珈琲一杯分の話

2018年2月26日スタートのただのボヤキカフェです。
毒とユーモアを楽しんで頂ければ幸いでございます。

超感覚人間2

2018-12-19 | 思うこと
小学校のある時、私は忘れもしない、母親にこう言われた。
「いい?この世の争いの原因はつき詰めると『思想』がちがうことなの。
これがある限り、争いは無くならない。
だから思想を統一すればいいのよ。
その通りでしょ?」

母親はこんなトンデモな理屈を、近所のインテリぶったおばちゃんから吹き込まれたのである。
(それまでは、こんなくだらないことを口にするタイプではなかった)
今思うと、なぜ分別のある大人がこんなしょうもないことを言って、また真に受けた大人がいたのが不思議でしょうがない。
ふつうの成熟した大人だったら、こんなことを言われたら即刻返すと思う。

思想を統一?
そんなの危険極まりないでしょ!!
考え方がいろいろあるのは当たり前で、尊重してうまくやればいい話でしょ


人生に於いて過去のいろんなつまらないことは忘れたけど、私はこの言葉だけは、何十年経っても忘れられず、ずっと覚えている。
本当に、困ったことを主張する人がいるんだなあと思う。

インテリぶったおばちゃんは、うちの母の数十倍は読書家だったと思う。
知識も教養もあって、弁も立って、字もきれいで文章も書けて歌もうたえて、母は何をやっても敵わないと言っていた。
今までボンヤリ生きてきて、こんな頭のいい奥さんは見たことがなくて圧倒されたと言った。

でも感覚が鈍いと思う。

感覚が鋭かったら、こんなインチキの理屈など一発でわかる。
思想を統一なんてヤバイ。やっちゃいけないし、できないと。
例え歴史がどう、何世紀の誰べエという思想家がどうなんて知らなくても。
誰に教わったことがなくても。
難しく考えなくても。

娘にはつくづくこれを望む。
勉強が嫌いでも、せめて感覚は鋭くなってほしいなあ。
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