どもっ! k-5610っす。

旧ブログ(釣って釣られて)

釣り好きオヤジが言いたい放題、独断と偏見で綴るひとり言でごぜーます。

月と采女と・・・

2011-09-14 00:00:21 | ひとりごと
中秋の名月…、


ススキを飾り、お団子と里芋を並べ、月に跳ねるウサギを眺める…。



でも、古都には少し悲しい恋の話があるんです。



昔(奈良時代)、帝に仕えていた采女(後宮で帝の給仕をする女官の職名)が、


帝のご寵愛が衰えたのを嘆き、猿沢池の池畔の柳に衣を掛け、身を投げた。


美しい采女の悲恋を知った人々は、その霊を慰めるために社を建てたが、


采女は我が身を投じた池を見るにしのびないと一夜のうちに社を後ろ向きにした。



  我妹子が 寝くたれ髪を 猿沢の 池の玉藻と 見るぞ悲しき
                                   柿本人麻呂
 
                                      

この古の時代の悲恋は、1000年以上前に生まれた『大和物語』150段や、


清少納言の『枕草子』45段にも描かれ、今日まで語り告がれ、


恋に苦しみ、現世を儚んだ采女は時を経て、


縁を結ぶ神様として猿沢池のほとり、「采女神社」に祀られている。




そんな、采女を慰める行事が、中秋の名月のこの日に行われるのだそうだ。



間に合わないのを承知で出かけてみると、





猿沢の池には、いにしえの行事の名残りを楽しむたくさんの人が…。




猿沢の池から興福寺の境内に入ると、五重塔の横には寄り添うように月が輝いていた。





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