やっぱり幸せ♪

日常の色んなこと、特に発達障害を持つ息子との素晴らしき日々を綴っていきたいと思います。

読み聞かせ継続中

2019年03月06日 | 読書・読み聞かせ

去年の台風21号で実家の屋根やベランダなどに被害を受け、その修理が一段落した頃から息子の調子が悪くなり、息子の通院記録をブログに残すことが精一杯となってしまいました。

 

けれど、その間も小学校での読み聞かせには参加させていただいていました。

昨年の9月には、2年生に「へっこきよめさま」令丈ヒロ子・文、おくはらゆめ・絵「こぶたはおおきい」ダグラス・フロリアン・作・絵、灰島かり・訳を、11月には、1年生と2年生に「とんでもない」鈴木のりたけ・作「にんじんのにんにん」ふるやかおる・作を読ませていただきました。

 

読み聞かせをすると自分も元気になれるし、特に低学年の児童の「お~っ!」とか「え~っ!」とか、声をあげながら素直にお話を楽しんでくれる様子に嬉しくなります。

 

この1月~2月にかけても読み聞かせがあり、私は、2年生と高学年(3~6年生)を担当することになりました。

 

2年生は3組あるそれぞれの教室での読み聞かせで、「おにたのぼうし」あまんきみこ・文、いわさきちひろ・絵と、またまた「にんじんのにんにん」ふるやかおる・作を読ませていただきました。

 

ちょうど節分の時期なので、心優しい鬼の子おにたの切ないお話を選びました。

お腹をすかせた女の子のためにごちそうを用意したおにたでしたが、おにたを鬼だとは知らず、鬼が来ればお母さんの病気が悪くなるという女の子の言葉に、おにたは豆になって姿を消してしまいます。

いわさきちひろさんの美しい絵とともに、「おにだって、いろいろあるのに・・・。」という、おにたの切ない言葉が心に残ります。

 

「にんじんのにんにん」は、にんじんの忍者にんにんが、忍術の掛け声とともに土の中から芽を出し大きくなって、花を咲かせ種をばら撒き「いっぱいのにんにん」を作るお話です。

 

 

毎回子ども達に大うけで、今回も子ども達は最後に拍手喝采で応えてくれました。

 

高学年の読み聞かせは、昼休みに音楽室で行われます。

この日の絵本は、「ゆうれいなっとう」苅田澄子・作、大島妙子・絵と、「おおはくちょのそら」手島圭三郎・作で、高学年のみ二人で担当し、私は「おおはくちょうのそら」を読ませていただきました。

高学年の読み聞かせは、いつもは20~30人が集まるぐらいでしたが、この日は雨だったため、50人以上の子どもがお話を聞きに来てくれました。

 

手島圭三郎さんは、北の国の厳しい自然の中で生きる動物達の生き様を、迫力ある版画絵で描かれた絵本を数多く創作されています。

「おおはくちょうのそら」は、白鳥が北の国へと帰る季節の、病気で飛ぶことのできない子どもとその家族のお話で、私のお気に入りの一冊でもあります。

生死の厳しさと家族の愛が胸に迫り、悲しみを抱きながらも飛び立つ白鳥の姿は美しく、また力強さを感じます。

 

ところで、お話って、昔、読んだり聞いたりしたものを普段は全く忘れてしまっているのに、ふと目にしたり耳にしたときに、「あっ、このお話知ってる!」って思い出したりするんですよね。

心の中にお話が存在することを実感する瞬間があります。

 

お話が小さなジグソーパズルのピースのように子ども達の心の片隅に埋まっていって、見えない力となって存在し続けるなら嬉しいです!

 


2年生・高学年の読み聞かせ(6月)

2018年06月30日 | 読書・読み聞かせ

なかなかブログを更新できずに、読み聞かせから日が経ってしまいました。

 

2年生の読み聞かせでは1組を担当させていただき、1年生の読み聞かせで好評だった「あまがえるのあおちゃん」と、ぼく、わたし」 高畠那生・作 を、読ませていただきました。

 

「ぼく、わたし」は、いろんなぼく、いろんなわたしがいて、苦手なこともあるけど得意なことだってあるんだよ、という絵本です。

いろんなぼく・わたしに、なるほどと共感すると「おぉ~っ!」という声を、そうじゃないと「ええ~っ!」という声を上げ、私が読む度に子ども達が応えてくれました。

「注射はがまんできる」というぼくに、「ええ~っ!」という声が上がったのは、2年生ならではと微笑ましかったです。

 

