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MFCオーナーのブログ

チャールトン・ヘストンを悼む

2008年04月07日 00時14分22秒 | 映画

アメリカの映画俳優、チャールトン・ヘストンが亡くなったそうな。享年84歳。記事によると、死因は不明だが、2002年にアルツハイマーの可能性がある事を告白していたらしい。慎んでご冥福をお祈り致します。

知ってる人は知ってるけど、僕は小学校5年か6年の頃、映画に興味を持ち始め、週末のテレビ洋画劇場を毎週のように見ていた。もちろん、映画の事なんか知らないから、放送されるのを何でもかんでも見ていたのである。で、その当時の好きな俳優がスティーブ・マックイーンとチャールトン・ヘストンだった。

チャールトン・ヘストンといえば、なんといっても『ベン・ハー』だろう。6年半の歳月と54億円という巨費を投じて制作されたこの映画は1959年に公開されて大ヒットし、アカデミー賞でも11部門を制覇した。この記録は未だに破られていないそうな。

昔のハリウッドでは、このような、古代ローマを舞台にしたスペクタクル巨編、というのがたくさん制作されていた。その中でも『ベン・ハー』は代表的な作品であり、チャールトン・ヘストンはこれ以外にも、『十戒』『エル・シド』といった映画にも出演し、高い評価を得ていた。いわば、この手の映画には欠かせない俳優だったのだ。彫りの深い顔立ち(外人だから、当たり前と言えば当たり前だけど^^;)、筋骨隆々の肉体、堂々たる立ち姿...そんな彼が、古代の衣装を身に纏うと、神々しいくらいであった。あまり、上品な感じはしなかったけどね^^;

こういった、歴史スペクタクルみたいな映画は、衣装といいセットといい、見てる分には楽しいのだけど、テーマは案外と深くて(必ずと言っていいほど、宗教が絡んでくるし)、小学生には難しいものが多かった。ただ、チャールトン・ヘストンが出てると、少し分かりやすくなったような気がして(笑)、最後まで見ていたものだ。『ベン・ハー』はともかく、『十戒』は今でも好きな映画である。

僕が小学校高学年の頃というと、70年代半ば頃になるのだが、チャールトン・ヘストンは相変わらず大スターで、歴史スペクタクル物があまり作られなくなっても、毎年主演作が公開されていたように思う。印象的なのは、当時流行りだったパニック映画にも出ていた事で、同じ年に公開された『大地震』と『エアポート’75』は、共に大きな話題となり、映画自体も面白かった。どちらの映画でも、ヘストンは体を張った演技を見せて(アクションをした、というのではない)存在感をアピールし、確実に映画の印象度を高めていた。

ま、今にして思うと、決して演技派ではなく、その姿をスクリーンで楽しむタイプの俳優だったように思う。全てのチャールトン・ヘストン主演作を見た訳ではないので、なんとも言えないが^^; 要するに、チャールトン・ヘストンが出てればOKみたいな。実際、僕もそうだったし。金をかけた大作というのが、実に似合う人だった。ジョン・ウェインみたいな感じかな。時代が違うけど、シュワルツネッガーも同タイプのような気がする。でも、ヘストンは、あまりコミカルな役をやったという印象はない。

ハリウッドが絢爛豪華で華麗な娯楽映画を、大金はたいて制作していた時代を象徴するスターだったような気がする。今のハリウッドでは、存在感だけではスターにはなれないだろう。最近まで、俳優としての活動は続けていたらしいが、なんか昔の人というイメージになってしまった。

余談ながら、ヘストンは、二度や三度の離婚が当たり前のハリウッドにおいて、一度も離婚したことのないスターとして知られる。なんというか、ちょっと意外だった(笑) 見た目は華やかだけど、実は堅実だったのかな^^

とにかく、時代は確実に変わっている。かつての大スターの訃報を聞くと、そういう思いを強くする。

なんだか久々に『十戒』が見たくなった。

コメント (9)
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