曇り、雷鳴、一時雨。
雷の去りし静けさ香を焚く 正子
洗い髪夜風ふくみて乾きけり 正子
無造作な本や文具に夏灯 正子
●昼過ぎから雷鳴。川崎では大雨警報。工事の人が川に流される事故。停電もあったらしい。
●櫟主宰の江崎紀和子さんから自身の第三句集『花の幹』(本阿弥書店)が送られてくる。好きな句。
遍路装束一人づつ違ふ白
ひときはしづか初鴨とその水と
歩を強く氷室の氷担ぎ出す
爽籟や水にしづかな水の影
浸してはゆらぐ手のひら水の秋
先がけの田鶴のこゑなりまぎれなし
なべつるのつと見廻せる野性の眼
彼岸花手折れば真水にほひけり
しろまんじゆさげ永劫に死に別れ
潮流のふつとゆるみし朧かな