キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「専門知は、もういらないのか」

2021年03月09日 | Book
アメリカにおける専門知の現状について。
現代のアメリカ人の知的水準の低下の問題について考察する。
昔は、高度な知識を持ち訓練を受けた専門家が、知りたい人々の要請を受けてサポート
していた。そこには知識、経験の有無に明確な一線があって、専門家の役割が明確だった。
しかし、様々な情報メディアの発達により、全くの素人でも専門的な知識が入手できる
ようになった。それは良いのだが、メディアから誤った知識を修得したり、自称専門家が
増えて、本職の専門家の人達を攻撃するようになった。
非常に質が悪い傾向になってきている。(日本も同じ傾向だが)専門家の役割が小さく,
或いは軽視されるようになってきた。果たして専門家は不要なのか。
読んでみて、著者はこの傾向に問題提起しているが、でもおそらくこの流れは継続すると
思う。学問の世界もビジネスライクな風潮が強くなっている。専門家を育成するという
よりも、学費を払えば学位が撮れ専門家を名乗ることができる。
自分の周りにも自称・専門家やプロという人達がいる。ネット上の論文を読んで結果を
鵜吞みにし、根拠を問うと最新研究だからと知識の正当性を主張する。論文を読むことが
専門家の証というが、系統立てた知識や実践経験が無いため、雑学的で信頼性が低い。
プロ或いは専門家とそうでない人の差は、知識の有無だけではなく実践経験の有無だと思う。専門家を称するなら、然るべき経験が必要だろう。

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