先日、NHK-BSで「フリーソロ」というドキュメンタリー映画を放送していました。
これはロッククライミングの第一人者アレックス・オノルドが、ヨセミテ公園内にある
975メートルの垂直の岩壁エル・キャピタンへの挑戦を描いたもので、
第一級のドキュメンタリーです。 本当に素晴らしい映画でした。
フリーソロとは、ロープや安全装置を使わずに断崖絶壁を登るクライミング方法で
高所からの滑落=死を意味します。非常にチャレンジングで、リスクも大きい。
この映画では、アレックス・オノルドの生い立ちから、普段の生活、仲間や恋人との
交友、トレーニングの様子等を紹介し、後半はロッククライミングへの情熱と
エル・キャピタン登攀までの過程を本人や関係者のコメントを交えながら、
記録していきます。(撮影する方も命懸けです)
ハイライトは最後の20分。彼の動きを見ているだけで、緊張と恐怖感を感じます。
実際、フリーソロに失敗して亡くなった人が何人もいるわけで、その事実が
恐怖を倍増させます。もし現場にいたら、とても目を開けていられないと思います。
この映画は、登攀中の恐怖と登攀後の安心感のギャップが物凄く大きい。
アレックス・オノルド自身は、完登後もガッツポーズや雄叫びをあげるわけでもなく
淡々としていて、好感が持てました。どんな状況でも自分を見失わない冷静さ、
余計な感情や考えを持たず、常に自分が何をすべきかに集中する。
本当に、凄いクライマーだと思います。まあ、そういう人でないと、こんな挑戦は
できないと思います。
ということで、高所恐怖症で10m位の高さから下を見るだけで、頭がクラクラする
私にはとてもこんな真似はできません。映画は怖かったけれど、でも大丈夫です。
映画は下を見るのではなく、真っ直ぐ画面を見ているだけなので、、。