はりさんの旅日記

気分は芭蕉か司馬遼太郎。時々、宮本常一。まあぼちぼちいこか。
     

笠ヶ岳に登りました その3

2015-08-01 22:15:21 | 山歩き
さあ、頂上をめざしましょう。しかし、花の写真を撮ったり、休憩ばかりで、なかなか前に進みません。
やがて、秩父平の雪渓が見えてきました。この雪渓はネットで調べた時には、ピッケルとアイゼンが必要ということでしたが、小屋で確認すると大丈夫ということで安心してやってきました。
(雪渓を越えていきます)
雪渓は無事に越えることができました。ロープが張ってあって助かりました。(写真は撮れませんでした。)
笠ヶ岳周辺の山は岩が多くて、ゴツゴツした印象の山々がつづきます。そんな中、可憐な花が迎えてくれます。
(秩父岩?)
(イワギキョウ)
ハイマツ帯の中の道を進んでいきます。「天気が良ければ、すばらしい景色が広がっているんだろうな」と考えながら歩きます。でも、「涼しくていいや」と負け惜しみも言ってみます。
(ハイマツ帯の稜線)
やがて、抜戸岳(ぬけど)の分岐点をすぎると、抜戸岩が見えてきます。岩が門のように登山者を迎えてくれます。そこを通過すると笠ヶ岳の小屋も近いです。
(門のような抜戸岩)
雲の切れ間から、やっと山頂と山小屋が見えてきました。
(頂上と山小屋)
小屋が見えだしてからが遠かったですが、なんとか笠ヶ岳山荘に到着することができました。山小屋から頂上までは15分ほどです。「播隆ラーメン」で腹ごしらえをして頂上に向かいました。

そして、ついに念願の笠ヶ岳山頂に立つことができました。残念ながら展望はききませんでしたが、3年かかった山だけに喜びもひとしおでした。
(山頂にて)
この笠ヶ岳は、槍ヶ岳を開山した播隆上人(ばんりゅうしょうにん)が、1823年に登頂した山です。その時は、笠ヶ岳再興でしたが、その時に見た槍ヶ岳への登頂の念願を起こし、ついに槍ヶ岳の初登頂者となった話は、新田次郎著、『槍ヶ岳開山』に詳しく書かれています。
 (山頂から笠ヶ岳山荘を見る)
山小屋に戻り、テラスでゆっくりと充実感に浸りました。
(今日歩いてきた稜線を振り返る)
あいかわらずガスで穂高岳方面は見えませんが、後ろから太陽が照っていたので、もしやと思いましたが、その予感は当たりました。ブロッケン現象が起こったのです。
(ブロッケン現象)
(喜ぶ宿泊客と小屋スタッフ)
実は、播隆上人が登頂した時にも、「ご来迎が雲の中に浮かび、阿弥陀仏が出現し、一同随喜の涙をこぼして奉拝した」と記録を残しています。当時は、ブロッケン現象なんて知るよしもなかったので、自分たちの姿が写っているにもかかわらず、阿弥陀さんと思ったのでしょう。でも、今でもありがたいのには変わりありません。

最終回につづく。


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