共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

日本は爆速プレイがお約束!《アルヴァマー序曲》

2024年06月16日 17時00分17秒 | 音楽
朝方の雨は未明には止み、昼前からは強烈な日差しが降り注ぐようになりました。雨上がりでジメジメするかと思いきや、照りつける強烈な日差しで一気に乾いてしまったようで、カラッとした暑さとなりました。

ところで、最近目覚ましに使っている音楽があります。それが、吹奏楽の名曲のひとつ《アルヴァマー序曲》です。

《アルヴァマー序曲》は



アメリカの作曲家ジェイムズ・バーンズ(1949〜)作曲の吹奏楽作品です。バーンズは現在も存命で、御年74です。

《アルヴァマー序曲》は1981年にカンザス州ウィチタで開催された音楽祭で、ウィチタ地区の公立中学校による選抜吹奏楽団と指揮者ロバート・ホロウェルのために作曲されました。タイトルの『アルヴァマー』は作曲者が住むカンザス州ローレンスにあり、作曲者がよく週末にプレーすると語るゴルフ場の名前から取られたものです。

全体は三部形式で、先ずは金管のファンファーレに導かれるかたちで木管楽器が流れるようなテーマを演奏します。中間部は変ホ長調の優しく包み込むような柔らかなメロディで、そこから冒頭のテーマが回帰し、最後はそこに中間部のメロディも重なって華やかに締めくくります。

そんなわけで、今日は我が家の目覚まし音楽にもなっている《アルヴァマー序曲》をお聴きいただきたいと思います。シエナ・ウインド・オーケストラを作曲者バーンズ自身が指揮した演奏です。



この曲は華やかで聴き映えすることから、吹奏楽コンクールの自由曲に選ばれることがよくあります。ただし、上のバーンズのテンポだとコンクールの規定演奏時間内に演奏しきれないので大変なのです。

そのため日本では、



この曲を初めて国内録音した汐澤安彦氏が指揮する東京佼成ウインドオーケストラが楽譜の指定より1.2倍速いテンポで演奏していて、そのテンポでの演奏も広く行われています。ただ、作曲者バーンズはあまりお気に召していないようです(汗)。

それでも、特に昭和時代に吹奏楽で《アルヴァマー序曲》を演奏したことのあるかつての部員たちは、絶対にこちらのテンポの方がしっくりきます。むしろ、バーンズのテンポを聴いた時には

『遅っ!』

と思ってしまうこともしばしばです(笑)。

それに、バーンズ本人には甚だ失礼な話ですが、この『汐澤テンポ』が無かったら、日本でここまで《アルヴァマー序曲》がヒットしたか分かりません。作曲者には申し訳ありませんが、そのくらい汐澤安彦氏の演奏は日本の吹奏楽界に影響をもたらしたのです。

そんなわけで、今回はその『汐澤テンポ』の《アルヴァマー序曲》も載せてみました。上のバーンズ自身の指揮と聴き比べて、どちらがお好みか判断してみてください。


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