キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

ゴーストライター問題 

2014年02月10日 | Music & Movie

ゴーストライター作曲家の存在が取り上げられて、メディアで賛否両論になっている。

昨日の朝のニュースショーでは、スピーチのゴーストライターと同列に扱って、裏方は裏方に徹すべきというテレビ局の意図があったようだが、コメンテータの意見は、政治家のスピーチと芸術家では、ゴーストライターの意味が違うということで一致していた。確かにそうだと思う。テレビ局の問題提起の仕方は安易過ぎるような気がした。

作曲家はクリエーターであり、自分が意図するものを自ら創り出すところに価値がある。政治家は、自分が意図するものを、他人を動かして実現するところに価値がある。政治家にとってゴーストライターを使うのは、一人の協力者としての扱いだが、クリエーターは自分のアイデアとそれを実現する技術で評価される。自身の技術(作曲技術)が無ければ、作曲家としての評価にはつながらない。おそらく作曲家にゴーストが存在する時点で、作曲家ではなくなってしまうだろう。政治家のゴーストとは意味が大きく違うように思う。
今回のゴーストライターの件も対処方法を間違えなければ、これほどの大騒ぎにはならなかったと思う。表舞台に出ている自称作曲家が、自分には協力者が居るということを素直に認めていれば、ゴーストの方も納得できただろう。共作者として両立も可能だったはずだ。(その時は立場が逆転するかもしれないが)
全てを独りで演技して、、と考えた自称作曲家の暴走が、このような事態に進展してしまった。

この件、葛藤の末、仕方なく公表に踏み切ったゴーストに非はないと思うが、世間には「金目当て」という穿った見方をする人も多い。音楽の職があり、著作権放棄することを明言しているのだから、お金に対する不満という理由ではないように思う。真実を隠したままでいいのか、真実を明らかにして批判を受けるべきなのか、ゴースト作曲家には本質的な部分での葛藤があったと思う。でも最終的には、偽装に対する罪の意識を感じ、自分の本心には逆らえなかったのだろう。自分は素直に彼を支持したい。

テレビを見ていたら、芸能人で、今回の公表に激しく批判的な立場を取る人もいた。彼女らの言い分は「何事もお金軸で動く」という意識が基本にあるようで、ゴーストが表に出てきた理由は「金目当て・名誉欲」だと推測していたが、そういう価値観でしか物事を理解できないところが、見ていてとっても悲しかった。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする