俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

9月14日(金)

2018-09-14 10:20:52 | 日記
★葛の花匂わすほどの風が起き  正子
葛の花は秋の七草の一つで、何処までも蔓が伸びゆくほど繁殖力が旺盛です。葉が大きく茂り、葉裏には紅紫の可愛い花を咲かせており、微かでも風が起こると葉裏の花のほのかな香りが漂いほっとこころ癒されます。(佃 康水)

○今日の俳句
韮の花浸す野川の音澄むへ/佃 康水
韮の花は新涼の季節に先駆けて咲く。摘んだ韮の花は野川に浸すと涼やかな花となる。「清ら」は主情が強いが、「澄む」は写生であっても作者の深い内面が出る。(高橋正子)

●曇り。夜雨が降ったようだ。
去年の9月14日は、<「毎日俳句αあるふぁ」の15日締め切りの「水」の原稿を送った。>
花冠は有名にはならないが、ありがたいことに、ほそぼそ途切れることなく、メディアが取り扱ってくれる。もうすぐ、「俳句四季」10月号が20日にでる。これには、花冠創立35周年の記事が載る。

栗の実を茹で入院の日を待てり 正子
年老えば葡萄ひと粒珠となす  正子
秋水を瓶に満たして雨の花   正子

○唐辛子

[唐辛子/横浜日吉本町]

★唐辛子男児(おのこご)の傷結ひて放つ 草田男
男の児は、手足に傷などよく負うものだ。 膝でも擦りむいたのだろうか、包帯をして、また遊びに行かせた。唐辛子が熟れるころは、「天高し」ころ。気候もよく、男児はことに日暮れ際までよく遊ぶ。ぴりっとした唐辛子の可愛さは、また男児の元気な可愛さに通じる。(高橋正子)

★青くても有べき物を唐辛子 芭蕉
★鬼灯を妻にもちてや唐がらし 也有
★うつくしや野分のあとのとうがらし 蕪村
★寒いぞよ軒の蜩唐がらし 一茶
★雨風にますます赤し唐辛子 子規
★赤き物少しは参れ蕃椒 漱石
★一莚唐辛子干す戸口かな 碧梧桐
★辛辣の質にて好む唐辛子 虚子
★誰も来ないとうがらし赤うなる 山頭火
★唐がらし熟れにぞ熟れし畠かな 蛇笏
★秋晴れやむらさきしたる唐辛子 夜半
★戸袋の筋にかけあり唐辛 石鼎
★庭園に不向きな赤い唐辛子 鷹女
★唐辛子干して道塞く飛鳥びと 秋櫻子
★秋の日の弱りし壁に唐辛子 みどり女
★炎ゆる間がいのち女と唐辛子 鷹女
★てのひらに時は過ぎゆく唐辛子 不死男
★唐辛子わすれてゐたるひとつかな 楸邨

熟れた唐辛子は可愛い。店で唐辛子の実を束ねて売っているので、それを買い、しばらく台所に飾って楽しんでそれから使う。信之先生は、うどんには、七味唐辛子でなく、この赤い唐辛子を細く輪切りにしたのを入れるのが習慣だ。きんぴらには、辛いというくらい入れたい。すでに輪切りにした唐辛子を売っているが、それではなく、丸のままのを買って、鋏で丹念に切る。
農家には、どこの家の畑の隅に唐辛子を植えていた。熟れると茎ごと抜いて束ね。家の軒下など日陰に吊るして乾燥させた。沢山採れる家は、筵に広げて乾燥させたのだろうが、これは、見たことがない。父も、うどんにはこの唐辛子をたっぷりと入れて食べていた。七味ではない。
唐辛子のなかでも辛くない唐辛子がある。ピーマンも、ししとうも唐辛子の仲間である。父がまだ中年のころ、辛くない唐辛子といって、近所でははじめてピーマンを植えた。子どもにも食べれた。刻んで、油炒めで醤油の味付けだったと思う。唐辛子が食べれたと子どもながら自慢であった。そのせいか、いまでもシシトウや甘唐辛子が沢山手に入ると、油炒めで醤油、鰹節で佃煮のようにして食べる。これが、我が家では、娘にも人気でご飯がすすむ。

唐辛子のことで思い出したが、長野の小諸で花冠(水煙)大会をしたとき、伊那の河野斎さんが来られ、善光寺の名物の七味唐辛子をいただいた。そのとき、善光寺名物が七味唐辛子であることを知ったが、いい香りの七味唐辛子であった。河野さんは、伊那で歯科医院を営んでおられたが、偶然にも、三男のお嫁さんが、私の郷里の福山のご出身と聞いた。縁は異なもの不思議なもの、です。河野さんは急逝されたが、ご家族に林檎の木を残されて、その年の林檎の収穫のおすそわけをいただいた。お孫さんたちが俳句を作って花冠(水煙)に投句されていたので、お孫さんと、そのお母さんのお気持ちだと知った。唐辛子からひょんなところに話がずれたが、思い出したので、書き留めておいた。

★唐辛子真っ赤に熟れしをキッチンに/高橋正子
★唐辛子もう日暮だと子を呼びに/〃

 唐辛子(とうがらし、唐芥子、蕃椒)は、中南米を原産とする、ナス科トウガラシ属 (Capsicum) の果実から得られる辛味のある香辛料。栽培種だけでなく、野生種から作られることもある。トウガラシ属の代表的な種であるトウガラシにはさまざまな品種があり、ピーマン、シシトウガラシ(シシトウ)、パプリカなど辛味がないかほとんどない甘味種(甘唐辛子・あまとうがらし)も含まれる。トウガラシ属は中南米が原産地であり、メキシコでの歴史は紀元前6000年に遡るほど非常に古い。しかし、世界各国へ広がるのは15世紀になってからである。
 唐辛子が日本へ伝わったのは、16世紀後半のことで、南蛮船が運んで来たと言う説から南蛮胡椒、略して南蛮または胡椒とも言う。コロンブスは、唐辛子を胡椒と勘違いしたままだったので、これが後々まで、世界中で唐辛子(red pepper)と胡椒(pepper)の名称を混乱させる要因となった。現在世界中の国で多く使われているが、アメリカ大陸以外においては歴史的に新しい物である。クリストファー・コロンブスが1493年にスペインへ最初の唐辛子を持ち帰ったが忘れられ、ブラジルで再発見をしたポルトガル人によって伝播され、各地の食文化に大きな影響を与えた。ヨーロッパでは、純輸入品の胡椒に代わる自給可能な香辛料として南欧を中心に広まった。16世紀にはインドにも伝来し、様々な料理に香辛料として用いられるようになった。バルカン半島周辺やハンガリーには、オスマン帝国を経由して16世紀に伝播した。
 日本で栽培されているのは主にトウガラシだが、沖縄や伊豆諸島ではキダチトウガラシの品種の島唐辛子が栽培されている。トウガラシ属が自生している南米では、ウルピカなどの野生種も香辛料として使われる。「唐辛子」の漢字は、「唐から伝わった辛子」の意味であるが、歴史的に、この「唐」は漠然と「外国」を指す語とされる。英語では「チリ(chili)」または「チリ・ペッパー (chili pepper)」と言う。胡椒とは関係が無いにも関わらず「ペッパー」と呼ばれている理由は、ヨーロッパに唐辛子を伝来させたクリストファー・コロンブスがインドと勘違いしてアメリカ大陸に到達した際、唐辛子をインドで栽培されている胡椒の一種と見なしたためである。それ以来、トウガラシ属の実は全て「ペッパー」と呼ばれるようになった。沖縄県では島唐辛子や、それを用いた調味料をコーレーグス(コーレーグース)と呼ぶが、これは高麗胡椒の沖縄方言読みとも、「高麗薬(コーレーグスイ)」が訛ったものだともされる。唐辛子の総称として鷹の爪を使う者もいるが、「鷹の爪」はトウガラシ種の1品種である。