3年生から6年生は、「昼休みに音楽室で読み聞かせをしているので、よかったら聞きに来てね」という感じでさせていただきました。

図書担当の先生が自分のクラスの子ども達をたくさん連れてきてくれたので、50人くらいは集まったと思います。

 

「あめふりうります」 平田昌広 絵・野村たかあき 絵・原案

「とべバッタ」 田島 征三 作

 

この会は二人で担当し、私は「あめふりうります」を読ませていただきました。

 

「あめふりうります」は落語絵本で、「猫が顔を洗うと雨が降る」という言い伝えを元にした、ぐうたらねこが「あめふり」を売るというお話なのですが、「狐の嫁入り」や「猫の手も借りたい」などのことわざも出てきて、ぐうたらねこならではの面白いお話になっています。

版画調のちょっとおかしくていきいきとした絵も素敵です。

 

喉がひりひりして少しかすれ気味の声になってしまいましたが、なんとか無事に全ての読み聞かせを終えることが出来ました。

低学年の子ども達が楽しみにしてくれていたとお聞きし、とても嬉しくて、これからも頑張ろうと思いました。

 

まずは、2学期に読む素敵な本を探すぞ~!

 

 


1年生の読み聞かせ(6月)

2018年06月19日 | 読書・読み聞かせ

風邪をひいてしまいました。

 

先週後半から息子が風邪気味で、

「喉が痛い、ひりひりする。」

と言っていました。

うつったら大変だと、うがい等十分注意をしていましたが、やっぱりうつってしまいました。

喉がひりひりして少し声を出しづらいだけなのですが、今週は読み聞かせがあるのです。

 

昨日は、1年生の読み聞かせがありました。

今年から、1年生、2年生は、各教室で読み聞かせをすることになり、各学年3クラスを一人ずつ担当することになりました。

今まで2人で1冊ずつ読み聞かせをしていたものが、一人完結です。

 

そうです。

読み聞かせボランティアは、人手不足なのです。

児童の保護者ボランティアさんは4人しかいなくて、地域ボランティアさんが2人(今年度から私もこちらになります)、学校運営協議会の役員さんが2人の計8人、みなさんはお仕事もされているので、日にちによっては都合がつかないときがあります。

 

前回、3学期の読み聞かせは1年生を担当することになっていましたが、息子がインフルエンザにかかってしまい、大事を取って他の方に代わっていただきました。

なので、今回は私が頑張ろうと、3日とも読み聞かせを担当させていただくことになっていました。

 

本来の自分の声ではない気はしますが、聞けないこともない!

と、1年1組のみんなには申し訳ありませんが、そのまま私が読み聞かせをさせていただきました。

 

「とりかえっこ とりかえっこ」 ふくだじゅんこ 作

「あまがえるのあおちゃん」 高家博成・仲川道子 作

 

「とりかえっこ とりかえっこ」 は、りんご、みかん、バナナにメロンが、自分の服(皮)をぬぎぬぎして、とりかえっこするお話です。

「これ、だれのふく」と読むと、「りんご~!」とか「めろ~ん!」とか、可愛い声が返ってきました。

 

「あまがえるのあおちゃん」は、かえるになったばかりのあおちゃんが川に落ちて冒険するお話です。

あおちゃんがへびに食べられそうになる場面では、「へびや!」と声が上がり、みんなの心配そうな顔。

あおちゃんがかめに助けられて、ほっとした様子がかわいかったです。

 

私の声はダメダメでも、お話の力はすごいので、地震で少しざわざわしているみんなの心がハッピーになってくれたら嬉しいです。

 

 


「おもいのたけ」

2017年11月22日 | 読書・読み聞かせ

今週は、小学校で読み聞かせがありました。

 

11月の読み聞かせは、

1年生1組・3組が、

「くんくんふんふん」オスターグレン 晴子・文、 エヴァ エリクソン・絵

「ゆきがふるまえに」かじり みなこ・作

2組が、

「どんぐりとんぽろりん」武鹿 悦子・作、 柿本 幸造・絵

「おもいのたけ」きむら ゆういち・文、田島 征三・絵

 

2年生1組・2組が、

「どんぐりとんぽろりん」武鹿 悦子・作、 柿本 幸造・絵

「どんぐりきょうだい」中川 ひろたか・作、かべや ふよう・絵

3組・4組が、

「くんくんふんふん」オスターグレン 晴子・文、 エヴァ エリクソン・絵

「おもいのたけ」きむら ゆういち・文、田島 征三・絵

 

