耐久消費財

　いつまでも先延ばしできない。一大決心である。車を買い替えることにした。迷いの一番は果たして後何年乗るかである。次の車検で13年になるので税金は上がる。タイヤや駆動用バッテリーまで寿命がくる恐れがあるとのこと。しかし12年も過ぎて一度も故障が無い。燃費もリッター20ｋｍは超える。加速も新車時と殆ど変わらない。つまり現状には何の不満も無いのである。しかし何れは乗り換えが必要となる。乗り換え時期をあまり延ばすと次の新車に乗る期間が勿体ないほど短くなる可能性もゼロではない。街を走る車はレクサスとかベンツといった高級車がやたら多い。今は下取り価格がほぼ決まっており購入時の価格との差だけが負担となる為5年くらいで結構乗り換えるらしい。500万の車でも300万の下取りであれば200万円で購入したことと同じだ。

顔馴染みのディーラーに行ってきた。今プリウスに乗っているがお隣のアフガン家族が最初は同じ型で同じ色のプリウスに乗っていた。最近プリウスの新しい機種に乗り換えた。今やプリウスも高級車の部類に入るくらい高い。最初は難民の人かと思っていたが結構お金持ちのようだ。競いあっている場合ではない。負け。

ここは大衆車で最も平凡なカローラにするか。思えば50年ほど前最初に乗った車がカローラである。原点回帰も悪くない。ランクを上げながら車の乗り換えをするピークは過ぎている。最近の車は驚くほど安全装備が充実しているのも買い替えの理由にはなる。耐久消費財を買う時はどうしても残りの人生と比較してしまう。反対側お隣のご夫婦は年恰好は同じだが家を売って手頃なマンションに引っ越しするとのこと。永く住んでいたが夫婦二人には必要のない家だとのこと。駅近、コンビニ、医院、スーパー、保育園、小学校全て至近距離にある。直ぐ買い手がつくだろう。しかし終活だろうか思い切った決断をするものである。耐久消費財はもう何も買わない。こちらは目立たず静かに終活に向かっている。