◇生活する花たち「女郎花・葛の花・萩」(四季の森公園)
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9月13日(木)

2018-09-14 10:05:46 | 日記
  尾瀬
★山小屋の湯にいて秋の笹の音  正子
山小屋の湯に浸り、旅の疲れを癒す、心身ともに安らぐひととき。その快さの中で聞く笹の葉擦れの音に、いっそう澄んだ秋の夜が感じられ、尾瀬の秋に身を置く作者の喜びが伝わってまいります。(藤田洋子)


「サワギキョウ」(尾瀬ヶ原)

サワギキョウ(沢桔梗、学名: Lobelia sessilifolia )はキキョウ科ミゾカクシ属の多年草。美しい山野草であるが、有毒植物としても知られる。
茎の高さは50cmから100cmになり、枝分かれしない。葉は無柄で茎に互生し、形は披針形で、縁は細かい鋸歯状になる。
花期は8月から9月頃で、濃紫色の深く5裂した唇形の花を茎の上部に総状に咲かせる。花びらは上下2唇に分かれ、上唇は鳥の翼のように2裂し、下唇は3裂する。萼は鐘状で先は5裂する。キキョウと同じく雄性先熟で、雄しべから花粉を出している雄花期と、その後に雌しべの柱頭が出てくる雌花期がある。
北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の湿った草地や湿原などに自生する。普通、群生する。

○今日の俳句
窓越しの鳴き澄む虫と夜を分つ/藤田洋子
「夜を分かつ」によって、窓の外の虫音と内とが繋がって、しっとりと落ち着いた虫の夜となっている。「鳴き澄む」虫の声が透徹している。(高橋正子)

●自由な投句箱のコメント6日分をし終える。問題句が1句でもあると、溜まる。俳句は創作であり、詩であるから、文法的な問題をどうするか、難しい。作る方は特に考えないで作っているのかもしれないが。
【思うが】俳句の句境(心境)の段階を問題にする人は、総合俳誌では、いないように思う。日本の伝統芸能の「能」では完全にそうではないか。

『ゲゲゲの女房』、病院の本棚にあり、待ち時間に数べージ読みかけた。面白そう。

○数珠玉

[数珠玉/横浜・四季の森公園]

★数珠玉や歩いて行けば日暮あり/森澄雄
★数珠玉や家のまはりに水消えて/岸田稚魚
★じゅず玉は今も星色農馬絶ゆ/北原志満子
★数珠玉や流れの速き濁り川/天野美登里
★数珠玉の数珠の数個をポケットに/山内四郎
★数珠玉よ川にも空が映るなり/高橋正子
★数珠玉を採ってしばらく手のうちに/〃

 ジュズダマ(数珠玉、Coix lacryma-jobi)は、水辺に生育する大型のイネ科植物である。インドなどの熱帯アジア原産で、日本へは古い時代に入ったものと思われる。一年草で、背丈は1m程になる。根元で枝分かれした多数の茎が束になり、茎の先の方まで葉をつける。葉は幅が広い線形で、トウモロコシなどに似ている。花は茎の先の方の葉の付け根にそれぞれ多数つく。葉鞘から顔を出した花茎の先端に丸い雌花がつき、その先から雄花の束がのびる。雌花は熟すると、表面が非常に固くなり、黒くなって表面につやがある。熟した実は、根元から外れてそのまま落ちる。なお、ハトムギ(C. lacryma-jobi var. ma-yuen)は本種の栽培種である。全体がやや大柄であること、花序が垂れ下がること、実がそれほど固くならないことが相違点である。
 脱落した実は、乾燥させれば長くその色と形を保つので、数珠を作るのに使われたことがある。中心に花軸が通る穴が空いているので、糸を通すのも簡単である。実際に仏事に用いる数珠として使われることはまずないが、子供のおもちゃのように扱われることは多い。古来より「じゅずだま」のほか「つしだま」とも呼ばれ、花環同様にネックレスや腕輪など簡易の装飾品として庶民の女の子の遊びの一環で作られてきた。秋から冬にかけて、水辺での自然観察や、子供の野外活動では、特に女の子に喜ばれる。
 イネ科植物の花は、花序が短縮して重なり合った鱗片の間に花が収まる小穂という形になる。その構造はイネ科に含まれる属によって様々であり、同じような鱗片の列に同型の花が入るような単純なものから、花数が減少したり、花が退化して鱗片だけが残ったり、まれに雄花と雌花が分化したりと多様なものがあるが、ジュズダマの花序は、中でも特に変わったもののひとつである。まず、穂の先端に雄花、基部に雌花があるが、このように雄花と雌花に分化するのは、イネ科では例が少ない。細かいところを見ると、さらに興味深い特徴がある。実は、先に“実”と標記したものは、正しくは果実ではない。黒くてつやのある楕円形のものの表面は、実は苞葉の鞘が変化したものである。つまり、花序の基部についた雌花(雌小穂)をその基部にある苞葉の鞘が包むようになり、さらにそれが硬化したものである。この苞葉鞘の先端には穴が開いており、雌花から伸び出したひも状の柱頭がそこから顔を出す。雌花は受粉して果実になると、苞葉鞘の内で成熟し、苞葉鞘ごと脱落する。一般にイネ科の果実は鱗片に包まれて脱落するが、ジュズダマの場合、鱗片に包まれた果実が、さらに苞葉鞘に包まれて脱落するわけである。実際にはこの苞葉鞘の中には1個の雌小穂のほかに、2つの棒状のものが含まれ、苞葉鞘の口からはそれら2つが頭を覗かせている。これらは退化して花をつけなくなった小穂である。したがって、包葉鞘の中には、花をつける小穂(登実小穂)1つと、その両側にある不実の小穂2つが包まれていることになる。これら雌小穂と不実の小穂の間から伸びた花軸の先には、偏平な小判型の雄小穂が数個つく。1つの雄小穂にはそれぞれに2つの花を含む。開花時には鱗片のすき間が開いて、黄色い葯が垂れ下がる。


