にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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ムンバイ・ストリングス

2005-08-08 23:33:51 | オーケストラ
今日はNHKで「音楽のある街で」のリハーサルでした。
今回は茨城県の取手市でやります、出演者の中にcobaの前でアコーディオンを弾くという何とも大胆な人が居たりでいったいどんな事になるのやら?
さてそのcoba氏ですが一曲だけオケと演奏します、それもこちらは弦楽器だけ。
インドのムンバイ、昔風の呼び名はボンベイですか。そこにインド映画の音楽が専門の楽団が有ってそこの弦楽器集団がムンバイ・ストリングス。あのインド音楽の何とも言えない不思議な流動感溢れる音楽を奏でているのが彼等。
そこにcobaが行って何曲かレコーディングをしてきた中の一曲をやるんですがこの曲が滅茶苦茶にご機嫌!
いままでやった事の無い種類の音楽、楽譜に書けないほど細かくコブシが入る音の動き、なんとも言えないポルタメント。こんなのが有ったのかと面白くて一人でニヤニヤしながら弾いていたんです。
最初にこんな感じですと実際の音源を聞かせてくれたんですがぶっ飛びました。確かにバイオリンやチェロの音なんですがやっている事が全く我々とかけ離れていて。どちらかと言えば中国の二胡などの感じに近いのかな、音程に対する感覚がヨーロッパと根本的に違いますね。そして音階という感覚も違うし。とにかく初めて接する、初めて演奏するタイプの音楽でした。本当に面白い!

NHKの一階食堂のラーメン、昔から変わらない味ですね。学生の頃からずっと食べているんですが今だに食べ続けています。特に今日食べた「ザーサイラーメン」と「野菜麺」が好みで。「野菜麺」の方は昔はチャンポンとして売っていたんですがスープが長崎の物とは全然違うので名前を変えたんでしょうね。
作る人によって麺の茹で具合が全然違うので注意しないといけませんが、機会があれば食べてしまいます。値段もずいぶんと変わっていないし、定番中の定番です。

もう一息

2005-08-08 01:24:25 | オーケストラ
今日は戦争レクイエムの本番を池袋の芸術劇場で。
1曲目はペンデレッキの「広島の犠牲者への哀歌」ですが思いっきり現代音楽であるこの曲を演奏するにはあまり似つかわしい環境ではなかったような気もしました。今日の演奏会は本来は戦争の犠牲者達への鎮魂の為、なのでしょうが実際の所は合唱団の発表会ともとれる性質の物。アメリカやヨーロッパの合唱も加わって、それに日本・韓国・中国のソリストも居て実に国際的なメンバーではありました。かつて戦った国同士の人々が一同に集って鎮魂の祈りを捧げるという機会はそうありません。だからこそもっともっと踏み込んだ演奏にしたかったのです。
ブリテンの曲は大変な曲です、合唱も良く歌っていたと思います。日本人テノール、韓国人のソプラノも素晴らしかった。でも何かひとつ足りなかった。指揮者の責任も重いとは思いますがどうしても発表会の晴れがましさというか、祈りとは別の感情が感じ取れてしまって。お祭り騒ぎでは無かったのですが、ちょっとねえ。
曲の最後、アカペラの合唱の余韻が残って天に消えて行くような美しい時間があるのです。しかしなんとも傍若無人な拍手が全てを壊してしまいました。余韻もそこそこに思い切りの拍手が来たのです。信じられないですね、レクイエムで。
ヨーロッパなどではレクイエムの演奏後には拍手をしない事もあるくらい厳粛な物なんですが。静かに静かに消え行く余韻に浸る時間が欲しかった。

文句を言ってばかりですが先程も書いたように世界各国からここに集結して一つの演奏会を行うという機会は素晴らしい事です。きっと参加された皆さんはこの暑い日本の8月の日々が大切な思い出になった事と思います。
その思い出を、もっと深い体験に出来るチャンスが有ったのに。どうすればもっともっと素晴らしい経験になるか解っていただけにちょっと残念なのです。
私も学生時代などに同様な夏のコンサートが有って今でも懐かしく思い出されます。そこで得た経験や仲間との出会いは大切な宝もの。それもとことんまで音楽にのめり込んで突き詰めたからこそ得られた物でした。
私としても不完全燃焼な演奏会となりました。