goo blog サービス終了のお知らせ 

ゆっくりかえろう

散歩と料理

ブログ中の画像・文章の無断使用を禁じます。

現代百物語 生霊

2013-05-23 | 読書
岩井志麻子氏著
百物語に範をとった作者のネタ帖の中身みたいなもの 現代の都市伝説とちょっと不思議話集。

中身は作者の趣味なのか 風俗の女 嘘つき 生霊 引き籠り 頭のおかしい人にストーカーなど わりと偏ってます。

っていうかこの人ダイナミックな人生送っているなぁと思います。

西原さんとは違う意味で凄みがあります。話は起承転結がなく怖かった人の経験談ですからストーリーのある怪談話とは違います。

最初はあまり興味をそそりませんでしたが読み進むごとにはまっていきます。

作者は霊感がないと仰いますが、内容からは十分あると感ぜられます。

ただちっとも怖がってなくて笑いとばしている所が本を明るくしています。

時輪の轍 千里伝

2013-05-15 | 読書
仁木英之氏著
千里伝二話め 全話では次元の歪みを直す旅に出る一行でしたがこんどは時空館の歪みと揺らぎを治す旅

時計の針がかってに回って 青年が老人や赤ん坊に変わる事件が多発し

このままでは 時間が逆転し世界は 始原に戻ってしまう。

そうならないように お馴染みの一行がまた集まって戦います。

今度は前回敵だった異界の王子も加わり 最強のメンバーですが

相手も人間ではなく神でもなく 神仙でもない強敵で苦労します。

例によって 悪い仙人が暗躍しカンフーアクションあり 超能力合戦ありの ドラゴンボール的な世界が始まります。

今のロールプレイイングゲームに馴染んだ世代には理解し易く

前回のお話を読んでいれば 登場人物も覚えやすく ドラゴンボールを思い浮かべれば

キャラクターを当てはめて楽しむことも出来ます。

今回は千里の初恋あり 三人の皮肉で残酷な未来を見せてくれたりと 飽きさせない内容です。
作者の代表作 僕僕先生ののんびりまったりした世界とは反対の 闘う勇ましい世界がそこにあります。

最初のページは登場人物の説明が書いてあり これを見ながら読むと便利です。

唐傘小風の幽霊事件帖

2013-05-12 | 読書
高橋由太氏著
子供向け読み物と思われます。作品の選択を間違えました。

作品世界に入り込めず 字面を追うばかりで最後まで 読んでしまいました。

ちょうど子供向け漫画の原作本という感じ 質の高い笑いや 感動が自分には感じられず

上滑りのまま読み終えました。

自分の浅い理解力では歯が立ちません。

同じ作者の違う作品を読んで再トライしてみたいです。

一鬼夜行 枯れずの鬼灯

2013-05-07 | 読書
小松エメル氏著
待望の一鬼夜行シリーズ四作目。

回を重ねて段々中身が濃く味わい深くなる本作ですが、今作はまた特にキャストが絞られて

必要最低人数で話が構成されます。

反対に妖怪は最多数ですが これは物語に関係の薄い端役ばかり

ストーリーの大半は 主人公喜蔵さんと 副主人公の猫又小春のやり取りと

四作目だけのコーナー主人公千代乃と半妖怪の藤波で構成されます。

でもこれが又 内容的に濃く充分に楽しめます。

物語は不老不死を得るというアマビエを得る為、妖怪達が血みどろの戦争を繰り広げ

これを取り締まる為 異界から降りてくる小春 それを手助けしようとする喜蔵

そして不老不死の鍵を握る枯れずの鬼灯をめぐるラブストーリー。

最後半 物語の説明の為ややもたつきますが これは構成上仕方ないこと

作者が如何にこの物話を大事にしているか分かります。

ここに来て 一作目から話が繋がりを見せているエピソードが語られ

今後の展開の波乱まで含めた期待と不安まできっちりと描かれ終わり、

正に書き下ろしらしい 整合性のある気持ちのいい終わり方です。

天狗風 霊験お初捕物控 2

2013-05-04 | 読書
 宮部みゆき氏著
 オカルト捕り物帖という新しいジャンル。前作短編 迷い鳩と騒ぐ刀に続き
 長編震える岩そして四作目がこの天狗風
 650ページあまりの長編は 内容の割には 薄いかなと感じました。