◇生活する花たち「露草・なんばんぎせる・玉珊瑚(たまさんご)」(東京白金台・自然教育園)
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9月12日(水)

2018-09-12 20:08:32 | 日記
  尾瀬
★山小屋の湯にいて秋の笹の音  正子
山小屋でお湯につかっておられると、戸外で笹が擦れ合う音が聞こえてきました。山小屋の秋の夜の静かさ、清澄な空気が伝わってきます。 (多田有花)

○今日の俳句
傷に刃を当て傷物の梨をむく/多田有花
傷物の梨を剥こうとすれば、まず傷をとってからが普通の行為だが、「傷に刃を当て」と言われると神経がピリッとする。リアルな句だ。(高橋正子)

○瓢箪

[瓢箪/東京・向島百花園]          [瓢箪/横浜市緑区北八朔町]

★ありやうにすはりて青き瓢かな 涼菟
★花や葉に恥しいほど長瓢 千代女
★人の世に尻を居へたるふくべ哉 蕪村
★ひとりはえてひとつなりたる瓢かな 几董
★老たりな瓢と我影法師 一茶
★取付て松にも一つふくべかな 子規
★風ふけば糸瓜をなぐるふくべ哉 漱石
★吐せども酒まだ濁る瓢かな 碧梧桐
★露の蟻瓢の肩をのぼりけり 青畝
★あをあをとかたちきびしき瓢かな 蛇笏
★台風に傾くままや瓢垣 久女

私には弟がいて、男の子が喜ぶようなものとして、父が瓢箪と糸瓜を植えたことがあった。小型の瓢箪が沢山出来た。瓢箪の実から種を出さなければいけない。この種は水に瓢箪を付けて腐らせて出すのだと聞いたことがある。父がどのようにして種を抜いたか知らないが、いつの間にか、軽くなった瓢箪が家に転がっていた。おもちゃにした記憶はないが、なにかしら好ましい形で、我が家の瓢箪という感じだった。瓢箪は中にお酒を入れると艶よくなるそうである。瓢箪の好きなどこそこのご隠居さんは、お酒を含ませた布で毎日熱心に磨いているそうだと祖母が話していたこともある。最近は瓢箪集めという趣味も無くなってなっているのかもしれない、と思うと同時に、子供のころとは世の中が随分変わって来たのだと思う。昨年向島百花園に行ったときは、棚にうすみどり色のいい形の瓢箪が生っていた。

★瓢箪のさみどり色や向島/高橋正子

ヒョウタン(瓢箪、瓢簞、学名:Lagenaria siceraria var. gourda)は、ウリ科の植物。葫蘆(ころ)とも呼ぶ。なお、植物のヒョウタンの実を加工して作られる容器も「ひょうたん」と呼ばれる。最古の栽培植物のひとつで、原産地のアフリカから食用や加工材料として全世界に広まったと考えられている。乾燥した種子は耐久性が強く、海水にさらされた場合なども高い発芽率を示す。日本では、『日本書紀』(仁徳天皇11年=323年)の記述の中で瓢(ひさご)としてはじめて公式文書に登場する。茨田堤を築く際、水神へ人身御供として捧げられそうになった男が、ヒョウタンを使った頓智で難を逃れたという。狭義には上下が丸く真ん中がくびれた形の品種を呼ぶが、球状から楕円形、棒状や下端の膨らんだ形など品種によってさまざまな実の形がある。かつては、実を乾かして水筒や酒の貯蔵に利用されていた(微細な穴があるために水蒸気が漏れ出し、気化熱が奪われるため中身が気温より低く保たれる)。利便性の高さからか、縁起物とされ羽柴秀吉の千成瓢箪に代表されるように多くの武将の旗印や馬印などの意匠として用いられた。瓢箪は、三つで三拍(三瓢)子揃って縁起が良い、六つで無病(六瓢)息災などといわれ、掛け軸や器、染め物などにも多く見られる。ちなみに大阪府の府章は、千成瓢箪をイメージしている。
ヒョウタンは水筒、酒器、調味料入れなどの容器に加工されることが多い。乾燥したヒョウタンは、表面に柿渋やベンガラ、ニスを塗って仕上げる。水筒や食器など、飲食関係の容器に用いる場合は、酒や番茶を内部に満たして臭みを抜く。軽くて丈夫なヒョウタンは、世界各国でさまざまな用途に用いられてきた。朝鮮半島ではヒョウタンをふたつ割りにして作った柄杓(ひしゃく)や食器を「パガチ」と呼び、庶民の間で広く用いられてきた。また、アメリカインディアンはタバコのパイプに、南米のアルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルではマテ茶の茶器、またインドネシア・イリアンジャヤやパプアニューギニアなどでは先住民によってペニスケースとして使われている。ヒョウタンには大小さまざまな品種があり、長さが5センチくらいの極小千成から、2メートルを越える大長、また胴回りが1メートルを超えるジャンボひょうたんなどがある。ヒョウタンと同種のユウガオは、苦みがなく実が食用になり、干瓢の原料となる。農産物としても重要であり、近年は中国からの加工品輸入も増加している。主として生または乾物を煮て食べる。また、強壮な草勢からスイカやカボチャの台木としても利用される。


◇生活する花たち「葛の花①・葛の花②・木槿(むくげ)」(横浜日吉本町)
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9月11日(火)

2018-09-11 20:07:17 | 日記
作業中
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9月10日(月)

2018-09-10 14:50:32 | 日記
★赤とんぼいくらでもくる高さなり  正子
秋と云えば赤とんぼ。小さな存在だが、それが手の届きそうな高さに乱舞している。そこに秋たけなわの歓びを感じます。「いくらでもくる」が、作者の驚きの気持ちを含めたユニークな措辞で、印象的です。(河野啓一)

○今日の俳句
海見ゆる牧に草食む秋の馬/河野啓一
海の見える牧場。ゆったりとして草を食む馬との取り合わせに、新鮮味がある。(高橋正子)

●9月月例ネット句会。今回は、俳句αあるふぁに投稿する水の句も同時に投句。

◇生活する花たち「白むくげ・ひおうぎ・女郎花」(東京・向島百花園)
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9月9日(日)

2018-09-09 11:04:58 | 日記
★つまみ菜を洗えば濁る水の色  正子
小さいつまみ菜には土も付いていない程でしょうが、それでも僅かに濁る水の色。小さく弱いつまみ菜を大切に洗っておられるのでしょう。湯掻けばほんの一握りですが、おいしいお浸しが食卓を賑わします。(黒谷光子)

○今日の俳句
どの道を行くも稲の香漂いて/黒谷光子
どの道を行っても稲の香がしている、静かであかるい村。稲の熟れるころを自然体で詠んでいて、いつまでも残したい日本の風景。(高橋正子)

