、歪(いびつ)は愛でられても、
歪(ひずみ)は愛でられはしません。
心してあられよ。