日々の覚書

MFCオーナーのブログ

想い出のアルバム-EVERY BEST SINGLE +3

2007年02月01日 22時16分16秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Elt

Every Best Single +3/Every Little Thing(1999)

1. Feel My Heart 
2. Future World 
3. Dear My Friend 
4. For The Moment 
5. 出逢った頃のように 
6. Shapes Of Love 
7. Time Goes By 
8. Face The Change 
9. Forever Yours 
10. Necessary 
11. Someday, Someplace 
12. Over And Over 
13. (When)Will It Rain 
14. キモチ 
15. Dedicate

いきなりだが、1990年代後半のJ-POP界では、なぜか3人組のグループ(今はユニットと言うそうだが)が人気だったような気がする。Every Little Thing(以下ELT)をはじめ、ブリリアント・グリーン、マイ・リトル・ラバー、globe、Do As Infinity、ヒステリック・ブルー等々。この形態(男2女1)の元祖とも言われるドリカムも、当然高い人気を誇っていた。音楽性は様々なこれらのグループに共通するのは、紅一点の女性ボーカルが美人だったこと(一部該当しないのもありますが、ここでは触れません)。その後、このうちのいくつかは、メンバーが3人から2人に減ったり、解散したりしてしまった。当時と変わらない形態で続いているのは、ブリリアント・グリーンくらいか。ドリカムですら、今は2人組だもんね。やはり、三角関係はうまくいかないのだ。

という訳でELTである。持田香織、五十嵐充、伊藤一朗、の3人によるこのグループ、1996年デビューと聞いている。実はポッと出の新人ではなく、持田はB級アイドルとしてテレビの深夜番組で壁の花を務めていたそうだし、伊藤はスタジオ・ミュージシャンだったらしい。レパートリーのほぼ全曲を手がけていた五十嵐は、どういう経緯か知らないが、若い頃からエイベックスの松浦専務のもとに出入りし、「一日一曲作れ」と言われて、スタジオの下働きをしながら、空き時間を利用して毎日デモテープを作っては松浦に聴かせていたそうな。意外と苦労人の集まりなのだ。と、これは関係ない話(笑)

デビューして最初の2曲はパッとしなかったが、1997年に入り「Dear My Friend」のヒットでブレイクした。僕も、この曲でELTを知ったのだが、初めて聴いた時はちと驚いた。同じ事を思った人も多いと思うが、この曲なんともろエイジア風だったのだ。もちろん、イントロとかだけで、歌が始まるとそうでもないんだけどね。シンセの音もかなり似せていて、一体こいつら何者なんだ、と興味が湧いた。で、それ以降のELTは、エイジアのみならず、TOTO、シカゴ、バン・ヘイレン、あたりの作風を大胆(強引?)に引用(借用?)し、そこにいかにもJ-POPってなキャッチーな歌メロを乗せてヒットを連発したのである。要するにELTは“産業ロック”だったのだ。

何かのインタビューによると、五十嵐は80年代の洋楽に傾倒していて、「あの頃の、打ち込みに良いメロディを乗せた音楽を、ELTで再生したい」てな事を言っていた。年齢からすると、おそらく僕よりは一世代下だろうから、音楽に目覚めたのが80年代であるのは分かる。当然、その頃流行っていた音楽から洋楽に入っていっただろうから、80年代の音楽に影響されているのは不思議でもなんでもない。ただ、面白いのは、「打ち込みに良いメロディを乗せた音楽」として彼が選択したのが、エレポップでもニューロマンティックでもUKソウルでもなく、産業ロックだったという点だ。産業ロックは打ち込みではなかったんだけど(笑) 五十嵐は打ち込みではないはずの産業ロックを打ち込みで再現し、それをELTのトレードマークにして成功した。しかも、ロックテイストなJ-POPとして再生してしまったのが驚きだ。彼と同じように、80年代の洋楽を聴いて育ち、産業ロックに思い入れを持つ人間が、あの頃ELTを聴いてどう思ったか。僕個人は、あまりに露骨な引用に呆れつつも、他にその手のバンドがいなかった(日米問わず)せいもあり、結構好意的に聴いてた方だ。周囲にも、そういうのが何人かいた。ELTは、世紀末の日本に突如現れた産業ロックバンドであり、当時本土で流行っていた洋楽よりも、ELTの方がずっと洋楽らしかったのだ。

