太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

腑に落ちない生産性

2021-06-20 07:45:38 | 社会観察
 最近よく耳にする経済関連ニュースで日本の生産性の低さがある。先のG7に合わせて報じられたのがG7の中で日本の生産性は最下位とのこと。イタリアや韓国などにも負けている。余程日本は怠惰で非効率の国だと思ってしまう。昨日は市民講座の日であった。タイトルは『生産性とイノベーションの創発』だった。もはや生産に関しては消費くらいしか貢献(それも僅か)していない高齢者が熱心に聞き入る。講師は現役の女性教授で経済学者、政府の審議会委員も務め著書も多く気鋭の学者である(しかも美形)。何故日本は生産性が低いのか、高くするための方策はなにかといった内容の講義であった。
 国民一人当たりのGDP(生み出した付加価値の額)は生産性を示す指標であり労働生産性と資本生産性の関数で表される。生産性を上げる為には有形資産(土地、建物、機械設備など)とともに無形資産(特許、商標権、著作権、ノウハウなど)への投資が重要であるが日本はこの無形資産への投資が遅れているという。またデジタル経済の進展ではICT(情報通信技術)の利活用が不可欠だがこの分野の人材投資、インフラ投資も遅れたとのこと。生産性が低い指標は幾つか指摘されそれらを改善すれば良いといのは理解できたが最後はビジネスダイナミズムがキーとなるというわけの分からない結論だった。振り返ると生産性の低さを煽って、もっと働けと言っている経済界や政府のための御用学者のような気がしてきたのは思い過ごしか。浅学の身を許して頂きたい。最後に日頃不思議に思っている質問をぶつけてみた。
 国や企業で1000人が付加価値1を生み出すところと100人が同じく1を生み出すのでは生産性は後者の方が高いと思いますが、片方は1000人が暮らし、片方は同じ生活レベルで100人しか暮らしていない。それらをに序列、優劣をつけることはできないように思いますが?答えは長広舌で意味不明だったが、1000人の方が生産性を高めて余剰人員は他の付加価値創造に回すといったようなものだった。聞いているのは余剰の問題ではなく、今そこにつけられた順位の妥当性なのだが。ひとつのことをやり続ければ専門家にはなれるという勇気を貰った講義である。サラリーマンは毎日臨機応変に違う事をやらなければならないから決して専門家にも学者にもならない。国会の参考人という晴れがましい写真を撮るチャンスもない。