 テーマは神隠しのお話なのですが オカルト部分と推理部分で全く離れており
 妖怪の犯人と 推理部分は心を病んだ男の犯人の両方立てで お話は展開します

 出だしが面白くワクワクさせてくれるのですが 中がすこし停滞して 最後の100ページ
 位でまた活発に動きます

 宮部作品ですからできはいいのですが せっかちな私などは もう少し速い展開が
 好きなので つい愚痴をもらしてしまいます

 とはいうものの 変に話をこね回すことなく 素直なストーリー展開は正攻法の
 よい部分です。

 四作目を読んでいて思ったのですが 家の食堂を手伝っているお初さん(主人公)
 ですが お奉行様のお言い付けとはいえ そんなに頻繁に出歩いて 家の仕事に
 支障は出ないのだろうかと すこし心配が出ました

 その動機はいつも同じで 突然の霊視体験と 実際の現実の事件をつなぐ いわれつきの
 品物(この作品の場合は着物)から始まります

 新しいキャラクター 喋る猫は今回限りらしく 最後には何処かへ行ってしまい
 残念ですが キャラクターに頼らず あくまでもストーリーで押してゆこうという
 作者の意気込みを感じます

 題名の天狗風ですが 宮部さんの解釈で あの赤い鼻の天狗さんは出てきません
 この辺が滑稽話に話を持っていかない 宮部作品の特徴であり生真面目さになって
 現れているのかもしれません

 長い話で最後の締めくくりが あっさりしすぎていて やや肩透かし気味ですが
 中にはこういうエピローグがあってもいいのかな

だまし食材天国

2013-04-30 | 読書
 武井義雄氏著
 著者はアメリカ在住の医師で文筆家

日本のおかしな食の行政や制度を具体的な食材を挙げて

消費者に騙されないよう 注意喚起されています。

 海外から眺めて 日本の食品行政について おかしなやり方が

 よく見えるようで、そういう視点から 主に食肉 魚 ペットボトルの水

 など紛らわしい表示 だましと受け取られてもいいような 事柄を説明されています

 具体的にいうなら 和牛の表示の紛らわしさ 偽ものが出かねない行政の怪しさなど

 豚についても 鳥についても 輸入の魚についても書かれています

 海外にいると 消費者に分かりやすい表示で 何の疑問もいだかないで

 本当に欲しいものが手に入る 或いは違った魚なら ちゃんと表示される

 こうう環境にあって 日本の行政が いかに間違いを正さず お上 自ら

 紛らわしい表示に手を貸しているのではないかと いうことを暗に指摘されています

 日本を愛する気持ちから 日本の行政のおかしさを憤り 消費者にだまされないようにと

 警告されているのです

 ただ惜しむらくは 海外に居られるせいか リアルな視点が抜けており 

 商品の紛らわしさの具体的な弊害については資料に乏しく

 もう一歩踏み込んで書かれれば 読者はもっと分かりやすく

 共感もしやすいのにと思いました。

 それと これは余計なことですが 個人的に思ったのは

 自分がいかにいいものを食べていて 本物が分かると 

 言われているように感じて やや嫌な感じがしました


 とはいうものの 自分の書いたものを振り返って 同じ過ちを犯していないかと

 考えると 他人事ではなく 自分も同じことをやっていると気がつきます。

 こういう風に 感想文を書いてみないと 分からない事柄もあるもんなのですねぇ


 

 

 

 
 

