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ゆっくりかえろう

散歩と料理

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チチンプイプイ

2013-07-26 | 読書
宮部みゆき 室井滋 共著
女優室井滋さんと作家宮部みゆきさん 異色の組み合わせの 対談集

この二人 仕事も立場も違うけど さっぱりとした性格や 明るい所

古風なところなど 案外似ています。

対談が進むごとに お互いに仲がよくなり 楽しい雰囲気になります。

やはりお互いの裏話が面白いです。室井さんは作家の才能もおありのようです。

宮部さんは 作家の枠を絶対外れないのが プロ意識を感じました。

仲良しの会話がつまっていて最後まで楽しく読めます。

風たちぬ

2013-07-24 | 読書
風たちぬのCMが頻繁にTVで流れています。プロモーションビデオでは 帽子を飛ばす場面が印象的ですが
西條八十の霧積の詩を想わせ 更にそれを引用したCMを流した 森村誠一さんの作品を映画にした「人間の証明」それのテーマソング ジョー山中さんの物悲しい声が 一緒に頭のなかで繋がりました。 もしかすると プロモーションビデオを流した人は 同じことを狙ったのかも知れませんが
考え過ぎかな。実際流れているのは荒井由美の頃のひこうきぐもですしね。

今度の作品は大人に送るジブリだそうです。

いなづま砂絵 なめくじ長屋捕り物さわぎ

2013-07-22 | 読書
都筑道夫氏著
作者が畠中恵さんのお師匠様で 彼女が作中の主人公センセーに

恋していると書かれているので 興味を持って読んでみました。
でも残念ながら私は興味をそそられませんでした。
(恋しているのはセンセーではなく先生かも?)作者は作中の言葉に拘りがおありのようで 自分なりの決まりをお持ちのようです。
それがcmをせんちめーとるとわざわざ書いたり センセーの台詞回しが独特だったりします。

お話は 江戸のなめくじ長屋に住まうセンセーと仲間の人たちの物語

勧善懲悪でもなく 商売でもなく 少しばかりのその日の酒代をいただいて
事件の謎解きをします。(要領よく岡っ引きの上前をはねる感じ)
この辺に「粋」を感じる人 感じない人の線引きが表れると思います。

私には緊迫感がなく どこまでも脳天気な人たちの物語に見えて 合いませんでした。

気楽に物語りを楽しむ人向けの作品なのでしょう。
私はハラハラドキドキが好みですから。

桜大の不思議の森

2013-07-21 | 読書
香月日輪氏著 初期短編 黒沼の続編

今作は前作のような怪談話ではなく 美しいふる里がテーマのファンタジーです。

作者のふる里への望郷の念が作品に現れています。

設定では日本のどこかの田舎となっていますが 柔らかい言葉使いから想像しますと

和歌山の山奥 熊野街道のどこかのような気がします。

岩魚が穫れる場所なら 護摩壇山の峰近く あの辺なら神のおわす場所に相応しい。

ただし今は、ここの岩魚は天然記念物になってしまいました。

今作は妖怪アパートシリーズの原型のような作品です。

ただ主人公が微妙に違うので いっそのこと同じにしてしまえば 整合性が保たれたのですが 惜しいところです。

でも此方の話の方が真実味があって私は親しみ易くとてもいい話だと思いました。


「超」怖い話Λ(ラムダ)

2013-07-15 | 読書
加藤一編著

実話怪談集 全国から集められた怖い話しの選り抜き。

実話とすればかなり怖いです。世の中には 怖い体験をした人が多いものですね

短い話ばかりであとを引くことがなく すっきりして精神衛生的には よろしいかと思います。

一気に読むことをお勧めします。読んですぐ忘れる 鶏アタマ的読書法が楽しめるコツです。

編者も書いておられます。縁起の宜しくない本だと。でも面白い。

もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ

2013-07-11 | 読書
高橋由太氏著
新しい時代劇の書き手のようですね。

ストーリーの展開が早く アクション場面がダイナミックで しかもオカルトものと面白い内容です。

ただ台詞が現代調で男女の書き分けがわかりにくく 少年漫画のシナリオみたいな印象です。

文章表現も独特で 断定表現が怖いのか どちらでもあってどちらでもない というような当たり障りのない表現方法が やたら目立ちます。

資料などはよく調べてあり 内容的に濃いものです。

書き手に最近のネット世代を感じます。時代遅れな私は追いつけないですが

今の新しい世代には 面白くピッタリの作品だと思います。

会話が会話になっていなくて 独り言の連続にみえるのは 私の頭が古くなったのだと感じます。

これからはこういう作品が増えていくんでしょうか?

