いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

巨大地震・・・スポーツの力は。

2011年03月30日 02時37分01秒 | 日記

 スポーツ選手が「勇気を与える」というのはおか
しいーーというブログに、コメントをいただきました。
  
通りすがりさん
  aguriさん
  さすらい人さん
  トモさん

  ありがとうございます。

  せっかくなので、コメントにコメントを返すだけではなく、こ
のブログで、改めて、いま、書いておきたいと思います。

 みなさん、賛意をいただき、ありがとうございます。
 大感謝です。
 
 さすらい人さん、トモさんは、「勇気を与える」という言葉だ
けではなく、「勇気づける」という言葉であっても、おかしいの
ではないかというご意見です。
 私も、同感です。
 おっしゃる通り、言葉の問題ではありません。
 選手の気持ちのありよう、そして、たたずまいの問題でしょう。
 「勇気」や「感動」は、スポーツを見る側が、自然に感じたり
受け入れたりするものです。
 東北高校の監督が
 「被災地のあの状況で、元気づけるとか勇気づけるとかそ
んな大それたことはできない。君たちはただ全力でプレーす
ることだけだ」
 とお話されたのは、私は聞き逃しましたが、さすがに立派
な言葉だと思います。被災地から来た監督は、ごく自然に、
こういう言葉が出たのでしょう。

 1945年8月15日に、太平洋戦争は終わりました。
 日本は、敗戦に打ちひしがれ、東京は一面の焼け野原と
なっていました。
 これからどうやっていけばいいのだろう。
 実に、そんな中で、翌46年の夏には、甲子園で高校野球
の夏の大会が開かれたのです。
 食べるものとて、ろくにありません。
 当然、アメリカの占領下にあります。
 スポーツどころではないでしょう。

 しかし、このとき開かれた夏の甲子園で、プレーをする若
い選手たちを見て、日本人は、我々の父親たち、母親たちは、  
 「これなら、日本はまたやっていける」
 と喜び、涙を流したのです。

 このとき、スポーツ、この場合は高校野球ですが、スポー
ツが日本人に大きな力を与えました。
 これこそ、スポーツの持つ力でしょう。
 もちろん、このとき、選手はだれひとりとして、
 「日本人に勇気を与える」とか
 「日本人を勇気づける」とは言わなかったのです。

 しかし、食べるものさえろくにない時代に、ただひたむきに
プレーする姿を見て、人々は
「ああ、これなら日本は大丈夫だ」
 と勇気づけられたわけです。 
  
 スポーツとは、そういうものなのでしょう。
 



福島原発・・・原発事故は専門家にしか対策が立てられません。いまこそ、学者、科学者の奮起を望みます。

2011年03月28日 23時27分09秒 | 日記


*** 原発事故の特異性 
  解決法が専門家以外には分からない ***

 福島原発は、一進一退の状況となっています。
 この事故で、もどかしいのは、解決方法が専門家以外
には分からないことです。
 解決方法どころか、一般市民には議論をすることさえ
難しい。
 原発の事故を解決するには、専門的な知識が求められ
るからです。

 子ども手当てを議論するには、必ずしも、専門的な知
識はいらない。子ども手当てが必要かどうか、それぞれ
の立場で意見を述べることは、だれにでも可能です。

 高速道路の料金を無料にするのがいいのかどうか。そ
れも、別段、専門的な知識はいりません。高速道路を使
う人、使わない人、トラックの運転手さん、サンデード
ライバー、それぞれが、それぞれの立場で考えを言うこ
とができます。

 政治、経済の話は、必ずしもプロでなくても、議論に
参加できるのです。
 常識を踏まえ、良識に従い、自分の思うところをいえば
いい。
 それが、民主主義の根幹ともなるのです。

 ところが、事故を起こした原発をどうすれば安全にコ
ントロールすることができるのか。
 もっと具体的には、 
 燃料棒が露出したら、どうすればいいのか。
 燃料棒が損傷したらどうすればいいのか。
 燃料棒の格納容器が破損したらどうすればいいのか。
 そもそも、シーベルトって、何でしょう?

