イギリスの海賊バッカニアの物語。海賊達の日誌や記録をベースにしたノンフィクション。海賊といえば、よく映画に登場する荒くれ者で金銀などの財宝に目がくらみ 残虐行為も辞さない恐ろしい人達というイメージがあった。当然、世間のルールは無視、一般社会とはかけ離れ、上下関係の厳しい世界を想像していたが、重要な決め事は多数決、指導者は選挙で決める民主主義的な世界だったようだ。逆に掟を破ると追放されるし、船という狭い世界においては逃げ場がないので、それは当然の帰結だったのかもしれない。また航海は必ず記録を取り、各人が航海日誌をつけていた。海賊の中には、医者がいたり、博物学に詳しい人物(ウィリアムダンピア)もいた。数世紀後の私達が、この航海を辿ることができるのも彼らの記録があったおかげだ。
この本では、ウィリアムダンピア等数名の経歴、海賊になった経緯、カリブ海からパナマやペルー周辺の海賊活動、ライバル国スペインとの戦い、その後の逃避行、南アメリカ南端を回ってカリブ海諸島に到達し、本国へ帰還するまでの状況を細かく紹介しており、大変面白く読めた。
著者は数名の航海日誌を相互参照し、彼等の行動や考えを詳細に検証して、多少の推測も含めているが、大変信憑性の高いノンフィクションとなっている。強大なスペインに立ち向かうイギリス海賊も、スペインとイギリスが友好関係を結ぶと立場が微妙になる。海賊たちのその後の人生もいろいろ。自分の航海日誌を元に本を出版した ウィリアムダンピアは、合計3回も世界就航し、何度も危機に会いながらも生還して博物学にも大きく貢献。彼は海賊という カテゴリーを大きく超越した人物だった。 彼の波乱の人生を見ると、幸運な人物というのはこういう人のことを言うのだろうと思った。とにかく面白い本で翻訳も大変読みやすかった。
この本では、ウィリアムダンピア等数名の経歴、海賊になった経緯、カリブ海からパナマやペルー周辺の海賊活動、ライバル国スペインとの戦い、その後の逃避行、南アメリカ南端を回ってカリブ海諸島に到達し、本国へ帰還するまでの状況を細かく紹介しており、大変面白く読めた。
著者は数名の航海日誌を相互参照し、彼等の行動や考えを詳細に検証して、多少の推測も含めているが、大変信憑性の高いノンフィクションとなっている。強大なスペインに立ち向かうイギリス海賊も、スペインとイギリスが友好関係を結ぶと立場が微妙になる。海賊たちのその後の人生もいろいろ。自分の航海日誌を元に本を出版した ウィリアムダンピアは、合計3回も世界就航し、何度も危機に会いながらも生還して博物学にも大きく貢献。彼は海賊という カテゴリーを大きく超越した人物だった。 彼の波乱の人生を見ると、幸運な人物というのはこういう人のことを言うのだろうと思った。とにかく面白い本で翻訳も大変読みやすかった。