ちょっとあせりを感じました。

黒沼

2013-07-10 | 読書
香月日輪氏著
少年ノベルながら 大人の読書になる好著。

一連の妖怪アパートシリーズの作者の 本当の実力の片鱗が垣間見られます。

形は所謂 学校の怪談ものですが 怖いだけではない 作者の考えや 教訓みたいなものが感じられます。

地に足が着いたリアルさが 長編シリーズよりも感じられ、黒沼や猫屋には実際に行ってみたいと思うくらいです。

お化けや幽霊 或いは何だか分からないもの かたちにならないけど

怖いものの話がいっぱい出て来て 読み応えがあります。

怪談は本気で怖く ファンタジーはほのぼのとしてる。

この路線で書いて戴いたら もっと嬉しいです。とても上手な方ですね。

きれいな食べ方

2013-07-01 | 読書
ミニマル+BLOCKBURTER 著

外食の際 分かり難い料理の食べ方や飲食店でのマナー そしてやってはいけないやり方など 参考になります。

イラストが半分以上を占め 自動車教習所の交通教本を想像すると一番近いと思います。

本の中身と値段を較べると どうかなあ?と一瞬思いますが 読んでみると 専門料理や 普段疑問に思っていて

知らなかった食べ方 マナーなど 有益な情報も多く 簡単なことでも 人に聞けない現代人の虚をついた 隙間を埋めるちょっとした知識が詰まっています。

実用書でネタ本として 蔵書にしたい本です。 中身は定番のフレンチ、イタリアン、日本料理などの他タイ料理のマナーインド料理のマナー の恥をかかないくらいの浅く広い知識が書かれています。

面白いのは たこ焼きの食べ方とかサムギョプサルの食べ方など きれいに食べるのが難しい食べ方もあって面白い。

ただ知っているマナー食べ方も沢山掲載されていて 一冊読むのに 一時間かからない位のライトな本です。

情報は少ないですが 足で稼いだ価値ある情報で 値打ちは評価できます。

増量・誰も知らない名言集イラスト入り

2013-06-26 | 読書
 リリー・フランキー氏著

 雑誌のコラムの連載を集めたもの 一つ一つは短いけれど それが集まれば本になる

 作者の本は読んだことがなくて これが初めてです

 CMで見る人物は相当いい印象があって楽しみでしたが この本はいただけません

 すごくくだらない話ばかり おそらく雑誌の短いコラムならこれでもインパクトが

 弱かったんでしょうが これだけ集まると かなり醜悪です

 人から聞いた話 実際の友人の恥ずかしい話(中には実名も或る)の数々

 しかも大半は下ネタのオンパレード。

 常に自分だけは第三者で 人を笑う側においてあり、読後感がよくありません

 きっとこの作者は もっと違う作品も書かれるんだと思います。

 もう一冊、読んでみましょう。きっともっと読後感のいい作品を

 書かれると思います。悪口をかかれたほうは いい気はしません

 たまには自分が笑われてみれば?と勝手に憤慨しました
 

アイスクリン強し

2013-06-21 | 読書
畠中恵氏著
明治維新 旧旗本の子弟達の青春群像を描きます
難しいテーマをよく取材しています
主人公は 維新後 ひとり奮闘する洋菓子職人と 旧旗本の子弟で今は巡査となった青年の二人。恋アリ推理ありアクションありと 女性好みの内容で 話の作りや設定も 少女マンガと同じにおいがします

思い出したのは漫画の名作「はいからさんが通る」でした。
中身もあんな感じです。
お話はしっかりしていますし こういう世界が好きな人には 理想の展開です。
青年の描き方が 若い女性の理想的なパターンを踏んでおり 実際の男性ならこういう動きはしないとか こういうふざけ方考え方はしないのになぁという場面が多いです

