珈琲一杯分の話

2018年2月26日スタートのただのボヤキカフェです。
毒とユーモアを楽しんで頂ければ幸いでございます。

アピール度

2018-12-01 | 娘と夫の話
娘は夜泣き「ゼロ」の赤ちゃんだった。
冗談ではなくて、本当に一日もなかった。
うちに来たその夜から、夜中にお腹がすくとぱちっと目を開けて手足をパタバタするのがサイン。
横で寝ている私がそれを察して、寝ぼけながら無言でミルクをあげたらおとなしくコクコクと飲んで、すぐパタッと眠ってしまう。
双方無言の、静かすぎる親子。

夫は仕事が忙しくなると、夜中に帰ってきて明け方に出ていくので、 貴重な睡眠時間を削られることを私はすごく心配していた。
そんな中で赤ちゃんは夜泣きするものと聞いていたので静かやん!!と拍子抜けした。

そういうわけで赤ちゃんの頃からあまり泣かなかった娘は、乳幼児に受けるすべての予防接種でも泣かなかった。
初めての歯医者でも泣かなかった。

泣いても、気を引こうとするようには泣かなくて、 目にいっぱい涙をためて、口をキュッと結んで泣くような泣き方をする。
でも負けず嫌いできかん坊なのかというと、全くそういうわけではなかった。
クラスでもいるかいないかみたいにおとなしくて、「皆から軽く見られている」と本人は言っている。

小三の時、娘はウイルスに感染して手足が激痛を伴って腫れあがって、三日ほど入院したことがあった。
病気や治療には一切の泣き言を言わなかった娘が、面会時間がすぎて私と夫が帰った時。
窓からこっそり覗いてみたら、必死に唇を噛んで声を出さず肩を震わせていた。
ワンワン泣けばいいものを、彼女はそういうところを人にはあまり見せないのである。

子どもを13年くらい育ててみて、強いとか弱いとか傷つきやすいとか痛みを感じるとか、そういうのは個人差なのかなあと漠然と思っていたが、一つわかったのは「アピールするかしないか」があると思う。
同じくらい辛くても、辛さを強く訴える子と、主張せずに呑み込む子がいる。
訴えないからといって、決して平気なわけではないのである。
そういうことが苦手だったり嫌いだったりなのか、人前で見せることをよしとしないだけ。

かつて檀上で熱っぽく語られる「体験談」をよく聞いたけど、今はアピールした声を聞かされても白けるようになった。
母親としての経験値だろうか、それともただ図太くなったのだろうか( ;∀;)
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