鳥頭紀行 ジャングル編

2013-04-21 | 読書
西原理恵子 勝谷誠彦共著
半分文章半分漫画の酔っ払い釣り紀行 真面目にやらず 何がなんだか分かりませんが

釣りをやらないものには却って面白いかも。

開高健氏の名著 フィッシュオンのパロディくさいですが

それは見事に果たされていると思います。

二頭身のキャラクターは かつてのパタリロや 進め!パイレーツを彷彿とさせるもので

作画は天才の領域なのではないかと思います。

兎に角面白く どんなネタでも笑わせてしまう上手さがあります。

今時 辛口でブラックで 我が儘なネタで勝負できる作者は そうはいないでしょう。

反対に勝谷氏はTVで発言しているのとあまりに違う人物像に違和感があります。

TVじゃもっと賢そうで物知りで 攻撃的で 皮肉屋のキャラなのに。

まるで別人のように映ります。

サイバラが余りに開けっぴろげで 正直なので ギャップが目立ちます。

しりとりえっせい

2013-04-10 | 読書
中島らも氏著
興味深いエッセイです。

お題をしりとりにして繋げてあり それについて書くという作業は

話題豊富な如何にもプロの仕事らしい。

話がとても面白く 爆笑するときと クスっともしない時があり 差を感じますが

よく考えたら 何も笑わせる必要も オチをつける必要もないのです。

関西人のサガなのか 読み方が偏っていると 自分のことを反省しているところです。


こんな調子で 文章を書いていたのかと過去の読後文を読み返してみると 冷や汗が出ました。

ところで 爆笑する時のエッセイは何かと 種明かしをしてみると 酒場の話

落語家さんのエピソード そして下ネタと 我が身の軽薄さに再度冷や汗が出ます。

しかし関西の芸人さんのエピソードは面白すぎ 反則です。

それともう一つ らもさんがとても読書家なのにも感心しました。

よく本を読んでおられます。

そしてそれが身になってます。無頼派らしい所も 要注目です。

実物をTVで拝見しているだけに 文章を読んでその印象の違いには 驚きますけど。

東京と大阪・「味」のなるほど比較事典

2013-04-09 | 読書
 前垣和義氏著
  副題 味の好み・料理法・食べ方からネーミングの違いまで
 著者は大阪文化研究家として 東京と大阪の文化比較を中心に 研究しておられ
 特に食文化について詳しく 今まで読んだ食文化についての 比較の読み物としては
 いちばんしっくりくる文章でした

 私の立ち位置が西よりですから そうであって 東よりの人から見れば
 やや違和感を感じられることがあるかもしれません
 作者は膨大な資料の中から 興味深い事柄 また日ごろ疑問に思っている事象など
 分かりやすい文章で 作例を交えながら 語ってくれます

 異説俗説なども交えながら 江戸気質 大阪人気質も語ってくれます

 東京と大阪 規模や経済 政治などあらゆる面で 今では較べる比ではない
 東西の比較ですが こと文化特に 食文化になると これは対等で語っても
 おかしくないくらい 中身の濃い話題になると思います

 今まで間違って覚えていたこと 思い込んでいたことなども 分かりやすく
 間違いの糸を解いてくれます

 こういう本はいつの時代になっても 新しく作られますが 時代を超えれば
 また新説が出て 読むものを飽きさせません

   
 
  