元少女漫画家さんらしい作品

しゃばけの世界のほうが ひと皮剥けた作品になっていると思いました

青春群像なら 同じ作者の「こころげそう」のほうがよりリアルで自然だと思いますが世のファンに応えるのも作家ですしね。

下町不思議町物語

2013-06-18 | 読書
香月日輪氏著
筆者の作品は妖怪アパートにしても 大江戸瓦版にしても 背景は違っても

中身はたいへんよく似ています。でも今作品が一番しっくりきて 私は好きです。

関西弁という作家の内なる言葉が台詞になっており

書きやすく読む側も関西人なので受け入れ易いからかも。

ただ全国区として標準語が強く 人気作品としては妖怪アパートになるのでしょう。

それに人気作品になるには キャラクターが 作家の手を離れ一人歩きするくらいにならないと いけません

人気作品は作家と読者で作るものだと思います。

今作品はキャラクターの誇張が少なく 私はこっちの方が真実味があって好きです。

続編が出たので探してみます。児童文学ながら大人が泣ける作品ですね。

戦前の恐い話

2013-06-12 | 読書
志村有弘氏著  かなり恐い怪談

明治 大正 昭和初期の記録に残っている 実話怪談集

前半は怪談ですが、後半は奇談が多く 乱歩調の猟奇殺人あり 刑事事件ありと

恐いというより気持ちの悪い話が多いです。

今でいう スプラッタものですね。

私は首切り事件などのスプラッタものは苦手です。

最後まで読み終えるが 大変でした。

そっち方面が好きな人にはいいかもしれません 

現代百物語

2013-06-10 | 読書
岩井志麻子氏著 これが第一弾 怪談集というより気持ち悪い話 奇妙な話集

岩井志麻子氏がどんな人か知るためのエッセイとしたらすごく面白く読めます。

交友の偏りとか ものの見方 人の観察方法など独自の世界をお持ちで そこが面白いです。

そして等身大の成熟した大人の女性を感じますし 怪談集だと期待せず

ちょっと変わったエッセイ集だと思えばたいへん面白く読めます。

彼女の作品 「ぼっけいきょうてい」は凄く怖くて優れた作品ですけど

今作はスリラーを読む前の食前酒かな。

あかんべえ 上・下

2013-06-04 | 読書
宮部みゆき氏著
時代劇心霊ファンタジー 幽霊さんが沢山出てきますが 怖くないです。

(ただし登場人物は 大いに怖がります)

善と悪 過去と今が絡みあい 幽霊の因縁話と 親子兄弟 夫婦の絆が語られます。

いつもの宮部作品に登場する 気遣いが細やかで優しい理想的な女性は現れず

欲望の強いアクの強い登場人物が多く そこがリアルです。これこそが世間なのです。

沢山出てくる幽霊より 人間の方が恐ろしく そんな人こそ悪霊になるというお話です。

丁寧な心理描写はいいのですが上下巻合わせて700頁あまりの紙数は

あまりに長く感じられ せっかちな自分には ちょっときつかったですが

じっくり読み込むタイプの読者にはピッタリかも。

主人公は霊が見える能力者ですが それを明かさず だからこそ 派手なお話にならず

纏まりを見せてています。

今時流行りの冒険ファンタジーを期待するとちょっと違うかも。

最後の解決場面は時代劇なのに 裁判劇をみたいな展開になり うまく謎解きと解決をしてくれます。

読み応えアリ

平成お徒歩日記

2013-05-27 | 読書
宮部みゆき氏著

宮部みゆき氏による 江戸散歩ガイド 最初はあまり筆が載りませんが

回が進むごとに作者の筆が載ってきて 面白くなります。

こういうおどけた書き方をされるのは 初めて見るので 新鮮です。

下町で育った人感が出ていて 好ましいです(礼儀正しく 信心深く 人に優しい)

新潮社編集部も宮部さんを大事にしているのがよくわかります。

杉浦日向子さんの江戸散歩とはまた違う気軽な散歩ガイドでした。

ちょっとはじけた宮部さんが見られますよ。