回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

日光街道を歩く⑧ 徳次郎(大網)~大沢~今市~日光(鉢石)

2013-11-05 12:05:35 | 日光街道

11月3日(日)曇り

7時にホテルを出て昨日歩き終えた「大網」までバスで戻るべくバス亭に行くと本日は休日のためバスは50分待たなくてはならないことが判明!(昨日ちゃんと調べておくべきであった)

しかたない、50分待ちはあまりにも辛い。ここは大大大奮発してタクシーで大網まで。

(昨日のお昼をおにぎりとお稲荷さん一個づつ・・200円ですましておいてよかった~)

大網からは上徳次郎を経て大沢宿にいたる。

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杉並木は相変わらずサクラになったりエノキになったりいろいろ。

左にいつも日光にいくときに使う、日光=宇都宮道路がみえる。

当然のことながら街道から見る景色は車道からのそれとはまるで別世界である。

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川沿いにはりんご園。

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山里の景色は水も木々も田畑も豊かで、歩いていても全く疲れない。

日本っていいところだなあ、と改めて思う。

ところどころに大谷石で建てた蔵があるのも、このあたりの特徴。

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さて、いよいよ大沢の宿。

徳次郎宿と同様、宿場の面影を残す遺構はほとんどない。

が、本格的な杉並木はここから始まる。

もうずっと以前から憧れだった日光の杉並木をいよいよ歩けるのだという感慨がふつふつとわいてくる。

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杉を保護するためなのか、新しい車のバイパスが作られ、今はこのあたりは並木の中には人しか入れなくなっている。いいことだ、たいへんいいことである。

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さあ、日光杉並木を歩くぞ!

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倒れた杉、朽ちた杉、まだ若い杉、時折り道の両端に流れる清い流れ。

フィトンチッド横溢!

陽が射してきても、少しばかりの雨が降ってもここを歩く限りは日に焼けたり濡れたりする心配はなさそう。

ここからまずは今市まで杉並木は続き。今市からはさらに日光まで続く。

世界に類を見ない長い杉並木。

実は、朗々とした気分のみなぎる東海道歩きに比べ、日光道中は殺風景で乾燥した感じの道程だと思いつつ歩いていたのだが、ここで生気が甦る気がする。

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東武電鉄のガードをくぐると今市の宿である。

杉並木をでたところにある蕎麦屋でお昼。

並木の反対側には追分地蔵尊を挟んで、日光例幣使街道の杉並木が続く。

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車では今市は何度も通っているが、じっくりここを歩くのは初めて。

ここにも道が続いていて、人々が暮らす町や村がある・・・。

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なんだろうか?すべての景色に目をこらして歩いてくると、時間と距離が幾層にもなって複雑に自分の中を行ったり来たりするようなこの不可思議な感じは?

今市宿を抜けると鬱蒼と茂る杉並木が日光までさらに続く。

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戊辰戦争の際に砲弾を受けた杉も、大人が3人両手を延ばしても抱えきれない大きなすぎもある。

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JRのガードをくぐると、いよいよ杉並木は終わりを迎え、日光社寺への参道がバッと開ける。

異空間、別世界から現実の世界へ戻る。

旅は場所の移動だけでなく、空間の移動である。

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並木の終わった場所がちょうど東武日光駅のそば。

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少し戻って美しいJRの駅舎を見る。

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ここからさらに700メートル近く参道を登ってゆくと日光道中の終点となる鉢石である。

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神となられた家康公を祀る東照宮がある。

輪王寺は修復中。東照宮への道をたどるが今日は連休のド真ん中とあってすごいラッシュ@@!

山門をくぐり、神橋へ下る。

東京日本橋から歩いて約143㎞。

歩いてくると見慣れた神橋が、いつもにもまして神々しく見えた。

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さて、次はどこの街道を歩こうかな(^^)?