●月例9月ネット句会。北海道の地震。台風21号。どれがどれだか、わからなくなるほどの災害の連続。



2011年にも9月8日に、なぜだか、向島に出掛けている。

○過去(2011年) 向島百花園
 昨日、墨田区の向島百花園へ花の写真を撮りに出掛ける。午前9時、信之先生と自宅を出て、帰宅は、午後3時であった。東急東横線の日吉駅から日比谷線に乗って終点の南千住、北千住で乗り換え、東武伊勢崎線を乗り継いで東向島駅で降りる。徒歩10分ほどで向島百花園に着いた。園内は、萩、女郎花、藤袴、葛など秋の七草の盛りであったが、樹が茂って、写真撮影には、光が不足していた。 園内には、庭造りに力を合わせた文人墨客たちの足跡もたくさんあり、芭蕉の句碑を含め、合計29の句碑が随所に立っていた。
 江戸の町人文化が花開いた文化・文政期に造られた百花園は、花の咲く草花鑑賞を中心とした「民営の花園」であった。当時の一流文化人達の手で造られ、庶民的で、文人趣味豊かな庭として、小石川後楽園や六義園などの大名庭園とは異なった美しさをもっていた。民営としての百花園の歴史は昭和13年まで続いたが、東京市に寄付された。昭和53年10月に文化財保護法により国の名勝及び史跡の指定を受けた。
[過去]
○米国のプロバイダーからのアクセスがあって、ためしに そこの検索に、<masako takahashi>
を入れてみたら、以下のように、私の記事が10番目くらいに出てきた。この記事がインターネット上に残っていることは、大変ありがたい。[POETRY ON THE PEAKS}

○キフネツリソウ(尾瀬ヶ原)



◇生活する花たち「白むくげ・ひおうぎ・女郎花」(東京・向島百花園)

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9月8日(土)

2018-09-09 10:36:25 | 日記
★虫籠に風入らせて子ら駈ける  正子
夕べの原っぱを駆ける、子らの虫籠へ真っ先に入るのは、きっと澄んだ秋風でしょう。籠をからからと鳴らし吹き渡る風に、虫の音への想いも募ります。さあ、籠にはどんな虫が入ったのでしょうか。(川名ますみ)

○今日の俳句
秋風に洗濯物のやさしい色/川名ますみ
一読、「やさしい色」に納得した。秋風に吹かれる洗濯物が、やわらく、色もやさしい。秋の日差し、風の具合のせいもあるだろう。(高橋正子)

●向島百花園に出ける。明日の句会が念頭にあり、急に思い立つ。信之先生が向島まで往復できるか。浅草で地上に出て少しゆくと、目の前に神谷バー。向島に行くのをやめて浅草で遊ぼうかとも思うほど。暑くて、乗り換えの道が長くて。

向島百花園に12時過ぎに着いた。暑いの、何の。入園するや生姜蜜のかき氷とラムネを注文。
一服して園内を回ろうとすると、高い木にギャーギャー喧しい鳥。椋鳥かと思うと、尾長だった。かなりの数。

ひょうたん、糸瓜、桔梗、萩、女郎花、男郎花、藤袴、葛、野甘草、とうてい蘭、松虫草、河骨、水葵、ナンバンギセル、花虎の尾、東郷菊、ジンジャー、朝顔、芒など。いろいろ近寄ってきて説明する人がいて、「よくご存じですね。」と言うと、「私はここのガイドです。」という。ナンバンギセル、東郷菊、日本薄荷を終えてくれる。萩のトンネルは、2,3花のみ。トンネルの丈を高くしたそうだ。

嬉しかったのは、水葵と松虫草、たくさんの尾長に出会えたこと。

朝食抜き、昼も過ぎたし、葭簀の下に風が吹き、江戸風鈴がカラカラなっているが暑い。またかき氷を注文。それを食べて園をあとに。
園を出て少し行ったところに赤い窓枠のイタリアンレストランらしきがあり、中に入る。小さい店は客で一杯。英語が飛びかっている。赤ん坊連れの家族連れ、珈琲だけのおばちゃんたち。二つ空いた席に座る。
ピザとパスタ、アイスコーヒーを注文。結構時間がかかったが、パスタはペペロンチーノ。オリーブオイルがたっぷりで、苦手な感じだったが、おいしかった。少し元気が出て帰路に。帰りは東向島から羽田行きに。三田で降り損ねそうになった。若い子が何を察したか、「ここは三田ですよ。」と言ってくれ、信之先生の腕を引っ張って、急いで降りた。「危ふし!」

家に着くと、秋草の絮を冠ったのか、腕や足首などがちくちくする。堪らずシャワー。

○2012年
8月27日と28日尾瀬に出かけた。暑い日差しにも関わらず、尾瀬は初秋を迎えていた。水芭蕉やゆうすげの季節は過ぎていたが、今思い返すと、咲き残る夏の花や初秋のさわやかな花々に多く出会えたのは随分幸運だった。曙草は、星形の五弁の白い2センチほどの花に、紫いろの斑点と黄緑色の丸い点がある。そういうのが曙草と知っていればすぐに見分けがつく。ところが私が見たのは、花弁が6弁。そのほかは曙草の特徴を持つ。これも、山小屋にある尾瀬の植物図鑑で調べたが、6弁あるものについては記述を見つけることができなかった。曙草の花は白とは言うが、丸い点のせいで、黄緑がかって見える。これを夜明けの星空と見たようだ。曙草は尾瀬ヶ原でも奥のほうにある赤代田へ辿る木道の脇で見つけた。夕方4時までには山小屋に着きたい一心で歩いていたのだが、「私はここよ」という感じで、足を引き留められ写真を撮った。山小屋で寝ながら思った。山の出立は早い。早朝4時に出発する人たちも中にはいる。そんな人たちは夜明けの星空を見るのだが、曙草はその人たちが名づけた名前かもしれないと。

★尾瀬に泊(は)つ曙草を見し日には/高橋正子
★目を落とす湿原帯の曙草/〃

○曙草

[曙草/国立公園尾瀬]       [曙草/ネットより]

★曙草日差せば水のほの匂ふ/小松崎爽
★曙草晩秋の虚追憶す/荒川じんぺい

アケボノソウ(曙草、Swertia bimaculata)は、リンドウ科センブリ属の多年草。北海道から九州の、比較的湿潤な山地に生育する。花期は9-10月。湿地や林床などの、比較的湿った場所に生える。2年草であり、発芽後1年目はロゼットのまま過ごす。2年目に抽苔し、高さ80cm程度まで茎を伸ばす。茎の断面は四角形で、葉は10cm程度の卵状で互生する。ロゼットの根生葉は柄があるが、茎生葉は柄がないことが特徴的である。9-10月の花期、分枝した茎の先端に径2cm程度の白い花をつける。花は5弁で星型。花弁には紫色の点と、黄緑色の特徴的な丸い模様がつく。和名アケボノソウの名前は、この模様を夜明けの星空に見立てた名前。別名キツネノササゲ。

◇生活する花たち「女郎花・葛の花・萩」(四季の森公園)

