俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

1月23日(日)

2022-01-23 11:27:26 | 日記
晴れ

ふるさとの深井に寒九の水湧くらむ 正子

●「寒九の水」という言葉を全然聞かなくなった。寒に入り9日目の水は、最も澄んで薬を飲むのによいとされている、その水。一昨日だったか、ちょと塩味が強いと思いながら食べていた煎餅、食べるうち、それほど塩辛さを感じなくなって、つい、つい、手を伸ばし食べてしまった。夜中、非常に冷たい水が欲しくなった。身をふるえさせるほどの水が欲しかったので、冷蔵庫から水を取り出しごくごく飲む。このとき、「寒九の水」を思い出した。数十年前の句会、「寒九の水」が句によく登場していた。

生家では井戸水を造り酒屋に提供していた。寒くなると荷台に木のタンクを積んだトラックがやって来て、井戸水を汲ん帰るのだが、子どもとしては、ちょと見ものだった。検査をしていたようだが、中国地方では、ちょっといい水だったらしい。

落花流水試作
桜ちる空をつばめのまっしぐら     正子
ひらひらと手に降る落花みずみずし   正子
夫の背に降りし落花のみずみずし    正子
水音へ峠の桜散るばかり        正子
水音へ天城の桜散るばかり       正子
渓川の水がのみ込む落花かな      正子
桜ちる夕日に影となりながら      正子
街中の川へ祭りの落花かな       正子
幼子に桜ちる日も在りしかな      正子
コメント
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