いんげんの曲がり自在にしっかりと
アパートを飾る夕日の花ざくろ
ほうたるを包みし泡に水の音
覚めし目に風と紫陽花の青と
紫陽花に風がさやさや湧き立てり
紫陽花に佇ちて素足の冷えており
栗の花にぶく日に照り窓に過ぐ
栗の花咲けば見知らぬ町親し
白きビル浜に多くて走り梅雨
赤レンガ倉庫広場の走り梅雨
野薊を青いガラスの壜に挿し
青臭きトマトのそばに物を干す
安静の間の午睡青葉冷ゆ
山風の菖蒲の花をひるがえす
蝶飛べリ菖蒲の花の高低を
谷の田に菖蒲ほつほつ咲き初めぬ
菖蒲田に水音ひくく巡りたる
菖蒲田の遠き花にも蝶飛べり
菖蒲田にすずしき花の色多き
花菖蒲遠きもむらさき失わず
水こぼす水車の音の菖蒲田へ
菖蒲田にときに山気の流れ入る
菖蒲田にゴッホの橋のごときがあり
山の蝶疵つく羽のうすみどり
緑蔭の高さを蝶の飛びいたり
田ほとりに花の小さき夏椿
どくだみの花にうすうす日がありぬ
山水の湧き出すところ若楓
葦までの池の水面のさざなみす
野薊の草にこそあれ紅ゆかし
立葵水面の照りを花に受け
落ち水に大きくゆれて白睡蓮
睡蓮に空を映せる水輪あり
どくだみの花の十字のこれほどに
熟れはじむ枇杷を高きに見て過ぎる
さぼんてんの花の黄がある民家の庭
山裾に柏葉あじさい咲き盛る
子の去りし後に転がる花紫陽花
一日を日を照り返し百日草
サッカーの子らへ青葉の照り返す
若葉寒夢のみどりは竹林
青嵐の丘をあてなく上りけり
さきがけて咲きし菖蒲の青紫
青葦原戦ぎて青のひと色に
寄せ来る波のごとくに青葦の丈
きらめいて風と消えたりルリタテハ
若葉蔭水車が汲みだす水ひかり
若葉蔭水車が時を生みつづけ
山桑の実が熟れてるよこの道は
睡蓮の茂れる葉より花蕾
アキニレの若葉さやがす山の風
時鳥去りしあとなり青葉山
卯の花はわがふるさとの庭の花
大股に女走れり薔薇の風
薔薇垣の肩に触れつつ香りつつ
初夏のオレンジの香が手に残り
葉むら透け黄菖蒲の黄が見えし
玉葱も白くよく透け初鰹
アパートを飾る夕日の花ざくろ
ほうたるを包みし泡に水の音
覚めし目に風と紫陽花の青と
紫陽花に風がさやさや湧き立てり
紫陽花に佇ちて素足の冷えており
栗の花にぶく日に照り窓に過ぐ
栗の花咲けば見知らぬ町親し
白きビル浜に多くて走り梅雨
赤レンガ倉庫広場の走り梅雨
野薊を青いガラスの壜に挿し
青臭きトマトのそばに物を干す
安静の間の午睡青葉冷ゆ
山風の菖蒲の花をひるがえす
蝶飛べリ菖蒲の花の高低を
谷の田に菖蒲ほつほつ咲き初めぬ
菖蒲田に水音ひくく巡りたる
菖蒲田の遠き花にも蝶飛べり
菖蒲田にすずしき花の色多き
花菖蒲遠きもむらさき失わず
水こぼす水車の音の菖蒲田へ
菖蒲田にときに山気の流れ入る
菖蒲田にゴッホの橋のごときがあり
山の蝶疵つく羽のうすみどり
緑蔭の高さを蝶の飛びいたり
田ほとりに花の小さき夏椿
どくだみの花にうすうす日がありぬ
山水の湧き出すところ若楓
葦までの池の水面のさざなみす
野薊の草にこそあれ紅ゆかし
立葵水面の照りを花に受け
落ち水に大きくゆれて白睡蓮
睡蓮に空を映せる水輪あり
どくだみの花の十字のこれほどに
熟れはじむ枇杷を高きに見て過ぎる
さぼんてんの花の黄がある民家の庭
山裾に柏葉あじさい咲き盛る
子の去りし後に転がる花紫陽花
一日を日を照り返し百日草
サッカーの子らへ青葉の照り返す
若葉寒夢のみどりは竹林
青嵐の丘をあてなく上りけり
さきがけて咲きし菖蒲の青紫
青葦原戦ぎて青のひと色に
寄せ来る波のごとくに青葦の丈
きらめいて風と消えたりルリタテハ
若葉蔭水車が汲みだす水ひかり
若葉蔭水車が時を生みつづけ
山桑の実が熟れてるよこの道は
睡蓮の茂れる葉より花蕾
アキニレの若葉さやがす山の風
時鳥去りしあとなり青葉山
卯の花はわがふるさとの庭の花
大股に女走れり薔薇の風
薔薇垣の肩に触れつつ香りつつ
初夏のオレンジの香が手に残り
葉むら透け黄菖蒲の黄が見えし
玉葱も白くよく透け初鰹