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9月7日(金)

2018-09-07 12:23:15 | 日記
★胡麻の花稲の花咲くその続き  正子
優しく淡い色合いの可憐な胡麻の花と、小さいながらも白く清楚な稲の花。夏から秋へ向かう田の、清々しい季節感あふれる情景です。いずれも収穫の期待を高めてくれる胡麻の花と稲の花に、やがて訪れる実りの秋の喜びを感じさせていただきました。(藤田洋子)

○今日の俳句
新刊の一書机上に秋初め/藤田洋子
秋が来たと思う爽やかさに、さっぱりと片付いた机上に一冊の新刊書が読まれんとして置いてある。生活が新鮮に詠まれている。(高橋正子)

●立秋の朝日がビルの斜めより/正子
朝顔の蕾ゆるみて青見ゆる/正子

○女郎花(おみなえし)

[女郎花/横浜・四季の森公園]       [女郎花/横浜・都筑中央公園]

★ひよろひよろと猶露けしや女郎花/松尾芭蕉
★とかくして一把になりぬをみなへし/与謝野蕪村
★女郎花あつけらこんと立てりけり/小林一茶
★裾山や小松が中の女郎花/正岡子規
★遣水の音たのもしや女郎花/夏目漱石
★女郎花の中に休らふ峠かな/高浜虚子
★山蟻の雨にもゐるや女郎花 蛇笏
★女郎花ぬらす雨ふり来りけり 万太郎
★馬育つ日高の国のをみなへし 青邨
★波立てて霧来る湖や女郎花 秋櫻子
★杖となるやがて麓のをみなへし 鷹女
★をみなへし信濃青嶺をまのあたり 林火
★村の岐路又行けば岐路女郎花/網野茂子
★女郎花そこより消えてゐる径/稲畑汀子
★女郎花二の丸跡に群るるあり/阿部ひろし
★とおくからとおくへゆくと女郎花/阿部完市
★夜に入りて瀬音たかまる女郎花/小澤克己

 秋の七草のひとつに数えられる女郎花。萩、桔梗、葛、尾花、撫子、藤袴、女郎花とあげてくれば、どれも日本の文化と切り離すわけにはいかない草々だ。どれも風情がいいと思う。藤袴、女郎花については、名前にはよくなじんでいるものの、実物を見るようになったのは、20代を過ぎて、30代になってからと思う。藤袴、女郎花はどのあたりに生えているかも知らなかった。故郷の瀬戸内の低い山裾などでは見ることはなかった。女郎花は、生け花にも使われるが、粟粒状の澄んだ黄色い花が魅力だ。栽培しているものをよく見かけるようになったが、決してしなやかな花ではない。むしろ強靭な花の印象だ。葛だってそうだし。

★おみなえし雲を行かせたあと独り/高橋正子
★女郎花山の葛垂る庭先に/〃

 オミナエシ(女郎花 Patrinia scabiosifolia)は、合弁花類オミナエシ科オミナエシ属 の多年生植物。秋の七草の一つ。敗醤(はいしょう)ともいう。沖縄をのぞく日本全土および中国から東シベリアにかけて分布している。夏までは根出葉だけを伸ばし、その後花茎を立てる。葉はやや固くてしわがある。草の丈は60-100 cm程度で、8-10月に黄色い花を咲かせる。日当たりの良い草地に生える。手入れの行き届いたため池の土手などは好適な生育地であったが、現在では放棄された場所が多く、そのために自生地は非常に減少している。 日本では万葉の昔から愛されて、前栽、切花などに用いられてきた。漢方にも用いられる。全草を乾燥させて煎じたもの(敗醤)には、解熱・解毒作用があるとされる。また、花のみを集めたものを黄屈花(おうくつか)という。これらは生薬として単味で利用されることが多く、あまり漢方薬(漢方方剤)としては使われない(漢方薬としてはヨク苡仁、附子と共に調合したヨク苡附子敗醤散が知られる)。花言葉:約束を守る。名前の由来:異説有り。へしは(圧し)であり美女を圧倒するという説、へしは飯であり花が粟粒に見えるのが女の飯であるという説、など。


◇生活する花たち「桔梗・風船かずら・芹の花」(横浜都筑区ふじやとの道)
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9月6日(木)

2018-09-06 11:54:16 | 日記
★娘の秋扇たたまれ青き色の見ゆ  正子
娘さんとご一緒にお出かけの光景でしょうか。何気なく使われていた閉じた扇子の青色が見えたとのこと、見守られている優しさが伺えます。(祝恵子)

○今日の俳句
畑の井戸囲んでおりぬ稲の花/祝恵子
畑の井戸は旱のときの灌漑用であろう。旱の続きの猛暑の夏も終わり、無事稲が花をつけている。いよいよ、稲は実をつけ、熟れよて実りのときを迎えるのだ。(高橋正子)


○烏瓜の花
 
[烏瓜の凋んだ花/横浜日吉本町]      [烏瓜の花/ネットより]

★ふはふはと泡かと咲けり烏瓜/松本たかし
★烏瓜咲く一穢なき妖しさに/水原春郎
★烏瓜の花におどろく通夜帰り/松崎鉄之介
★烏瓜の花に逢はせむ話など/宮津昭彦
★去るものは去らして烏瓜の花/神蔵器
★雨音の明るし烏瓜の花/下田恭子
★青々と暮れて烏瓜の花/北畠明子
★烏瓜の花咲き誰もゐない駅/藤井英子
★夜の闇の深くてからすうりの花/中村洋子

★蔓切れてはね上りたる烏瓜/高浜虚子
烏瓜の朱色の実を見つけると、手繰り寄せて採りたくなる。蔓は雑木などに絡まっているので、蔓をひっぱっても、易々と手元には来ない。蔓が切れて、引っ張った力の反動で「はね上がる」。「はね上がる」が面白い。はね上がった実が揺れ、悔しがるものが居る。(高橋正子)

★烏瓜映る水あり藪の中/松本たかし
★をどりつつたぐられて来る烏瓜/下村梅子

烏瓜の花はレースのようであるとは、知っていた。朱色の実が思わぬところに熟れているのをよく見けるが、実の生る前に花があることを思うことはなかった。ところが、8月の終わりだったか、信之先生が早朝の散歩で、烏瓜の花の凋んだところを写真に撮ってきた。烏瓜の花とは思うが、確かとは言えないので、ネットで烏瓜の花の写真をいろいろと見て、間違いないだろうと結論づけた。烏瓜の花は夕方6時半ごろから2時間ほどかけて完全に咲くので、咲いたところを見たくなった。レースのような花なので見たくてたまらない。夜なので、一人は危ない。また危ないところに烏瓜がある。翌晩にでも行きたかったが、いろいろ用事があってすぐ行けない。5日ほどたって花があった場所に二人で懐中電灯をもって出かけた。それらしきを写したが、どうも新しい葉のようだった。昼間蕾を確かめておかねばならなかった。ここ日吉本町辺りは、今年は花の時期は過ぎたかもしれない。

