快晴
●はがきをポストに入れるために駅前まで。快晴の青空を見て、家に引き返すのはもったいなくなった。家を出て来たその足で、手ぶらの不用心な形で、今日の富士山はどんな様子が見に上る。何ももたない身が軽い。思えば、子どものころ遊びに行くときは何も持っていなかった。そんな感覚が蘇った。いつもの林に今日は鵯さえ啼いていない。ときどき緑の葉の塊から浮き立つように小鳥が飛び立つ。目白だろう。無患子の大振りの実が青空にくっきり。藪椿が控えめに咲く。
林をあとにして西へ道をゆくと富士山が見える。頂上は、厳格に雪を冠り、山襞が尖っている。今日の快晴はすばらしい。みなとみらいの小さい塔や煙突、ビルがこまごまおもちゃを置いたように見える。山もはるかまで、小さい山がぽつぽつあるのまで。富士山の手前の山は丹沢かもしれない。全展開の眺めだ。
●今日は郵便が遅い。夕方近くなって、「俳壇」から原稿依頼。4月号の企画「春を寿ぐーー四字熟語」。花冠に割り当てられたのは、五名一人一句で「落花流水」をモチーフに詠む。五名を候補に挙げてみた。四名は揺らがないだろう。あと一名が揺れる。重要な選択になった。今日はおく。
●敬二さんからの年賀状が届く。住所に3丁目を書き落としたために、もどって来たそうだ。敬二さんと奥さんの写真。敬二さんは脳こうそくの治療と合わせて食事療法をされたのか、顔だちがすっきりとしている。言語脳の損傷で、言葉が出にいとのことだったが、自力で頑張って俳句を書かれている。「俳句と合唱ははなさない。」と、New Year's Resolution.