 いずれも、事故に対処するために、ものすごく重要
なことばかりです。
 しかし、そのどれひとつとして、専門知識を持って
いないと、答えようがないのです。
 普通の市民には、どうにも答えようがありません。

 子ども手当てや高速道路の無料化については、普通の
市民が、いくらでも議論できる。自分の意見を言うこ
とができるのです。
 しかし、燃料棒が損傷してしまいました、どうすれば
いいか、みなさん、「意見を述べてください」と言
われても、普通の市民は困ってしまいます。

 タービン建屋に放射線で汚染された水がたまって、そ
えをどうすればいいか、意見を求められても、普通の
市民はなんと答えていいものやら、答えようがないのです。

*** 学者、科学者の顔が見えない ***

 そこが、原発事故の特異性です。
 原発の事故は、専門家をおいて、解決方法を見いだせ
ないのです。
 専門家以外には、どう対応すればいいのか、分からな
い。

 専門家とは、もちろん、東電であり、日立であり、東
芝であるでしょう。
 保安院、原子力安全委員会は、いうまでもありません。
 しかし、もっといえば、原子力の学者、科学者です。
日本原子力学会です。

 今回、その学者、科学者の顔が見えません。
 テレビ?
 そう。テレビには、東大、東工大をはじめ、多くの大
学の教授たちが、解説に出ています。
 しかし、その学者のみなさんに問いたい。
 テレビで解説していてもしようがないでしょう。
原子力の専門家として、なぜ、解決方法を提示できし
ようとしないのでしょう。

 学者、科学者、日本原子力学会には、原子力に携わる
者としての良心を見せてもらいたい。
 テレビには出なくていいから、解決方法を考えて、提
示してもらいたい。
 それが、プロフェッショナルとしての使命でしょう。 

                止



福島原発・・・福島が核爆弾のように爆発することはない。

2011年03月27日 03時51分58秒 | 日記

*** 日本の原子力の技術水準は? ***

ちょっと風邪ぎみですなので、少しだけ、書いておき
ます。
 
 使用済み核燃料のプールの話をしてくれた電力会社の
友人から、メールが来ました。
 「日本の原子力の技術は、アメリカやフランスに
比べて、劣っている。そのことを念頭に置いておく
必要がある」
 とのことです。


*** 核爆発することはない 福島原発 ***
 
 もうひとつ。
 いつも、難渋な技術論をする偏狭な学者がいるのですが、
彼が、珍しく、分かりやすくてまともなことを言いました。
 「福島原発は、核爆弾が爆発するようなことには絶対に
ならない。それは間違いありません」
 もうひとつ。
 「福島原発がどうなっても、放射線とりわけ中性子が
東京に届くことはありません」

 私たちが、いまこのとき、学者に求めるのは、こうした
分かりやすい言葉です。





福島原発・・・使用済み核燃料が、なぜ、わざわざ、同じ建屋に保存されているのでしょうか。変な話です。

2011年03月25日 02時41分34秒 | 日記

  福島原発で、不思議に思うのは、使用済み核燃料の
保存プールのことです。いま稼働している原発の同じ建
屋に、どうして、使用済み燃料が保存されているのでし
ょうか。使用済み燃料って、どこかで最終処分されるの
ではないのでしょうか。
 
 今回の事故で、使用済み燃料が最初に問題になった
のは4号機です。4号機は、もともと点検のため停止
中だったのに、使用済み燃料を保存してあるプールが
高温になり、水が蒸発して危険な状態になりました。
そこで放水をして、プールに水を入れたわけです。
  そうしたら、3号機でも、使用済み燃料を保存して
あるプールが危険な状態になりました。
  聞いたら、1号機にも2号機にも、同じように、使
用済み燃料を保存するプールがあって、実際に、使用済
み燃料が水の底に置いてあるということです。