てな訳で、ELTのシングル・コレクションである。80年代の洋楽好きなら、是非一度は聴いてみて欲しい。失笑してしまう人もいるだろうが、見事に80年代している。しかも、ヒットしただけに、よく出来た曲も多い。エイベックスの幹部に鍛えられただけのことはある。個人的には、「Shapes Of Love」「Forever Yours」「NECESSARY」あたりが好きだな。ま、こういう“産業ロック”してたELTの他、ビジュアル系、和製R&B、打ち込みダンス系、レトロなロックバンド、90年代型アイドル、とバラエティに富んだ面々による、色々なタイプの曲がチャートに登場していた90年代後半って、本当にJ-POPが健全な時代だったな、なんて感じがする。今じゃ、ヒップホップ系に占領されてるみたいだし。思えば、僕がJ-POPに興味がなくなってきたのは、ヒップホップ勢が頭角を現し始めた2001年以降の事のような気がする。

ちなみに、Every Little Thingというグループ名は、ビートルズの曲名から取ったらしい。80年代洋楽志向を標榜するなら、「ポリスの名曲Every Little Thing She Does Is Magicから取りました」くらい言えばよかったのに(笑) ついでに言うと、このシングル・コレクションのタイトルも「Every Little Singles」にした方がいいのになぁ(笑) で、「+3」というのは、メンバーそれぞれのソロ曲が一曲づつ収められているからなんだけど、この3曲については全く印象に残ってない。申し訳ない(爆)

コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« く、く、くせになるかも..... | トップ | 日曜日の印象 »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
MFCオーナーさん、こんばんは♪ (にゅーめん)
2007-02-01 23:05:22
MFCオーナーさん、こんばんは♪
私もこのアルバム持っています。
でもほとんど曲を覚えてません(汗)
私は80年代に洋楽に目覚めて、TOTOやエイジア、ジャーニーなどの産業ロックを聴いてました。
おそらく五十嵐氏と同じ世代だと思います。
MFCオーナーさんの意見を読むと、そういえばそうだったなって思いますが、これを聴いた当時は気がついてませんでした。
返信する
♪にゅーめんさん (MFCオーナー)
2007-02-02 01:15:38
♪にゅーめんさん

>私もこのアルバム持っています。でもほとんど曲を覚えてません
僕は、このアルバムは買ってさえいません。しかも、ELTはこのアルバムしか聴いた事ありません(汗)

>これを聴いた当時は気がついてませんでした。
記事中では、産業ロックの露骨な引用であるかのように書いてますが、実際にはELTなりに消化してますので、気づきにくいかもしれません。ボーカルが持田香織という事で、そちらに意識が行ってる人も多かったようですし(笑) で、個人的見解ですが、現在のというか、2人になってからのELTは面白くないです。聴く気になりませんな。
返信する
実は私も持ってます(笑) (BB@sapporo)
2007-02-02 08:54:23
実は私も持ってます(笑)
つーか、妻のですけど。
聴く機会も多いですね。

聴く度、”TOTOだ!””エイジアだ!”
と元ネタばればれな作風に失笑しながらもよく聴いておりました。

確かに今のELTは???だねえ
迷走中というか(笑)
返信する
MFCオーナーさん、こんばんは♪ (にゅーめん)
2007-02-02 19:30:31
MFCオーナーさん、こんばんは♪
そういえば、少し前のドリカムの曲で「ジェット」というのがありましたが、あれはポール&ウイングスの「JET」が元ネタですよね。
初めて聴いたときは、思わず笑っちゃいました。
返信する
♪BBさん (MFCオーナー)
2007-02-03 00:39:41
♪BBさん

>聴く度、”TOTOだ!””エイジアだ!”と元ネタばればれな作風に失笑しながらもよく聴いておりました
確かに、露骨な部分もありますが、歌に入ると世界が変わるような感じもあって、かつての産業ロック的な部分と、いかにもJ-POPてな所を、うまくブレントさせてたような気がします。要するに、これなら許す、ってとこですか(笑)
>今のELTは???だねえ
産業ロック風でない云々はともかく、なんか面白くないです。持田香織を全面に出し過ぎかも。

♪にゅーめんさん

>ドリカムの曲で「ジェット」というのがありましたが、あれはポール&ウイングスの「JET」が元ネタですよね
あれ、そんなのがあるのですか、知りませんでした。しかし、タイトルまで使うとは...ドリカムの引用は、かなりあざといと思います。スリー・ディグリーズの「荒野のならず者」そっくりの曲がありましたが、ありゃほとんどコピーです。笑える程度では済まされませんね。
返信する
このCD、実は私も持ってます。 (か~や)
2007-02-05 13:09:54
このCD、実は私も持ってます。

