俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

3月21日(木)

2013-03-21 17:56:46 | Weblog
★はつらつとまたかがやかにヒアシンス   正子
私にとっては、ヒアシンスは子供の頃から水栽培のものとして印象づけられていました。ところが何年か前、吟行で先生方のお宅の近くを歩いた際に正子先生に教えていただいた、土に顔を出すヒアシンスの芽の純真な緑に感銘を受けたことを思い出します。爾来、他家の庭においてではありますけれど、将に「はつらつとまたかがやかに」芽を伸ばし花を咲かせる清らかな姿を毎年楽しませていただいております。(小西 宏)

○今日の俳句
青き残雪マトリョーシカの露天市/小西 宏
マトリョーシカは、ロシアの入れ子人形。「青き残雪」は、露天市の残雪の色でもあろうが、同時にロシア女性の瞳や湖を思い起こさせてくれる。毛皮にくるまってマトリョーシカの露天市を見て歩くのが、ロシアらしい。(高橋正子)

○四季の森公園
このところの気温の上昇で、桜が開花した。今朝は、きのうより10度低い気温ながら、朝から晴天。四季の森公園に10時半頃出かけた。中山駅からはバスで中山中学校前までゆき、そこより四季の森公園に入った。さくらの谷がすぐあり、紅枝垂桜がよく咲いている。染井吉野も開花。さくらの谷を出て、ワークセンターから再び四季の森に入る。木五倍子(きぶし)の花がちょうど見頃。里山の道から見えるところにあちこちにある。薄緑がかった黄色いかんざしのような花。木五倍子のあとは、片栗の花を見る。片栗の群生地にゆくと、ちょうど見頃。晴れていいるせいで、花びらはすべて反っていて、可憐な姿を見せてくれた。
片栗のあとは、キクザキイチゲの花を見る。カタクリも混ぜて植えてある。山桜の大木が満開。咲き満ちて白っぽい。そのあとは、菜の花畑へ。三椏の花と、さんしゅゆの花はそろそろ終わり。公園の芝地には、紅枝垂桜が見頃。菜の花畑の辺には、ほとけのざ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリがよく咲いている。葦原にゆく手前に諸葛菜(花大根)が咲き、林が開けたところには、すみれが群生。葦原は葦の角が出ている。スギナ、土筆も。蛙がコロコロと鳴いて、「蛙」は春の季語だと、実感させられた。のどかである。林の縁のニワトコはまだ蕾であった。遠目に連翹が咲いているのが目にはいったが、見に行かなかった。帰り、四季の森公園のプロムナードは、辛夷が真っ盛り。いい匂いがしている。去年、この辛夷の並木はほとんど花をつけなかったが、今年は無数の蕾が付いて、花の匂いが漂っている。どこか夢の辛夷並木を歩いているようだった。素晴らしい辛夷であった。

○ゆすら(桜桃)の花

[ゆすらの花/横浜日吉本町]

★万両にゆすらの花の白き散る/正岡子規
★風のみの夜に咲きふえしゆすら花/片岡砂丘艸
★二人連れ多き道なり花ゆすら/819maker

★花ゆすら築地土塀のくずれたる/高橋正子

 桜桃 (ゆすらうめ・ゆすら、学名:Prunus tomentosa)は、バラ科サクラ属の落葉低木の果樹。サクランボに似た赤い小さな実をつける。俗名をユスラゴともいう。
中国原産。3~4月頃、白かピンク色の花が咲く。6月頃に赤い実がなり、食べられる。樹皮は不規則にはがれ、葉っぱには毛がいっぱい。全国で広く植栽されている。
朝鮮語の「移徒楽(いさら)」がなまって「ゆすら」になった、といわれている。「梅桃」とも書く。この「桜桃」は「おうとう」とも読むが、太宰治(だざいおさむ)の命日の「桜桃忌(おうとうき)」の「桜桃」はさくらんぼの別名の「桜桃」を指す。実は、「庭梅」によく似ている。性質は強健で、耐寒性・耐暑性ともに強く、病害虫にも強い。用土は過湿を嫌うので、水はけの良い土に植える。
 現在では『サクラ』を意味する漢字『櫻』は元々はユスラウメを指す字であった。ユスラウメの実が実っている様子を首飾りを付けた女性に見立てて出来た字である。果実は薄甘くて酸味が少なく、サクランボに似た味がする。そのままでの生食、あるいは果実酒などに利用される。


◇生活する花たち「菜の花・片栗の花・山桜」(横浜・四季の森公園)

コメント (2)
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