キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「夢は書物にあり」 

2013年01月22日 | Book

古書店店主でもある作家の出久根達郎のエッセイ。
本を読んで良い事は、「本を読むと、人相が良くなる」ことという。店主として、客と本との付き合い方や面白いエピソード、明治から昭和にかけての文豪たちを中心に珍しい本を紹介している。
いろいろな雑誌へ寄稿した文章をまとめたためか、やや雑文的な文章が多く、背景を知らないと意味がよく判らない文章も多い(これが著者の文体なのか)。森鴎外や源氏物語の考察は、原文を読んでいない自分にはとても判りにくかった。面白かったのは、古書には、今は使われていない当時の話し言葉が保存されいて、それを読むという楽しみ方もあるようです。例えば、明治の東京人は驚くことを「びっくり」とは言わず、「びっくら」と言ったらしい。現代のようにメディアが発達していなかった時代には方言の情報が少なく、地方人にはそういう東京の言葉を覚える苦労があったようだ。明治人の私の祖母も共通語のことを「東京弁」と言っていた。普段使わない言葉には違和感があったのかもしれない。
言葉や風俗を読み取るのも、古書を読む楽しみのようです。


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