回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

バスで

2008-07-24 21:33:41 | 町歩き・季節の日記・エッセイ・コラム

娘と錦糸町に行く。

いつもは電車か車だが、本日はバスで。

四ツ木橋詰めから水戸街道~曳舟通り、更生橋を横切って八広駅の前を通り、右折して中居堀を経て錦糸町駅へ出るのがバスのルート。

中居堀は荒川放水路が出来る前は葛飾四ツ木側の今のマイロードあたりに繋がっていた道。「堀」というからには昔は水の筋だったはず。

分断される前の中居堀通りを古地図の上で指でたどりながら想像して楽しんだものだ。

さびれてしまった下町の工業地帯の真ん中の道をバスは走る。

亀戸線の線路を越えるときにはバスのアナウンスが「線路を渡りますので揺れます、ご注意ください」と知らせてくれる。

亀戸線は曳舟と亀戸を結ぶたった2両編成の、しかも5つしか駅のない東京のローカル線である。

亡き父が玉の井(現在の東向島)近くで工場を建てる前に短い間住んだことのある町もこの亀戸線の近くにある。

墨田区文花を走り押上から四ツ目通りに入るとまもなく錦糸町に着く。

四ツ目通り、三ツ目通り・・時代を遡りたくなるようなこの名は小名木川と平行して走る竪川に架けられた橋、一之橋、二之橋、三之橋、四之橋、五之橋、を通る道筋から来ている。

今はその川の上には高速が走り、「竪川」という優雅な名前の名残りもない。

まったく!押上の北十間川、小名木川、竪川、それとクロスして流れる、大横川、横十間川、南に下って仙台堀川、今はなき曳舟川も含めて、墨田区から江東区にかけて掘割、運河のオンパレードであった。http://www1.ocn.ne.jp/~o-den/kawa36.htm

とても懐かしい感じのする30分そこそこの小さなバスの旅が終わり、錦糸町駅で下りると、蒸した夏の風の中に、なぜかジャカルタやマニラに建つビルの裏道の匂いがした。