上武散歩道

ダイエットのため毎日徘徊。
足で見つけた群馬と埼玉の情報を
綴ってみます。

春望 絶句

2011-03-28 19:13:53 | その他
帰りに西の空を眺めると、茜色に染まっていた。
秋の夕焼けと違って、寂しさは少ない。

靖国神社でソメイヨシノが咲いたと言っていた。
もうすぐ春も盛りになる。

連日の震災のニュースを聞いていて、二つの漢詩を思い出した。
どちらも詩聖、杜甫の作。
国語の教科書にも載っていたから、覚えているのだろう。

ひとつは五言律詩『春望』

国破れて山河在り
城春にして草木深し

時に感じては花にも涙をそそぎ
別れを恨みては鳥にも心を驚かす

烽火三月に連なり
家書万金にあたる

白頭掻けば更に短く
渾べて簪に勝へざらんとほっす


地震による被害だけでなく、いまや山河さえも奪われかねない状態。
家書とは家族からの手紙。
無事の便りは何事にも変えがたいものだろう。

もうひとつは五言絶句『絶句』

江は碧にして 鳥はいよいよ白く
山は蒼くして 花は然えんとほっす
今春看すまた過ぐ
いずれの日かこれ帰年ならん

この春は過ぎていく。
被災者の皆さんが故郷に帰れるのはいつになるのだろうか・・・

それまで、みんなで支えあっていこう。