曇りのち晴れ
むらさきも白も濃く咲く冬菫 正子
節分豆のテトラパックに鬼三人 正子
冬林檎箱にあるまま匂い立ち 正子
●朝起きると道路に雨のあと。本の整理を少し。
『俳句・漢俳交流集』という白い表紙に金文字を押した本が出て来た。1993年の記録。この交流集は、北京側が出版したと思う。
北京大学から、日本学生俳句協会に招待状が来て、北京で俳句交流会を持ったもの。軸主宰だった故河合凱夫氏が団長で軸から大勢参加されている。信之先生も参加している。そのとき、息子の元に北京大学から中国語の『三国志』を贈られたのが書棚にある。交流集に登場する王新華さんはわが家にも来られたことがあるが、信之先生が指導していたのだろう、俳句らしい俳句で日本語で作られ、日本側として参加。当時松山に住んでおられた。今ほど海外との行き来がそれほどでもなかったが、俳句の国際交流が身を張って盛んにおこなわれていたと時代だと、時代に参加して思う。
『俳句・漢俳交流集』(日本学生俳句協会訪華団/北京大学東方文化研究所 1993年刊)より。
髙橋信之の句
芽吹く樹へつぎつぎ心遊ばせる
川出合うところもっとも月光に
乾杯のビールあわあわ北京大学
城を打ち空へ吹きあぐ風青し
王新華の句
落葉積むその下からの命の芽
春天の中へ黒松そびえ立つ