そして、3・4年生の希望者と、5・6年生の希望者に読み聞かせたのは、どちらも

「しげちゃん」室井 滋・作、長谷川 義文・絵

でした。

 

さて、今回の読み聞かせで私が担当したのは、1年生と2年生の「おもいのたけ」

「オンドロロン オンドロロン」と不思議な音に誘われ、動物達が入り込んだ洞窟には不思議なキノコが生えていて、なんとそのキノコが、「言いたいことを言えないでいる相手の顔」に見えてくるのです。

 

タヌキは、自分のことをのろまだとバカにするキツネに、りすのこは、「おにいちゃんのくせに」と自分を叱ってばかりするお母さんの顔に、サルは言いたいことを言えない仲間の顔に、ブタのおんなのこは、好きで好きで仕方がないイノシシのおとこのこの顔に、それに、キツネは、のろのろしてイライラしてしまうタヌキの顔に・・・。

動物達は洞窟の中で思いっきり叫びながら、「おもいのたけ」をきのこにぶつけるのでした。

 

動物達の思いを浴びたキノコはどんどん膨れ上がって大きくなり、ついにお祭りの日に洞窟を飛び出して、広場に集まっていた動物達に襲いかかります。

そのキノコの怪物の顔は、洞窟で叫んでいた自分の顔! 

洞窟での自分の叫び声を発しながら自分を追いかけてきたかと思うや、シューっと空に昇って花火のように弾けてしまいました。

 

胸に閉じ込めていた思いを吐き出せた動物達は、すっきりした表情で、少しだけ勇気を持てたり、少しだけ優しくなったりして、お祭りは今までで一番楽しいものになりました。

 

思いを言葉にすることの戸惑いや難しさ。

時には相手を傷付けたり、自分も傷付いたりすることがあるかもしれないけど、自分の思いを言葉にしながら、仲良くやっていこうよ!

たとえ、面と向かって相手に伝えられないとしても、言葉にすることで解決への道が拓けるかもしれないよ。

・・・そういうお話でした。

 

8分30秒と少し長めのお話でしたが、子ども達はしっかりと聞いてくれました。

昼休みの短い時間の読み聞かせなので、お話が終わった後、子ども達はすぐに教室に戻らなければなりません。

もっと時間があったら、「こんな本、読んだことある?」とか、「好きなお話、教えて!」などと、子ども達とお話してみたいなぁ。。。

 

 


9月の読み聞かせ・その3

2017年09月23日 | 読書・読み聞かせ

昨日は夜中の2時頃に目が覚めてしまい、それから股関節が痛くて眠れませんでした。

湿布を貼りかえたり痛み止めの薬を飲んだりしましたがあまり効果がなく、あきらめて、早めに起きて朝食を作るなど体を動かすと、少し痛みがましになりました。

 

先週の金曜日に授業参観があり、45分間立ったままでいたため、足や股関節に違和感を感じていました。

でも、思ったより酷くはならず、火曜、水曜と読み聞かせに無事に参加し、夜も眠れていたのに、ここにきて痛みがどっと出てきてしまいました。

 

読み聞かせ自体は約10分。

気合で頑張るしかありません!

 

この日の読み聞かせは、

3年生・4年生の希望者には、「ヘルシーせんたいダイズレンジャー」やぎ たみこ 作

5年生・6年生の希望者には、「1ねんに365のたんじょう日プレゼントをもらったベンジャミンのおはなし」ジュディ・バレット 作・ロン・バレット 絵・松岡 享子 訳

私は、5・6年生に読ませていただきました。

 

5・6年生は5時間目が運動会の合同練習なので、昼休みに着替えをしなければなりません。

その上、昼休みにも練習がある児童もいて、息子も応援団の練習に行っています。

だから、聞きに来てくれたのは20人ぐらいだったでしょうか。

 

「1ねんに365のたんじょう日プレゼントをもらったベンジャミンのおはなし」

プレゼントの包みを開けるときのあのワクワクとドキドキ。

子どもにとっては、夢のような瞬間なのだと思います。

ベンジャミンは、毎日、誕生日プレゼントをもらおうと、すばらしいアイデアを考え出しました。 

ベンジャミンの願いが微笑ましくて、また、何気なく使っている物の一つ一つが大切に感じられる絵本です。

 

