共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日はカール・オルフ《カルミナ・ブラーナ》の初演日〜唯一貼れた演奏動画

2024年06月08日 17時55分17秒 | 音楽
今日の日中は、かなり厳しい暑さとなりました。湿度がそこまで高くなかったからいいようなものの、これで梅雨入りしたらどれだけ暑くなるのでしょうか…。

ところで、今日6月8日はオルフ作曲の《カルミナ・ブラーナ》が初演された日です。《カルミナ・ブラーナ》は


ミュンヘンに生まれ、同地で没した作曲家カール・オルフ(1895〜1982)が、古い詩歌集を基にして作曲した世俗カンタータです。

1803年、ベネディクトボイエルン修道院がバイエルン選帝侯領に帰属(世俗化)したのに伴い、同図書館の蔵書がミュンヘン宮廷図書館に委譲されることになり、調査が行われました。その結果、112枚の羊皮紙に古い歌が多数記された詩歌集の写本が発見されました。

その中の歌(少数の宗教劇を含む)は約300編にのぼり、ほとんどがラテン語、一部が中高ドイツ語あるいは古フランス語で書かれているものでした。歌詞のテーマは、大きく分けると

I) 時代と風俗に対する嘆きと批判
II) 愛と自然、愛の喜びと苦しみ
III) 宴会、遊戯、放浪生活
IV) 宗教劇

というものでした。

カール・オルフはその詩歌集から24篇を選び、そこに新たに自作の曲をつけました。オルフの《カルミナ・ブラーナ》は舞台形式によるカンタータであり、『楽器群と魔術的な場面を伴って歌われる、独唱と合唱の為の世俗的歌曲 』という副題が付いています。

オルフの《カルミナ・ブラーナ》は「初春に」「酒場で」「愛の誘い」の3部から成り、その前後に序とエピローグがついています。1936年に完成し、翌1937年の6月8日にフランクフルト歌劇場で初演され、全世界に名前を知られるようになりました。

全体は、混声合唱、少年合唱、ソプラノ・テノール・バリトンのソリスト、2台のピアノ、大規模なオーケストラという大編成です。酒や男女の睦み合いなどを歌った詞に、シンプルな和音や強烈なリズムがつけられているのが特徴です。

副題にあるように、本来は独唱者や合唱団やバレエが音楽を象徴的に表現する舞台作品であり、バレエによる舞踊を伴わない演奏会形式は略式の演奏となります。しばしば歌劇場ではバレエを伴った舞台形式で上演されますが、現在では殆どが演奏会形式での演奏です。

オルフは後に《カトゥーリ・カルミナ》(1943)と《アフロディーテの勝利》(1950〜1951)を書き上げ、これらを3部作『トリオンフィ』(Trionfi、勝利)としてまとめることになります。しかし、《カルミナ・ブラーナ》と比べると、圧倒的に上演回数は少ないものとなっています。

そんなわけで、今日はカール・オルフの世俗カンタータ《カルミナ・ブラーナ》をお聴きいただきたいと思います。gooブログに唯一貼ることを許された動画で、時を超えた世俗の歌の数々をお楽しみください。


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