★闇暑し烏瓜の花はどこ/高橋正子
★烏瓜の花の凋みしは悔し/〃

 カラスウリ(烏瓜、Trichosanthes cucumeroides)はウリ科の植物で、つる性の多年草。朱色の果実と、夜間だけ開く花で知られる。 地下には塊根を有する。原産地は中国・日本で、日本では本州・四国・九州に自生する。林や藪の草木にからみついて成長する。葉はハート型で表面は短い毛で覆われる。雌雄異株で、ひとつの株には雄花か雌花かのいずれかのみがつく。別名:玉章(たまずさ)・ツチウリ・キツネノマクラ・ヤマウリ。
 4月~6月にかけて塊根から発芽、あるいは実生する。花期は夏で、7月~9月にかけての日没後から開花する。雄花の花芽は一ヶ所から複数つき、数日間連続して開花する。対して雌花の花芽は、おおむね単独でつくが、固体によっては複数つく場合もある。花弁は白色で主に5弁(4弁、6弁もある)で、やや後部に反り返り、縁部が無数の白く細いひも状になって伸び、直径7~10cm程度の網あるいはレース状に広がる。花は翌朝、日の出前には萎む。 こうした目立つ花になった理由は、受粉のため夜行性のガを引き寄せるためであると考えられており、ポリネーターは大型のスズメガである。カラスウリの花筒は非常に長く、スズメガ級の長い口吻を持ったガでなければ花の奥の蜜には到達することはできず、結果として送粉できないためである。雌花の咲く雌株にのみ果実をつける。
 果実は直径5~7cmの卵型形状で、形状は楕円形や丸いものなど様々。熟する前は縦の線が通った緑色をしており光沢がある。10月から11月末に熟し、オレンジ色ないし朱色になり、冬に枯れたつるにぶらさがった姿がポツンと目立つ。鮮やかな色の薄い果皮を破ると、内部には胎座由来の黄色の果肉にくるまれた、カマキリの頭部に似た特異な形状をした黒褐色の種子がある。この果肉はヒトの舌には舐めると一瞬甘みを感じるものの非常に苦く、人間の食用には適さない。鳥がこの果肉を摂食し、同時に種子を飲み込んで運ぶ場合もある。しかし名前と異なり、特にカラスの好物という観察例はほとんどない。地下にはデンプンやタンパク質をふんだんに含んだ芋状の塊根が発達しており、これで越冬する。夏の間に延びた地上の蔓は、秋になると地面に向かって延び、先端が地表に触れるとそこから根を出し、ここにも新しい塊根を形成して栄養繁殖を行う。
 開花後落花した雄花にはミバエ科のハエであるミスジミバエ Zeugodacus scutellatus (Hendel, 1912) の雌が飛来し、産卵する。落花した雄花はミバエの幼虫1個体を養うだけの食物量でしかないが、ミスジミバエの1齢幼虫の口鉤(こうこう:ハエの幼虫独特の口器で、大顎の変化した1対の鉤状の器官)は非常に鋭く発達しており、他の雌が産みつけた卵から孵化した1齢幼虫と争って口鉤で刺し殺し、餌を独占する。
 種子はその形から打ち出の小槌にも喩えられる。そのため財布に入れて携帯すると富みに通じる縁起物として扱われることもある。かつては、しもやけの薬として実から取れるエキスが使用された。 若い実は漬物にするほか、中身を取り出し穴をあけてランタンにする遊びに使われる。近年ではインテリアなどの用途として栽培もされており、一部ではカラスウリの雌雄両株を出荷する農園も存在する。


◇生活する花たち「葛の花①・葛の花②・木槿(むくげ)」(横浜日吉本町)
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9月5日(水)

2018-09-05 09:51:48 | 梅林
★娘の秋扇たたまれ青き色の見ゆ  正子
お嬢さまの扇がたたまれてそこにあります。その青さ、それが若さであり、同時に新しい秋の涼しさをも感じさせてくれます。(多田有花)

○今日の俳句
日々すべきことをなしつつ新涼に/多田有花
作者が、モンブランへ発つ直前の句であるから、その準備のための、「日々すべきこと」であろう。用意周到な計画と準備があって、初めて登頂は成功する。日々成し終えていく内に、季節も新涼へと移り変わっていった感慨がおおきい。(高橋正子)
あの年、ヨーロッパは今年の日本のように記録的な猛暑でした。氷河が溶け出して危険になり、モンブランをあきらめて、モンテローザに変更したのを思い出します。(多田有花)

●去年、9月5日に「現代俳句協会への会費と入会金を振り込む。」と書いている。今、現俳協は、何してんの?
台風21号で関空が高潮で冠水。タンカーが連絡通路に衝突して、連絡橋がずれて、関空に5000人取り残されたと。昨日は台風から離れている日吉でも変な風の吹き方がして、足元をすくわれそうになった。

今朝は26度。涼しい。

○射干、檜扇(ヒオウギ)

[射干(ヒオウギ)/東京・向島百花園]

★射干のまはりびつしより水打つて/波多野爽波
★水打つて射干の起ち上がるあり/波多野爽波
★射干の前をときどき笑ひ過ぐ/岡井省二
★射干の咲く川岸に風立ちぬ/當麻幸子
★射干や海に出る道石多し/鈴木多枝子
★満願の朝や射干実をはじく/飯田はるみ
★仏谷出て射干の朱にまみゆ/淵脇護
★射干や人欺かず蔑まず/小澤克己
★射干や薪積む軒の深庇/生田喬也
★檜扇を活けし鋏がまだそこに/高橋正子
★檜扇の花を揚羽が飛びゆけり/高橋正子

 ヒオウギ(檜扇、学名:Iris domestica)はアヤメ科アヤメ属の多年草である。従来はヒオウギ属(Belamcanda)に属するとされ、B. chinensisの学名を与えられていたが、2005年になって分子生物学によるDNA解析の結果からアヤメ属に編入され、現在の学名となった。ヒオウギは山野の草地や海岸に自生する多年草である。高さ60 - 120センチ・メートル程度。名前が示すように葉は長く扇状に広がる。花は8月ごろ咲き、直径5 - 6センチ・メートル程度。花被片はオレンジ色で赤い斑点があり放射状に開く。午前中に咲き夕方にはしぼむ一日花である。種子は5ミリ・メートル程度で黒く艶がある。本州・四国・九州に分布する。花が美しいためしばしば栽培され、生花店でも販売される。特に京都では祇園祭に欠かせない花として愛好されている。黒い種子は俗に「ぬば玉」と呼ばれ、和歌では「黒」や「夜」にかかる枕詞としても知られる。


◇生活する花たち「犬蓼・吾亦紅・チカラシバ」(横浜下田町・松の川緑道)
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9月4日(火)

