俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

4月23日(木)

2009-04-23 23:23:00 | Weblog
俳句
藤房の光りまみれが揺れにけり
藤房の下は色濃くしぼられし
藤房のさ揺るるときはみな揃い
どの房の藤もふっくら光けり
緋躑躅に水も水音も流る
たんぽぽの絮の水球まだ飛ばず
若葉透け森の太陽青くふる
老鶯に森の深さの続きけり
綿雲の若葉にふるる遠出の日
山国のえびねの花のきらきらと
昔日の薄日匂いて著莪の花
山吹を濡らし谷水ほとばしり
菖蒲田へ落つる水音ただ一つ
木道にいのちの瑠璃をルリタテハ
山国の紋白蝶は大きかり
奥まれば蛙よく鳴く谷の水
山桑の花の終りと知られけり
密生のほかなし青葦雨催い

晴れときどき曇り。
○花冠6月号の初校がメールで届く。夜、若干の校正。
○夕方、6月号の表紙の俳句の書をエックスパックで送る。
○本日インターネット俳句センターのアクセスが87万回となる。

○緑区の中山にある県立四季の森公園に信之先生と出かける。グリーンライン日吉本町駅から20分ほどで中山駅。駅から900mほど。前々から一度訪ねてみたいと思っていたが、念願がかなった。途中、個人の家の庭に、樹齢もそこそこの藤が二本あり、見事に房を垂らしている。この藤の匂いは、屋根を越えて、坂道まで匂ってきている。通りすがりの人で、カメラを構えない人はいないほど。色といい、花房の数といい、本当に見事である。そこで、歩道に座り込んで、藤の句を作る。

公園に着くと、先ず桂の木に出迎えられる。平日であるが、ほどほどの人がいる。入り口すぐに蓮池があるが、まだ何も見えず、鯉も泳いでいるが、亀ばかり浮いている。鯉幟が渡してある。風が吹けばいっせいに泳ぐ。桂のほか、ヤマグワ、山デマリ、小楢、山桜、楓、椋など。木道を伝うと、山吹が咲き乱れ、湧き水がほとばしって、芦原へ注いでいる。その奥には、棚田風の菖蒲園があり、ここにも木道が渡してあり、このあたり、シュレーゲルあおがえるという蛙が、くるっ、くるっとよく鳴く。ルリタテハなんだろうか、きれいな蝶が止まる。蜻蛉も川の蜻蛉らしく2種類。翡翠を待ってカメラを三脚に据えて待っている人もいる。蛍も飛ぶそうで、ほたるばしと名づけた橋がある。菖蒲のときと、蛍のときに、また来よう。葦原へ注ぐ水の流れの近くで、持参のコーヒーとパンで、遅い昼食をとった。夕方雨の予報が出ていたので、風も出始めたし、3時半ごろ公園を後にした。植物が比較的多く、ごく自然に育っている。著莪やえびねも花どきであった。

面白いことがひとつ。帰り、はしぶとからすではあるが、街中のからすとは、風姿が全く違うからすが雑木に止まっている。私が、「からす、からす」と声をあげるものだから、道で車の誘導をしている人が、「あのからすは、この山で生まれた子ですよ。ここの主ですよ。」と言う。なるほど。羽の色は文字通り、濡羽色。青みを帯びて耀き、肝が据わっている。からすにも品格がある。これほどでなくても、昔のからすは、田圃をチョンチョンしても、いまどきのからすのようにあさましくなかった。人も大差ないのかも知れん。
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