低学年のように大勢の読み聞かせと違って、みんなに私のすぐそばで聞いてもらえて、これはこれでいいおはなし会だなと思いました。

 


9月の読み聞かせ・その2

2017年09月21日 | 読書・読み聞かせ

例年よりずっと早く秋が近付いているように感じます。

日中とても過ごしやすくて、これなら子ども達も運動会の練習に熱が入るでしょう。

もう、このまま涼しくなり続けるのでしょうか。

季節がぶり返して、運動会当日に暑くはならないことを願います。

 

さて、昨日は2年生の読み聞かせがありました。

私は2年生と5・6年生の読み聞かせの担当で、2年生に読ませていただいたのは、

「そうべえごくらくへゆく」田島 征彦 作

 

「そうべえごくらくへゆく」は、地獄に落ちてしまったそうべえ達が、策をこらして極楽へ行き、やりたい放題するお話です。

「えらいこっちゃ えらいこっちゃ」と、リズムが楽しく、関西弁で14分程のお話を一気に読み終えると、涼しい部屋で私一人だけが汗だくになっていました。

 

2年生の半分の60人以上の子ども達に聞いてもらうので、後ろの方に座っているお子さん達には恐らく絵本の絵はよく見えません。

でも、みんな一生懸命聞いてくれて、時々笑い声も起こり、楽しい時間を一緒に過ごさせていただきました。

 

また、「めっきらもっきらどおんどん」の読み聞かせをした1年生が、早速、その本(もちろん普通サイズのもの)を図書館に借りに来てくれたらしく、なんだか嬉しい限りです。

ご自分でじっくり読まれると、また違った味わいがあると思います。

 

子ども達に「本っていいな!」と、思ってもらえたら、とても嬉しいです。

明日は、3~6年生の読み聞かせがあります。 

 

 


9月の読み聞かせ

2017年09月19日 | 読書・読み聞かせ

今日は1年生の読み聞かせの日。

 

1年生かわいい!

でも、1学期の読み聞かせで会ったときよりも、みんな大きくなったというか、もうしっかり小学生だな~、という感じがしました。 

 

私の名前を覚えていてくれて、

「読み聞かせの・・・」

と、先生が紹介をしてくださったときに、

「〇〇さ~ん!」

と、大きな声で名前を呼んでくれた男の子がいました。

嬉しい!

 

でも、今日は、私は読み聞かせの当番ではありません。

大型絵本をめくる役をさせていただきました。

 

今日の絵本は、「めっきらもっきらどおんどん」長谷川 摂子 作・ふりや なな 絵

不思議な世界に迷い込んだ男の子が妖怪たちと遊ぶお話。

呪文のような言葉が楽しい、夏の終わりのファンタジーといった感じの絵本です。

 

今日は、1年生のお孫さんがいるというベテランの方が読み聞かせをしました。

その方がいるだけで心が和むというか、笑顔になるというか・・・もちろん読み聞かせも素晴らしいのですが、お話の前後の子ども達とのやりとりがあったかくて素敵だなぁと、尊敬しています。

 

私は、まだまだ読むことだけで精一杯で、アドリブではあいさつくらいしか出来ません。

短いやりとりの中で子ども達を楽しくあったかい気持ちにさせられるなんて、憧れだし、いつかはそうなりたいと思っています。


6月の読み聞かせ

2017年06月25日 | 読書・読み聞かせ

6月の前半に、小学校での読み聞かせがありました。

 

1年生、2年生は、

「ちゃっかりこぞうはまるもうけ?」マラキー・ドイル 文  ジェーン・レイ 絵  きむらみか 訳

と、

「なぞなぞはじまるよ」おおなり修司 文 高畠純 絵

「だじゃれ王国 なぞなぞ動物園」大森裕子 作

のどちらか。

 

1年生2年生は全員に聞いていただくため、それぞれ会場を2つに分けて読み聞かせを行い、なぞなぞは同じ本を2冊確保できなかったために違う本で読み聞かせをすることになりました。

 

そして、3~6年生は希望者のみ。

「かっぱのすりばち」廣田弘子 再話 藤原あずみ 絵

地域伝承で語り継がれてきた昔話です。

語り部、菊池トヨさんの話を聞いて作られた佐藤修さんの原作を、廣田弘子さんが再話した絵本で、お話の中に出てくる「かっぱのすりばち」(石)は、実際に福島県塙町に存在するそうです。

 