  でも、不思議でしょう?
  なんで、わざわざ、稼働している原発の同じ建屋に、
使用済み燃料が置いてあるのでしょう。
  どうして、そんな危険なことをしているのでしょう。
  
  それが、今回の事故の初めから不思議でした。

  そこで、ある電力会社で、原発を担当していた友人
に、話を聞きました。東電の人ではありません。

  彼は、それが日本の原発の最大の問題点だといいま
す。使用済み燃料を、どこで、どう最終処理をするか、
国は、まったく決めてこなかった。そこで、やむなく、
電力各社は、使用済みとなった燃料を、同じ原発の建屋
に、プールを作って保存するしかないのだそうです。
  
  え?
  そんなことをしていたら、使用済み燃料が、どんど
ん貯まっていく一方ではないでしょうか?
  本当?
  彼の説明はこうです。
  「その通りです。いまの日本の原発は、言ってみれ
ば、トイレのない家を作っているようなものです」。
  使用済み燃料をどうするかは、二つのオプションが
あります。
ひとつは、再処理をして、もう一度使えるようにす
ること。こちらは再処理です。
もうひとつが、燃料をガラスコーティングしてしっ
かりと固め、地中深く埋めてしまうこと。こちらは
最終処理です。

  再処理は、六ヶ所村でやっています。しかし、六ヶ
所村は猛烈な反対運動があり、すったもんだの末、よう
やく動き始めたものです。
  日本中の原発の使用済み燃料を再処理するほどのキ
ャパシティはありません。

  使用済み燃料は、ですから、どうしても、どこかに
埋めて、最終処理をする必要があります。
  北海道などが候補地になったことがあるのですが、
どこでも、強い反対運動が起き、どこも、それを受け入
れようとはしません。いまも、その状態が続いています。
  それを、彼は
 「トイレがない状態」
  というわけです。

  原発が実用化された40数年前から、使用済み燃料
をどうするかというのは、重要な課題とされてきました。
  初めから分かったいたことです。
  原発の核燃料は、2、3年に一度は点検します。そ
のときに、新しい核燃料と取り替えます。
  だから、核燃料は、2、3年で、使用済みとなりま
す。かなりのピッチです。
  ところが、国は、その一番初めに、使用済み燃料の
受け入れを、国ではなく、地方自治体の決定にゆだねる
ことにしてしまったのです。
  彼はそれを
  「国は、最終処理という面倒なことから逃げて、そ
れを県に押し付けた」
  と怒ります。
  
  原子力発電は、国策として始めたのに、大事な最終
処理は面倒だから県に押し付けたーーというわけです。
  県に押し付けたら、もう、国の事業じゃなくなるだ
ろうーーということになります。

  県にしてみると、使用済み燃料などというやっかい
なものを、押し付けられても困る。
  だから、どの県も、その受け入れを断ってきた。

  そんなもの、県が断るのは当たり前でしょう。
  国が、最後まで責任を持って、場所を決め、最終処
理をするのが本当です。

  しかし、国は逃げた。
  逃げて、県に押し付けた。
  県も、そんなもの、拒否するしかない。

  そういう経緯で、どの原発も、炉と同じ建屋に、使
用済み燃料を保存するプールを作り、実際に、保存して
いると、まあ、そういうわけです。

  日本と同じように、原発が多いのは、アメリカとフ
ランスですが、両国とも、最初からしっかり最終処理の
場所を決め、地中深く埋めているそうです。
  日本だけがおかしなことになっている。
  
  日本は、すべての原発で、同じように、使用済み燃
料を抱え込んている。このままだと、いずれ、使用済み
燃料があふれてしまって、保存できないときがくる。

  国の原発政策は、肝心なところで、初めから破たん
していることになります。

  今回の事故が起きるまでは、私たちの多くは、まさ
か同じ建屋に、使用済み燃料が保存されたままになって
いるとは知りませんでした。
  しかし、専門家の間では、非常に重要な問題として
認識されていたそうです。しかも、非常に重要だけれど、
解決方法がまったくない問題であることも認識されてい
たそうです。
  国の責任は、大きいですね。