2018-09-04 06:22:11 | 日記
★朝は深し露草の青が育ち  正子
露草は半日陰のようなところに群れて咲いています。まだ日中は暑さの厳しい頃、あの露草の青さには清涼剤のような清々しさがあります。「朝は深し」がその青さにぴったりです。 (多田有花)

○今日の俳句
日々すべきことをなしつつ新涼に/多田有花
作者が、モンブランへ発つ直前の句であるから、その準備のための、「日々すべきこと」であろう。用意周到な計画と準備があって、初めて登頂は成功する。日々成し終えていく内に、季節も新涼へと移り変わっていった感慨がおおきい。(高橋正子)

●「俳句四季」10月号、<今月のハイライト>に花冠が取り上げられる。8月10日締め切りの原稿の著者校正の返信に、「訂正はありません。」とメールした。発売は9月20日。25名の句が並ぶとそれぞれ個性や考えが出ていて、選ぶのに苦労した甲斐があって、いい句が揃ったと思う。一番見劣りがするのが、自分の句。代表句を出せと言われて、はたと、困るのだ。

台風21号。25年ぶりの大台風。瞬間風速60m。35mでも人間が流されている。日中に、高知から紀伊半島大阪をとおり、北陸へ。関東地方は夜に雨と風が強くなるようだ。

○コムラサキ

[コムラサキ/横浜日吉本町]

★小紫揺れてばかりよ鳥が来て/高橋正子
★子がすり抜けコムラサキの実が落ちる/〃

 コムラサキ(小紫)は、クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木。学名:Callicarpa dichotoma、別名:コシキブ(小式部)、分布:日本、朝鮮半島、中国。 樹高は200~300cmで、開花期は6~8月、成実期:9~12月。初夏に薄紫色の花を咲かせ、秋に垂れた枝に紫色の小球形の果実を多数付ける。幹に近いところから枝先に向かって色付く果実は、鳥の好物。緑色の葉は上半分に鋸歯が見られ、葉は対生に付く。 コムラサキと似た花に、同科同属の ムラサキシキブ(紫式部)があるが、通常、家庭の庭で見られムラサキシキブと呼ばれるものは、実際には、コムラサキであることが多い。コムラサキの白色品種に、シロシキブ(白式部)がある。
 コムラサキとムラサキシキブの違いは、果実の付き方では、ムラサキシキブは比較的疎らに付くが、コムラサキは果実が固まって付く。葉柄と花柄の付く位置では、ムラサキシキブは近接しているが、コムラサキは少し離れて出る。葉の鋸歯は、ムラサキシキブでは全葉にあるが、コムラサキには上半分にしかない。樹高は、ムラサキシキブの方が高く(3~4m)、コムラサキの方が低い(2~3m)。枝垂れでは、ムラサキシキブは枝垂れるが、コムラサキは枝垂れない。 分布では、ムラサキシキブは山野の林に自生し、コムラサキは家庭の庭先に植栽されている。

◇生活する花たち「藻の花・萩・藪蘭」(鎌倉・宝戒寺)
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9月3日(月)

2018-09-03 12:27:19 | 日記

★夏蒲団糊の匂いて身に添えり  正子
寝苦しい夏の夜ですが、ほどよく糊のきいたシーツに包まれた夏蒲団に横たわれば、ほんのりと漂ってくる糊の匂いとともに、さっぱりとした肌触りが伝わり、静かに眠りを誘ってくれます。「身に添えり」に安らぎが感じられます。(小西 宏)

○今日の俳句
金蚊の仰向いて脚生きんとす/小西 宏
金蚊が何かにぶち当たってひっくり返った。起き上がろうとしてか、必死に脚を動かしている。作者はその様子を「生きんとす」と捉えた。金蚊の命を直視しているのがよい。(高橋正子)

●今朝、角川俳句年鑑2019年版の原稿をe-メールで送った。ついでに、封書でも送る。
【思うのだが】花冠会員のみんなの句を1年分読んで、その中から、8名分の一句だけ選び出すのは悩ましく、大変な労力。花冠は人数を絞っているからいいようなものの。

それで、思うのだが、どんなに粗末な見かけであっても、句集にまとめなければ、俳句を作ったことにならない。散らばっていては、読みようがない。
今信之先生の全句集の出版を準備中で、出版社に依頼している。経費もかかるが、読者が一人としていなくても、出すべきだと、私は主張している。

今日は句美子の誕生日。昨日、水彩画となる色鉛筆をあげたが、すぐに手近のぬいぐるみを描いてメールで送って来た。簡単に描けて、楽しいよ、と言ってきた。

今日は、誕生日の休暇をもらって、昭島の森にある昭和ホテルに一泊するそうだ。武蔵野の雰囲気があるらしい。誕生日のケーキと花束がもらえると言っていた。スケッチブックを持っていくみたい。

根岸の子規庵から特別展の招待状。子規庵へは、JR鶯谷駅から。句美子に見せると、行くと言う。そうだ、「子規はあなたの高校の大先輩だからね。」と言っておいた。「根岸には、言問い団子があるよ」、というと、知らなかった、と。

○ささげの花

[ささげ花/横浜市緑区北八朔町]

★アフリカの太古の色やささげ咲く/照れまん
★紫にささげの花や土用東風/憧里夢
★高架駅下りればすぐに花ささげ/高橋正子
★大畑を区切って三筋の花ささげ/高橋正子

 ササゲ(豇豆、大角豆、学名 Vigna unguiculata)はマメ科の一年草。つる性の種類とつるなしの種類とがある。アフリカ原産。主に旧世界の温暖な地方で栽培される。南米では繁栄と幸運を呼ぶ食物と考えられ、正月に食べる風習がある。樹木の形状は低木であり、直立ないし匍匐する。枝を張ったり、からみついたりと、成育の特性は多彩。語源は、莢が上を向いてつき物をささげる手つきに似ているからという説[1]、莢を牙に見立てて「細々牙」と言ったという説、豆の端が少々角張っていることからついたという説など諸説ある。藤色、紫、ピンクなど様々な色の花をつける。花の形は蝶形花である。穀物用種は、さやが10-30cmで固く、豆は1cm程度の腎臓形で、白・黒・赤褐色・紫色など様々な色の斑紋をもつ。白い豆には一部に色素が集中して黒い目のような姿になるため、ブラック・アイ・ピー(黒いあざのある目を持つ豆)と呼ばれる。つる性種は草丈が2mから4mになるのにたいし、つるなし種の草丈は30cmから40cm。ナガササゲと呼ばれる品種は100cmに達する。耐寒性は低いが、反面暑さには非常に強い。日本では、平安時代に「大角豆」として記録が残されている。江戸時代の『農業全書』には「豇豆」という名前で多くの品種や栽培法の記述がある。また、アズキは煮ると皮が破れやすい(腹が切れる=切腹に通じる)のに対し、ササゲは煮ても皮が破れないことから、江戸(東京)の武士の間では赤飯にアズキの代わりに使われるようになった。