本日は今市までの予定だったのだが気分よく歩いて日光に着いてしまったので、今市に予約した宿に戻り宿泊。

明日は奥日光で遊ぶ予定☆。


日光街道を歩く⑦宇都宮~徳次郎(宇都宮~大谷資料館)

2013-11-05 10:46:38 | 日光街道

11月2日(晴)

8時。上野からJR東北線にて、前回歩き終わった宇都宮まで行く。

1時間半ほどで宇都宮着。

道中を歩きだす前に、大谷資料館を見物しようと駅前から6番バス乗り場に行き、10:05分発の立岩行きバスに乗り込む。

大谷石採石場は、中学の頃学校の社会科見学で行った記憶あり。

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昭和61年に採掘中止になったから、その頃はまだ石を切り出していたわけである。

その採掘場が、今は暗く冷たく静謐な地下神殿のように岩山の中に広がっている。

切り出し機械の跡も鮮やかに残り、まるで幾何学模様のように美しい。

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たくまずしてステージのように切られた台状のところで指揮ポーズ(暗いのでボケボケ~

実際にコンサートは時々開催されているらしい。アカペラの合唱などはさぞよい響きになるだろう。

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地下神殿から外に出ると明るい太陽光がまぶしい。

ここからまたバスで宇都宮に折り返し、日光道中を歩き出す。

奥州街道と日光街道の追分の標識。もう薄くなって読めない。こういう標識が鮮明だとありがたいのだけど。

↓ 読みにくい(><)

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もう12時を過ぎていたので、町のお総菜屋さんでおにぎりを買って県立体育館の前庭のベンチに座りお昼とする。

しばらく歩くと細谷新道、賑やかな街並みが途絶え、並木が見え始める。このあたりは桜の並木。

日光杉並木はおよそ37キロメートルにわたって続くそうなので、このあたりからがちょうど杉並木になると思われるが、サクラであったりエノキであったりときどき杉がちらほらである。

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小さくてきれいな釜川を渡り

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左にみごとな竹林が見え始める。右側は栃木県農業試験場。

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あちこちに柿の実り。

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↓ 道の右側にほとんど一里塚と同じくらいの間隔で見られる古めかしい建物は今市から宇都宮に水を通すための接合井。

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そろそろ徳次郎の宿場に入る。

徳次郎は「とくじら」と地元の人々は読むが、道路標示の読み仮名は「とくじろう」である。

「徳次郎」の名の由来については諸説紛々の感あり。

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さて、この徳次郎宿場に入ったあたりの右側、豊かな畑の広がる道の奥に徳次郎城跡の案内板あり。

江戸時代以前の築城で平城。入ってみる。

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は~~、ここはちょっと空気が違う。

しばし呆然。

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外界と遮断された別次元の世界。ひとりで歩くには怖いくらいの古城の跡。

乱立する木々に巻きつけられた簡単な「内堀」「外堀」「本丸」といった紙がいっそう荒廃感を強くしている。

倒木がちょうどあちら側の下界とこちら側の城跡空間との結界のようでもある。

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下界へ戻るとのどかな田園風景。ほっとする。

写真右側寄りにぽっかりとあいた黒い空間が冥界(城跡)への入り口である。

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中徳次郎あたりの途中にある神社の説明板。徳次郎が「外鯨」と表記されていて、たいへん興味深い。

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ちなみに日光植物園の近くでみた案内図には「久次良」という地名があり、ここから外(日光をはずれた村)の「久次良」、つまり「外久次良」になったという説もある。

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ここから上徳次郎まで歩く予定だったが、もう時刻は4時、暗くなりはじめたので「大網」のバス停から宇都宮に戻ることにする。

徳次郎か次宿の大沢には宿がないのでしかたがない。(昔は宿場だったのに)

宇都宮での夕食はご存じ、宇都宮餃子。味は普通の餃子だけど、これだけ知名度をあげたにも理由があるそうだ。

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宇都宮は、餃子のほかにジャズとクラシックと、そしてなんといっても大谷石の町である。

駅歩道橋下に鎮座まします餃子像。一見なんだかわからなかった(^^)

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本日の歩行距離:約11㎞。

日光鉢石まで約26㎞。