  彼は「今回の事故は、ものすごく不幸な事故です。
しかし、使用済み燃料が原発に保存されていて、最終処
理の問題がまったく何も解決していないことが、広く知
られるきっかけになったとすれば、せめてものことです」
  と話しています。

                   (止)




東日本巨大地震・・・勇気は「与える」ものでしょうか。スポーツ選手の言い方はちょっとおかしい。

2011年03月21日 02時19分46秒 | 日記

 巨大な地震が起きても季節はめぐり、春が近づいて、
どのスポーツもシーズンを迎えようとしています。この
週末、多くのスポーツ選手、スポーツ関係者が、テレビに
登場し、東日本大地震への思いを語っていました。
 そこでまた、どうしても気になることがあります。

 スポーツ選手が、判で押したように、
 「(被災者に)勇気を与えられるように」
 というのです。

 この言葉を聞くたびに、がっかりします。
 勇気って、「与える」ものでしょうか?
 
 どうしてそんなに、いわゆる「上から目線」の言い方
をするのでしょう。

 野球なりサッカーなりを観戦した人が、素晴らしい試
合を見て、
「ああ、きょうは勇気をもらったなあ」
 と言うのは、別におかしくはありません。
 
 しかし、野球やサッカーをする選手が
 「きょうは、観客に勇気を与えたなあ」
というのは、変でしょう。
 ものすごく傲慢な言い方です。

 大リーグにいる日本人選手、
 Jリーグの選手、
 甲子園の選抜に出場する選手、
 それに選手だけならまだしも、監督まで
  「勇気を与えられるように」
 というのです。

 どうして、そんなに、えらそうなものの言い方をする
のでしょう。
もし、私が被災者なら、かちんときます。

その中で、ただ一人、Jリーグ広島サンフレッチェの
李選手が、
「みなさんを勇気づけられるように」
 と話していました。

 そうなんです。
 「勇気づけたい」
 というのが、正しい言い方です。

 勇気づける
 勇気を持っていただけるように
 勇気を持っていただきたい

 そうした言い方が正しい言い方でしょう。
 それなら、聞く側も、素直に受け止めることができ
ます。

 大リーグの日本人選手が
 「野球を通じて、勇気を与えたい」
と話す様子は、大変に表面的な感じでした。
 
しかし、李選手が
「みなさんを勇気づけられるように」
と言ったのには、心がこもっていました。
 
     ********
 このブログの一回目が「感動は与えるものか?」
 でした。
 勇気を与えるとか、感動を与えるとか、
 おかしな言い方がはやるものです。
 こんな言い方が定着しないよう願っています。



福島原発(2)・・・この惨状にあたり、政府、東電、メディア、そして学者は。

2011年03月18日 12時56分28秒 | 日記

  現在の福島原発の惨状にからめて、「政府の情報操作」「東電の
隠ぺい体質」「マスコミの無知」というような言い方がされます。

 しかし、実際は、
 いま、政府、東電、メディアにあるのは、
 情報操作でも情報隠しでもなく、
 ただただ、混乱です。

 あんなぼろぼろになった原発の建物を見て、情報隠しもなにも
ないでしょう。
 いまさらだれがなにを隠しても意味はない。



  見ていると、いま、政府を支えているのは、枝野官房長官ただ一
人です。
  しかし、枝野氏にしても、今回の件が起きるまで、シーベルトと
いう単位さえ知らなかったでしょう。まして、マイクロシーベルト
とミリシーベルトとなると、どっちがどうなのか。どのぐらいの数
値で危ないのか。
  そんなことを、枝野官房長官に聞くのもハナから無謀といえば無
謀ですし、隠すも隠さないも、枝野長官にしてみれば、何を隠せば
いいのかさえ、分からないでしょう。

  メディアも同じです。
  現場にいる記者は、科学部の担当者をのぞき、シーベルトって何?
から始まっているのです。だから、馬鹿な質問も出る。しかし、馬
鹿な質問と思っても、聞くしかありません。

