科学論文の不正には、主に4つのパターンがあり「間違い」「盗用」「捏造」「いたずら」に
分類される。この本で紹介された科学者は、アインシュタインやパスツール等の大物から、
最近話題になった科学者まで代表的な人物を挙げて、科学の各分野毎に考察している。
不正の程度は様々で、それほど罪の無いものから歴史を変えるようなものまである。(場合に
よっては処刑された)パスツールが不正を行っていたことは、他の科学エッセイで知っていた
が、アインシュタインも含まれていたのは少しショックだった。とは言え、彼の業績が全て
否定されるわけではない。情報共有が難しい当時の状況を踏まえ、彼ほどの科学者でも名声を
得るために何でもやったということだろう。
過去の捏造事例としてSTAP細胞が何度も取り上げられている。
この不正は、日本人が考える以上に世界にインパクトを与えたようだ。
スポーツ等では清廉潔白なイメージのある日本人だが、科学論文不正のワースト12人のうち、3人が日本人。ワースト1位もダントツで日本人だったという事実は大変残念だった。
現在、日本の科学論文数の減少に危機感を持たれているが、不正論文を出すくらいなら
現在、日本の科学論文数の減少に危機感を持たれているが、不正論文を出すくらいなら
最初から出さないほうが良いと思う。論文の数は問題ではない。
以前よく使われた「科学技術立国・日本」は、言葉だけの幻想なのかもしれない。
以前よく使われた「科学技術立国・日本」は、言葉だけの幻想なのかもしれない。