今回、私が打ち合わせで推薦し、一番子ども達に読み聞かせしたかったのは、この「かっぱのすりばち」でした。

 

かっぱの子ども・かんきちと村の子ども達は仲良しで、よく一緒に遊んでいました。

それなのに、ある日、川で子どもが溺れ死んだことから、大人達はそれをかっぱのかんきちの仕業だとして、あろうことか、かんきちの命を奪ってしまったのです。

その後、村を疫病が襲い、村の子ども達も次々に倒れてしまいます。

疫病を治すのは、かっぱの作る妙薬しかありません。

かつて罪もない我が子の命を奪った村人の願いを聞いて、お母さんかっぱは妙薬づくりを決意します。

かんきちが大好きだった人間の友達の命を救うために、自らの命をかけて・・・。

 

苦悩の中で、それでもなお人を思いやる気持ち・・・悲しいけど心が温かくなるお話です。

ただ、この本を息子に読み聞かせたとき、泣けて泣けて涙ボロボロ状態だったため、私自身は、1年生の「だじゃれ王国 なぞなぞ動物園」と、2年生の「ちゃっかりこぞうはまるもうけ?」を担当させていただくことになりました。

 

「ちゃっかりこぞうはまるもうけ?」も、西洋の昔話ですが、リズミカルな繰り返しの楽しい絵本です。

さらに、なぞなぞは、みんな大好きで大盛り上がり!

とても楽しいおはなし会となりました。

 

 


小さな奇跡

2017年06月19日 | 読書・読み聞かせ

小学校では、いよいよ今週から水泳の授業が始まります。

そのせいでしょうか、息子の調子が悪くなってきました。

昨日も息子は一日中落ち着かない様子で、リビングを100均ボールを蹴りながらぐるぐる回っているか、疲れて自分の部屋のベッドで寝ているかでした。

 

私は、前日に受けた眼底検査のせいで、まだ目がひりつき、目やにが多く出て目に膜が張っているような感じで、目の違和感に悩まされながら過ごしていました。

 

そんな状態でしたので、主人にネットで予約しておいた本を図書館に取りに行ってもらい、帰りに、「父の日」だからと、好みのショートケーキを選んで買ってきてもらいました。

毎年「父の日」恒例になっていた「焼肉」は、前倒しで先週、ばあばと一緒に食べに行ってきたので、昨日はケーキでお茶するだけになりました。

息子は、先週の後半ぐらいから調子が悪くなっていたので、プレゼント代わりのお手紙も「書けない」「考えられない」と、言っていました。

辛うじて、3人揃ってケーキを食べること、それが息子の精一杯でした。

 

「落ち着かへん。何も考えられへん。。。」

父親が自分の部屋に戻っていなくなると、息子が泣きそうな顔をしてぎゅ~っとハグしにきました。

 

「リスパダール、飲んでみる?」

 

最近は夜中に落ち着かなかったりもして、この3日間、連続でリスパダール内服液を飲ませることになりました。

 

「宿題したいのに、出来へん・・・。」

苦しそうな息子。

代わってあげたくても、出来ないのです。

 

「そっか。。。

そのうち薬が効いてくるわ。

それまで本でも読まへん?

ママ、読むから聞いててや。」

 

図書館から借りてきたばかりの本を1冊取り出して、読みました。

 

「ばあばは、だいじょうぶ」 楠章子 作 いしいつとむ 絵

 

それは、認知症になったばあばのことを、孫の視点から描いた絵本でした。

読み進めるうちに、眼底検査のために赤かった私の目がさらに真っ赤になって、涙がこぼれてしまいました。

 

「じいじのことを思い出してな・・・。

じいじも脳の病気で、記憶がなくなったり、病院や施設から出ていって行方不明になって何度も探したりしたから・・・。」

 

この話のつばさ君のように、私も父に感じてしまった戸惑いや苛立ち、そして、消えてしまう記憶をなんとか留めようとして、父が子どもや孫の名前・誕生日などを書き記したメモを見て泣いた日。。。

 