花守り鬼 - 一鬼夜行

2013-03-26 | 読書

 小松エメル氏著 シリーズ三作目 書き下ろし

 心優しく顔は妖怪にさえ怖がられる骨董屋の喜蔵さんと 妖怪猫又鬼小春ちゃんの友情物語 。
 
主人公の優しさは 無口で無愛想なのに 友人の皆さんはちゃんと分かっています。

だけど一番分かって欲しい妹 深雪さんだけには伝わらず お互い優しさの行き違いが事件を生んで
物語を作ります。
 
傷つき易く優しい、だからこそ自分の殻に閉じこもってしまう喜蔵さんと深雪さん

それを周りの友人と妖怪達が、わだかまりを解いてやるのに手助けする
優しさに溢れる不思議なファンタジーです。

時代は明治初期だけど 微妙に江戸時代劇だし 骨董や日本神話の知識など妙に
マニアックなところが良い。

登場人物が必要最低限で整理されていて 分かり易いのも良い。

事件は毎回起こりますが 嫌なものではありません。

今回は夢現(うつつ)のお花見のお話です。


新耳袋 1

2013-03-19 | 読書
  木原浩勝 中山市朗 著
 
 本家 耳袋というのは 江戸時代に書かれた 怪異談 妖異談集
 これをお手本として 昭和の日本 主に関西地方の話が集められています

 実際の地名が出ていたりして かなりリアルですが
 ひたすら話だけ集めたものなので 脚色性がなく したがって起承転結も
 おちもありません。

 宮部みゆきさんの作品にも 江戸時代を舞台に 耳袋を下敷きにした作品がありますが これはちゃんとした小説の形になっています
 
 こういったものは もっと昔からあって 日本霊異記とか そういった類の作品です
 新耳袋に関しては 一番似ていると思ったのは 遠野物語でした

 平成の今なら 都市伝説でしょうか
 
 件(くだん)の話などは 詳しく書いた本が少なく とても貴重です
 そういえば 前に読んだ 岩井志麻子さんの作品集にも件の話が出てきます

 私には件の話が一番怖かったです。

震える岩

2013-02-16 | 読書
宮部みゆき氏著
副題を霊験お初捕物控という 前に読んだ短編の続きが長編になったものです。

話はゆるゆると進みますが中身は 短編と同じくらいかな。

それくらい短編は展開が早く 読者はついていけず
長編のスピードがちょうどいいかも。400頁があっというまです

書く方も 短編は体力的にきついと思います。

それにしても才能が溢れる程の希有な人だと感います。

最後の10ページは展開が早く 読者は「やられた!」と悔しがるかも。

掻い摘んで話すと 時代劇ファンタジー推理小説。

題材は浅野内匠頭の切腹と赤穂浪士を 権力者への抵抗の面から考えたもの。

こういったお話しは少なくないですが 切り取り方が斬新で 宮部さんらしい

そういえば 因縁話の題材は 江戸時代の怪談集「耳袋」からです

秋の牢獄

2013-02-06 | 読書
恒川光太郎氏著
 前作 夜市から 見事な発展を遂げた短編集。

 作品世界は 空間に閉じ込められ さまようといういつものパターン。

 表題の秋の牢獄は時間に閉じ込められるお話。
 他に 不思議な家に閉じ込められるお話と
 自分の精神世界に閉じこもり やがて自ら解放していく異能者のお話

 閉じられた空間は メビウスの帯であって 無限の長さがありますが
 出口がない。

 しかしどのお話も 主人公は慌てることも 嘆くこともなく
 その世界を楽しむ余裕があるという 一般人から見れば
 不思議な特徴を持っています。
 どの作品の世界にも 旅性があり 美しい情景を楽しませてくれます

 作品世界は 受賞作夜市より 同時に収録されていた 風の道
 鬼や妖怪の街道の話が その全部の共通項になっていると思うのです

 作者は幾つかの世界を見せてくれますがいつもの明るい調子と
 気負いのない文章ですらすらと読みやすい特徴を持っています。

 前作夜市が気に入った読者なら きっと期待を裏切らない作品集だと思います。 

大阪の神々

2013-01-29 | 読書
わかぎゑふ氏著
 ごった煮的大阪人を 神様という括りで上手に 説明しています。

 読んでいて クスッと笑ったり 反対にホロッとしたりしましたが
大阪人と大阪人が好きな人以外は 退屈かもしれません。

 神様といっても阪神タイガースや豊臣秀吉 宝塚 お父ちゃん
お母ちゃんです(恵比寿さまだけは本物)
 かつてこれほど大阪人神戸人京都人の違いを上手に説明した文章を知りません。

 そしてヨシモト的ではない本物の大阪の人の生の姿が語られています。

 作者は落語家さんとお付き合いがあるせいか 江戸時代の大阪の事情にも詳しく
しかも大阪生まれ大阪育ちため 生の大阪人気質を語ってくれます。

蕎麦ときしめん

2013-01-14 | 読書
 清水義範氏著
 パスティーシュという手法での小説 フランス語でのパロディのことだそうです

 手法は判りましたが 話の持っていき方や 内容に興味がなく
 いまいち楽しめませんでした。

 名古屋と東京の比較文化論でありながら名古屋人へのオマージュであったりと
 名古屋人には楽しめるのかもしれませんが 残念ながら私の琴線には触れません
 
 笑いのポイントがj自分とは違うようです。

 一部自虐的と思われる部分があり どうして自虐的になるのかが分かりません
 たぶん名古屋人が東京人のみに働く作用なのでしょう

 そこを恥ずかしいと思うのが名古屋人で 思わないのが関西人
 改めて関西人(大阪人?)の特異性を再確認するのでした