「それでは大会を始めま~す!」の声でついに始まった準決勝大会。
H筏の5番(角)が釣り座で、他の人から言わせると「まずまず」の釣り座らしい。
開始前にタナも取り、準備万端。 仕掛けを送り込んでゆく。
・・・・。
「ビシッ」と合わせの音。 海側一面の参加者の竿が一斉に曲がっている。
やや小ぶりの鯛だが、喰いつきはいい様子。
オイラの左となりはじゃのひれの代表、その隣が紀州代表。一つ空きで角をはさんでまた紀州の代表。
この二人が入れ喰いになっている。
オイラはというと、角の釣り座で両隣から浮き仕掛けが出ており、竿を出せる状態に無い。
手前のネット際を釣るしかない。
それでも、両隣が竿を上げた瞬間に、少しづつ陣地を広げていった。
いくら陣地が広がっても、何をしてもアタリが無い。
上から下まで、あらゆることをして鯛を狙うが、反応なし。
隣のじゃのひれ代表の方も、「こんなんはじめてや」と焦っている様子。
その間にも、紀州代表は7匹は上げている。
隣の筏では、川村さん、木村さんがぼちぼち竿を曲げているようだが、こっちはサッパリ。
ひとつ離れて右側の浦部さんもアタリを出せずに、手詰まり状態。
向こうの方にいる「大応援団」の視線が痛い。
完全に手詰まりなのだ。
ここは水深が6.5mくらいしかなく、5mまでは視認できる。
そこから下の1.5mに魚がいないのだ。
すでにトップは7点か8点稼いでいる。
このペースだと25点が優勝争いになりそうだ。
ここでオイラの目標を20点に変更、最初は15点でいいと思っていたのだ。
足元に鯛がいないならやることは一つしかない。
その時、中央付近で一瞬「キラッ」と青物がひらをうつのが見えた。
幸い、皆はまだ鯛を狙っているので、浮き仕掛けが多いわりに中央が広く開いている。
「チャンス!」と大きめのイワシを放り込んだ。
そこまで落とし、一気に引き上げる。
「ドン!」と確かなアタリで一気に竿がしなる。
狙い通り、ワラサ?ハマチ?というサイズが喰って来た。
道糸は7号、ハリス6号。
よほど強引にやらない限り切られるような仕掛けではない。
「青です!」と宣言、ほぼ全員が竿を上げる。
あえて書くが、「ほぼ全員」が竿を上げた。
ルールは皆さんご存じの通り。
隣にはじゃのひれのスタッフがタモ入れに来てくれた。
はじめは、魚だけに神経が行っていたが、ふと皆の視線が気になった。
選手の皆さんの刺さるような視線、応援団の視線。
なにより、会場が「シーン」と静まり返っている。
これを感じてからはもうダメ。
何か「迫られる」ような気がして気づかぬうちにかなり強引なやりとりになっていた。
ガイドに擦れる糸の音で「あかん!もっと慎重に!」と思い直し、ドラグに手をかけた瞬間、ハリスがとんだ。
せっかく掴みかけたチャンスを自ら逃がしてしまった。
一瞬、ほんの一瞬だが「もうアカン」と本気で思った。
H筏の5番(角)が釣り座で、他の人から言わせると「まずまず」の釣り座らしい。
開始前にタナも取り、準備万端。 仕掛けを送り込んでゆく。
・・・・。
「ビシッ」と合わせの音。 海側一面の参加者の竿が一斉に曲がっている。
やや小ぶりの鯛だが、喰いつきはいい様子。
オイラの左となりはじゃのひれの代表、その隣が紀州代表。一つ空きで角をはさんでまた紀州の代表。
この二人が入れ喰いになっている。
オイラはというと、角の釣り座で両隣から浮き仕掛けが出ており、竿を出せる状態に無い。
手前のネット際を釣るしかない。
それでも、両隣が竿を上げた瞬間に、少しづつ陣地を広げていった。
いくら陣地が広がっても、何をしてもアタリが無い。
上から下まで、あらゆることをして鯛を狙うが、反応なし。
隣のじゃのひれ代表の方も、「こんなんはじめてや」と焦っている様子。
その間にも、紀州代表は7匹は上げている。
隣の筏では、川村さん、木村さんがぼちぼち竿を曲げているようだが、こっちはサッパリ。
ひとつ離れて右側の浦部さんもアタリを出せずに、手詰まり状態。
向こうの方にいる「大応援団」の視線が痛い。
完全に手詰まりなのだ。
ここは水深が6.5mくらいしかなく、5mまでは視認できる。
そこから下の1.5mに魚がいないのだ。
すでにトップは7点か8点稼いでいる。
このペースだと25点が優勝争いになりそうだ。
ここでオイラの目標を20点に変更、最初は15点でいいと思っていたのだ。
足元に鯛がいないならやることは一つしかない。
その時、中央付近で一瞬「キラッ」と青物がひらをうつのが見えた。
幸い、皆はまだ鯛を狙っているので、浮き仕掛けが多いわりに中央が広く開いている。
「チャンス!」と大きめのイワシを放り込んだ。
そこまで落とし、一気に引き上げる。
「ドン!」と確かなアタリで一気に竿がしなる。
狙い通り、ワラサ?ハマチ?というサイズが喰って来た。
道糸は7号、ハリス6号。
よほど強引にやらない限り切られるような仕掛けではない。
「青です!」と宣言、ほぼ全員が竿を上げる。
あえて書くが、「ほぼ全員」が竿を上げた。
ルールは皆さんご存じの通り。
隣にはじゃのひれのスタッフがタモ入れに来てくれた。
はじめは、魚だけに神経が行っていたが、ふと皆の視線が気になった。
選手の皆さんの刺さるような視線、応援団の視線。
なにより、会場が「シーン」と静まり返っている。
これを感じてからはもうダメ。
何か「迫られる」ような気がして気づかぬうちにかなり強引なやりとりになっていた。
ガイドに擦れる糸の音で「あかん!もっと慎重に!」と思い直し、ドラグに手をかけた瞬間、ハリスがとんだ。
せっかく掴みかけたチャンスを自ら逃がしてしまった。
一瞬、ほんの一瞬だが「もうアカン」と本気で思った。