結構持ってる人多いんですね。
返信する
どうもです。 (fxhud402)
2007-02-05 19:50:00
どうもです。

90年代前半は右を向いても左を向いてもビーイングか小室哲哉って感じだったし、僕は今も昔もそんなに変わらないか、もしくは今の方がバラエティに富んでいるような気がします。確かにヒップホップは増えたと思うけど、どっちかというと従来のロック(パンク)やポップスがヒップホップの要素を取り入れた格好で、純粋なヒップホップはメタルみたいに一定の層を持ちつつも、シーン全体を覆うとこまでは行っていない。ただ、レゲエDJというものの存在が、あんちゃん連中にところかまわずだみ声でドスを利かせて回っていいんだよ、という免罪符になってしまったなとは思いますが。

むしろ問題なのは、その音楽を売る側、伝える側の発想がいかにも広告代理店的なのっぺらぼうで貧困なものになってしまっている事じゃないかと。一度大手レコード店が出してるフリーマガジンを見てみてください。頭抱えたくなりますよ。

で、ELTはもともと小室哲哉がかつてやっていたことを引き継ぐような感じで出てきた印象があります。で、それがしだいにELT=持田香織になっていったのは芸能としてごく自然なことだと思うし、それはそれでいいんじゃないかと。

という前置きというか無駄話(長っ!!)はともかくとして。

たしか「フューチャー・ワールド」のクリップで、五十嵐さんはキース・エマーソンばりのポーズを決めていたような。あれには「おぉっ!!」と思いました(^^;)。で、ELTを抜けた後五十嵐さんはドゥ・アズ・インフィニティを始めたはず。そのドゥアズでギターをやっていた大渡さんという人のバンド「ミサイルイノベーション」が直球ギターロックでなかなかいい感じなのです。ただ、リズム隊の二人が双子で、ザ・たっちのごとくまるで見分けがつかないのが玉に傷(傷なのか!?)。
返信する
♪か~やさん (MFCオーナー)
2007-02-05 22:55:34
♪か~やさん

>このCD、実は私も持ってます
さりげなく、幅広い層にウケてたって事でしょうか。ちなみに、僕レンタルで済ませました(笑)

♪fxhud402さん

>一度大手レコード店が出してるフリーマガジンを見てみてください。頭抱えたくなりますよ
一度どころか、何度も見た事あります。1回見ると読む気失せるのですが、しばらくすると、また貰ってきてしまうのはなぜ?(爆)
ま、とにかく、売り方云々というか、提灯記事が多過ぎます。それと、インタビュアーがいらんこと喋り過ぎ。仮にも、売る立場の人間が、単にベタ褒めするだけの記事を垂れ流していて良いのでしょうか。提灯記事書く報酬をどの程度貰ってるのか知りませんが。

>ELTはもともと小室哲哉がかつてやっていたことを引き継ぐような感じで出てきた印象があります
といいますか、むしろ小室がやろうとしなかった、ベタなシンセポップだったんじゃないか、という気がしますが。

>ELTを抜けた後五十嵐さんはドゥ・アズ・インフィニティを始めたはず
それは違うと思いますよ。Do As Infinityは、長尾大が始めたグループではなかったかと。でも、五十嵐といい長尾といい、軌道に乗った後、創始者が抜けるってのは、どうなんでしょう? BSTを作って辞めたアル・クーパーみたいなもんか(笑)
返信する
あぁそうだ長尾大だっ!!ごめんなさい、知ったかぶ... (fxhud402)
2007-02-05 23:04:48
あぁそうだ長尾大だっ!!ごめんなさい、知ったかぶりしてしまって。いつものことですが...。

>フリーマガジン
そうなんですよね、どうしようもないと分かっててもついもらって来てしまう。で、最近は地元の有志?らしき人物が脱サラして作っているというペラッペラなのをもらって来てます。イラストコーナーにその人の子供の絵が載ってたりして。ただ最近、怪しげな占い師(気孔師?)の記事が増えてきて...(汗)。
返信する
♪fxhud402さん (MFCオーナー)
2007-02-05 23:10:59
♪fxhud402さん

>最近は地元の有志?らしき人物が脱サラして作っているというペラッペラなの
無茶苦茶好き放題って感じですね。当ブログが、フリーペーパーになったみたいなものでしょうか?(爆)
返信する

コメントを投稿

想い出のアルバムシリーズ」カテゴリの最新記事