日々の覚書

MFCオーナーのブログ

誰か故郷を思わざる

2008年05月10日 01時03分33秒 | 時事・社会ネタ

ご存知の人も多いと思うが、僕は神奈川県の出身である。出身地の定義として、1)生まれた所 2)それまでの人生で最も長く居住した所 3)義務教育を終えた所 、この3点が挙げられると思うが、僕はいずれの条件も満たしているので、嘘偽りなく神奈川県出身なのである。

その故郷と言っていい神奈川県であるが、近頃やや暴走気味である。

「居酒屋禁煙」条例案 賛否両論

なんでも、不特定多数が利用する場所での喫煙を禁止する法案を、神奈川県では検討しているらしい。その、“不特定多数が利用する”公共の場所として、公共交通機関だけでなく、居酒屋・麻雀屋も対象となっているらしい。つまり、居酒屋も禁煙とする、と条例で決めてしまおう、という訳だ。

世の中嫌煙ブームだし、吸わない人にとっては、タバコの煙は苦痛以外の何者でもないであろうから、公共の場でも禁煙区域が増えていくのは、納得出来る。スモーカーも肩身が狭くなった、と泣き言たれる気もない。片身が狭かろうが何だろうが、自分でタバコを吸う事を選択したのであるから、逆境があるなら、それにも耐えていかねばならない。これ当たり前。

しかし、禁煙にするかどうか、というのは個人(その場所の主)の裁量に委ねるべきであって、条例で規制するというのはやり過ぎではないか。さらにミョーな事には、健康増進法の努力義務が課せられている事務所や工場は、“不特定多数が利用する場所ではない”という理由から、対象外らしい。国が禁煙を義務付けているのに、おかしくないか?

法律でタバコを規制するのなら、いっその事販売を止めてしまえばいい、と思う。なんだかんだ言われながらも、タバコの販売を止めないのは、喫煙が健康を侵害するという事を科学的・医学的に証明出来ないからであり、課税してまで販売を続けているのに、吸う場所を条例で制限する、というのはヘンだ。タバコがなくならないのなら、吸う奴らを追い出してしまえ、という意図が見え見えだ。禁煙にするかどうか、はあくまで店舗経営者の判断に任せるべきであり、法律で規制するのは一種の弾圧である。こんな条例を通すと、そのうち、ストリートで演奏したら罰金、夜10時以降にバイクに乗ったら懲役、ガムを道端に捨てたら死刑、なんて無茶苦茶な条例が続々と成立しかねない。僕個人としては、バイクもガムも嫌いだが、フツーに考えたら、こういうのは実にヤバい話である。タバコにせよバイクにせよ、覚醒剤とは訳が違うのだ。

神奈川県では、全国に先駆けて、タクシーを全面禁煙にした。知事或いは後援者の人たちは、よほどタバコが嫌いなようだ。そのうち、神奈川県内でのタバコ販売を禁止する条例を検討し始めるかもしれない。居酒屋をはじめとする飲食店は、禁煙にしたことによる打撃は、割に少ないだろうと思えるが(なんたって、喫煙者の方が数少ないからね)、タバコの販売を禁止したら、路頭に迷う人たちも出てくるだろう。笑い事じゃないよ。「公共的施設における禁煙条例」なんてのが成立したら、次のステップとして大いに有り得る事だ。

タバコのことだけでなく、こんな無茶な条例を検討する、ということが危険だ。いつから神奈川県は、こんなになってしまったのか。もう、僕は故郷へは帰れないのかも。

コメント (8)
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