◇生活する花たち「あさざ・露草・うばゆり」(東京白金台・自然教育園)


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9月2日(日)

2018-09-02 10:37:55 | 日記
★水に触れ水に映りて蜻蛉飛ぶ  正子
秋の景色が進むにつれ空気が澄み渡り、色々な蜻蛉の飛び交う光景が増えて来ました。どんな蜻蛉でも水辺を好むようですが、時折水に触れ、またその姿が水に映り爽やかな秋のひとこまです。「水に触れ水に映る」との繰り返しが清澄なる効果をあげ、秀逸な一句です。(桑本栄太郎)

○今日の俳句
新駅の高架工事や稲の花/桑本栄太郎
新駅は田園の中に建てられ、高架工事が進んでいる。おりしも田んぼには稲の花が咲き、暑さのなかにも秋の気配が漂う。開発が自然を押しやって進んでいるのも現代の景色だ。(高橋正子)

●<涼しい。近所のマンション3棟が解体され更地になっているので、秋風が見えるよう。>これは、去年の9月2日。新しくマンションの建設が始まってい入る。

きのう、日吉東急のFORMAで、ドイツの水彩画となる色鉛筆を句美子の誕生日のプレゼントに買った。去年は、元希にシュトックマイヤーの絵の具を買っている。毎年同じようなことをしているではないか。秋風が立つと絵心が動く。でも、私は、描かない。することが無くなったら絵と音楽を楽しもう。以前、美大を卒業された方から、画に詳しいですね、というメールをいただいた。これは、嬉しい。ごく最近は、シューベルトがいいと思う。音楽に詳しいとは絶対言われないだろうけれど。

夕べ、信之先生の角川年鑑「諸家自選5句」投稿用に、句を整理した。今朝、自選5句を投函。「諸家」は640人ほどおられるが、選ぶ基準がなんなのかな。

昨日の続きで角川年鑑の結社動向の原稿を執筆中。一人一句9名の句を選ぶのが、結構な作業で能率があがらない。それぞれの1年分の発表句から選ぶ。閉め切りは9月4日。


釣舟草(ツリフネソウ)

[釣舟草/東京白金台・国立自然教育園]  [黄釣舟(キツリフネ)/横浜・四季の森公園]

★日おもてに釣船草の帆の静か/上田日差子
★無事祈る小さき岬宮釣舟草 千恵子
★釣舟草琵琶湖の風の吹くままに 善清
★川せせらぐに黄釣舟草の黄がまぶし/高橋信之
★釣船草秋風吹けば走るかに/高橋正子

 ツリフネソウ(釣船草、吊舟草、学名: Impatiens textori)は、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草である。ムラサキツリフネ(紫釣船)とも呼ばれる[3]。
東アジア(日本、朝鮮半島、中国、ロシア東南部)に分布する。日本では北海道・本州・四国・九州の低山から山地にかけて分布し、水辺などのやや湿った薄暗い場所に自生する。キツリフネとともに群生していることも多い。日本には同属では、ハガクレツリフネも生育している。草丈は、40-80 cmほどに生長する。葉は鋸歯(縁がギザギザになる)で、楕円形から広披針形、キツリフネより広披針形に近い傾向がある。花期は夏から秋(山地では 8月頃から、低地では 9-10月)。茎の先端部から細長い花序が伸び、そこに赤紫色で3-4 cmほどの横長の花が釣り下がるように多数咲く。稀に白い色の花がある。花弁状の3個の萼と唇形の3個の花弁をもち、距が長く筒状になっている。下の花弁の2個が大きく、雄しべが5個。その花が帆掛け船を釣り下げたような形をしていることや花器の釣舟に似ていることが名前の由来と考えられている。花の形はキツリフネに似るが、色が赤紫色であることと、花の後ろに伸びる距の先端が渦巻き状に巻くこと本種の特徴である。なお一般にツリフネソウ属の花は葉の下に咲くが、本種はその例外である。大きく深い花がたくさん咲き距の部分に蜜がたまり、主にマルハナバチなど大型のハナバチや、ツリアブ類などが好んで集まり、花粉を媒介する。
種子が熟すと、ホウセンカなどと同様に弾けて飛び散るように拡がる。
 キツリフネ(黄釣船、学名: Impatiens noli-tangere)は、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草である。その黄色い花と、後ろに伸びる距の先が巻かずに垂れることが、ツリフネソウとの明確な相違点である。


◇生活する花たち「女郎花・葛の花・萩」(四季の森公園)

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9月1日(土)

2018-09-01 12:00:37 | 日記
★つまみ菜を洗えば濁る水の色  正子

○今日の俳句
秋風に速き流れの雲ひとつ/高橋秀之
空を眺めていると、ひとつだけ速く流れている雲に気づく。そこにだけ風が強く吹いているのだろうか。秋の空を見に行ってみたいものだ。(高橋正子)

●今日から9月。
【最近思うのだが】著名俳人による俳句の添削は行き過ぎではないかと思う。元の俳句を改竄してしまっていて、その人らしさがなくなっている。間違いを訂正するのが、添削の意味。俳句のリズムにこそ、その人らしさがある。文体ではないにしても、その人の呼吸スタイルがある。これを壊している。外国の詩でこのようなことをしている場合はあるのだろうか。

○韮の花

[韮の花/ネットより]              [韮の花/横浜日吉本町]

★韮の花坂としもなく息あへぐ/石田波郷
★足許にゆふぐれながき韮の花/大野林火
★おもてより裏口親し韮の花/水野節子

★天日を豊かに受けて韮の花/久我達子
★韮の花秩父は土の匂いして/城内明子
★一面に韮の花咲く里暮れし/阿部スミエ
★いつ見ても韮の花に蝶せせり/高橋正子

ニラ(韮)は、百合(ゆり)科ネギ属の多年草緑黄色野菜である。学名はAllium tuberosum。Allium:ネギ属、tuberosum:塊茎のある、塊茎状の。Allium(アリウム)は「ニンニク」の古いラテン名で、「匂い」という意味が語源。夏には葉の間から30 - 40cmほどの花茎を伸ばす。花期は8 - 10月頃。花は半球形の散形花序で白い小さな花を20 - 40個もつける。花弁は3枚だが、苞が3枚あり、花弁が6枚あるように見える。雄蕊(おしべ)は6本、子房は3室になっている。子房は熟すると割れて黒色の小さな種を散布する。中国西部が原産。日本では本州から九州に野生し、これを自生とする向きもあるが、疑わしい。株分けまたは種によって増やす。独特の臭気があることから「においきらう」(香嫌)、これが「にら」に変化したともいわれ、また、美味であることから「みら」(美辣)が「にら」に変化したともいわれる。この匂いのため、禅宗などの精進料理では五葷の一つとして忌避される。匂いの原因物質は硫化アリル(アリシン)などの硫黄化合物である。

◇生活する花たち「葛の花①・葛の花②・木槿(むくげ)」(横浜日吉本町)
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