色々あるね。

生きていると、色々あるんよ。。。

〇〇は、小さな時から不安と闘うことになったけど、だからこそ、きっと強くて優しい大人になると思う。

〇〇のように心の病気と闘う子。体の病気と闘う子。

この前、テレビの番組に、生まれてから一度も口から食べ物を食べたことがない子が出てた。

その子は、腸の病気で、腸から栄養を取ることが出来へんねんて。

だから、ご飯の代わりに点滴で栄養取ってるねん。

病気じゃなくても、お父さんやお母さんがいなくなって、不安や寂しさと闘ってる子もいる。

子どもの時には大きな悩みがなかっても、大人になって悩む人。

30代とか、40代とか、・・・じいじみたいに60代になって急に病気になる人もいる。

生きていたら、どっかで大きな困難が出てきて、どっかで闘わなあかん。

そうして、乗り越えていくねん。」

 

気が付けば、息子も泣いていました。

 

「〇〇は、何でこんな不安なんやろって、子どもやのに大変やと思うけど、その代わり、〇〇にはママや父ちゃんがいつでも付いてる。

だいじょうぶやで。

だいじょうぶ、って、心から思えるようになるで。」

 

もう1冊、本を読みました。

 

「生きる」谷川俊太郎 詩 岡本よしろう 絵

 

「生きていること

いま生きているということ・・・」

あの有名な谷川さんの「生きる」という詩に、岡本さんが丁寧に描いたありふれた日常の一コマ一コマ。

いま生きていることが、大切で愛おしくなってきます。

 

「〇〇が不安なのも、生きてるってこと。

こうして一緒に涙を流すのも、生きてるってこと。

〇〇が生きててよかった

こうして一緒におれるもん。

ママも生きててよかった。

今ここに〇〇と一緒におれるもん。」

 

息子が大きくなったので、最近は読み聞かせをすることはほとんどなくなってしまいました。

それでも、毎週必ず図書館から数冊の本を借り続けてきました。

息子が興味を持てば、自分で読んだり私が読み聞かせたりするのですが、そんなことは、月に一度、いや2ヶ月に一度もなかったかもしれません。

それでも、こんなことが起きるのです。

 

これらの本を借りていてよかった。

大切なことを、息子に伝えることが出来てよかった。

 


「青い鳥」

2017年02月20日 | 読書・読み聞かせ

重松清さんの「青い鳥」を読みました。

 

中学の非常勤講師、村内先生は、吃音で言葉がつっかえ、うまく話すことが出来ません。

そんな先生が国語の臨時教員として赴任してきたことに、生徒達は驚き呆れてしまいます。

村内先生が、言葉につっかえながら一生懸命伝える「たいせつなこと」とは・・・。

 

中学生という揺れる年代。

場面緘黙症の少女、教師を衝動的に刺してしまった少年、いじめの加害者になってしまった生徒達、父親の自殺に苦しむ少年、等、合計7編の、悩んでもがいて苦しんでいる中学生に「たいせつなこと」を伝えるお話と、最後の1編は、教え子である生徒が大人になって恩師に再会するお話でした。

 

読んでいて切ないくらい苦しい思いをしている子ども達。

村内先生は、吃音ゆえ、思いを伝えられない苦しさを誰よりも分かっています。

 

話したくなくて口を閉ざしているのではない。

声を出したいのに、口が動かない。口が動いても息が出ない。息を出しても声にならない。

吃音でなくても、どう話せばいいのか、どうすればいいのか分からなくて、孤独のままただ思いを殺して生きている子ども達がいます。

 

村内先生は、そんな子ども達の前に臨時教員として現れて、彼らに寄り添い、本当の気持ちを理解しようとし、「そばにいること」「ひとりぼっちじゃないこと」を伝えようとします。

「先生は、ひとりぼっちの。子の。そばにいる、もう1人の、ひとりぼっちになりたいんだ。だから、先生は、先生をやってるんだ」

吃音で教師には向いていないと思われる村内先生が、教師を続ける理由です。

 

「たいせつなことと、正しいことって、違うんですか?」

生徒がそう問いかける場面があります。

 

村内先生は、「よく分からないけど・・・」とした上で、

「たいせつじゃないけど、正しいこと、あるよな。

しょうがなくても正しいこと、やっぱりあるし、ほんとうは間違っているのに正しいことも、あるよな。

正しくなくてもたいせつなことだって、あるんだ。

でも、たいせつじゃない、たいせつなことは、絶対にないんだ。」

恐らく何度もつっかえながらだと思いますが、そう答えました。

 

村内先生が子ども達に伝えてきた「たいせつなこと」

その言葉の奥に脈打っているのは、

「誰もが、そして、あなた自身が大切な存在なんだよ」ということだと思います。

 

そのことを伝えて、また次の学校へと去っていく、村内先生こそが「青い鳥」だったのでした。