  東電で会見を担当する人間も、「すみません」「申し訳ありませ
ん」を繰り返すだけです。彼らも、本社にいて広報を担当している
ので、現場から情報が上がってこないと、立ち往生するだけです。

 一番いけないのは、保安院でしょう。
 保安院の会見は、時間の無駄です。
 なにしろ、東電から聞いたことを、オウムのように繰り返すだけ
です。
 保安院は、存在する意味がないでしょう。

  では、ここで登場人物として、だれが抜けているかというと、科
学者です。原子力学会という学会があるのかどうか知りませんが、
今回の事故にあたり、学会が対策を練って会見したとか、事態を
憂う科学者有志が会見して対策を発表するとか、そんな話は、一回
も見たことがありません。

  東大、東工大、京大、阪大の原子力系の学者は、あちこちのテレ
ビ局に出て解説していますが、テレビで解説する時間があるなら、
学会あるいは学者有志でもいい、科学者、科学界として、あの原発
をいったいどうすればいいのか、対策、解決策を、考えて発表して
もらいたい。
 それが科学者の良心でしょう。

  学者諸君、科学者諸氏は、いま、いったい、何をしているのでし
ょう。

 17日は、防衛庁のヘリが原発の上から放水しました。
 夜には、やはり防衛庁の消防車が地面から放水しました。
 
  しかし、それは、実のところ、消防車が火事を消すのと同じこと
をやっているということでしょう。
  その程度のことなら素人でも考えつく方策ですし、それでいいの
なら、もっと早くからやっておけばよかったということになります。
  原子力の学者諸氏に、
    「それでいいの?」
   と問いたい。

 いまここで責任を問うつもりはありません。
 しかし、いまの惨状、そして、日本の原子力政策は、すべて、自
民党が政権を取っていたころの産物です。
 もとより、自民党の政治家に原発が分かるわけがないので、日本
の原発を推進したのは、霞が関と、その理論的支柱としての科学者
です。

 そして、実に、社会党を筆頭に、当時の野党は、こぞって原発に
反対していました。
 そしてまた、新聞も、ほとんどが原発に反対の論調を持ってきた
のです。

 ところが、社会党、民社党を母体の半分とした民主党が政権を取
ってみたら、その原発が事故ったわけです。

 菅直人氏も枝野氏も、政治家になったころは、原発に反対してい
たはずです。というか、原発のことなんか、考えたことさえなかっ
たというのが実情でしょう。

 その彼らが、自民党と当時の霞が関、学会の作った原発の事故に
対応しているわけです。
 こんな皮肉ことはありません。

 だから、いまの政府に、情報を隠そうとする動機はほとんどない
のです。アメリカからは「日本政府は情報を出さない」という不満
が聞こえてきますが、別に隠そうとしているわけでのなんでもなく、
ひたすら混乱しているのです。

 では、東電はというと、経産省・保安院が監督官庁として上にい
て、その目を気にしながらやっています。会見でさえそうです。東
電は、保安院を気にしながら会見するので、よけい、何を言ってい
るのか、わからなくなる。

 そもそも、原発は、東電という私企業のものなのか、国策として
やったものなのか。
 それはもう、国策としてやったものに決まっています。
 
 ところが、今回の事故の対応を見ていると、東電と国と、どっち
が責任者なのか、まったく分からない。
 菅首相が東電に乗り込んで「逃げたら東電は100%倒産するぞ」
と脅したわけですが、しかし、菅首相、責任を東電に押し付けてい
いものではありません。
 責任は、政府です。
 
 アメリカは、小さな電力会社が無数にあって、電力でさえ、自由
競争もいいところです。
 しかし、そのアメリカでさえ、原子力は連邦政府の責任でやろう
としています。
 ましてやわが日本です。

 しかし、繰り返しますが、民主党政府は、日本の原子力政策など、
ほとんどノータッチだったのです。
 彼らが反対してきた原発、自民党時代の原発の事故に、いま、対
応しているのです。
そんな政府に、こんな事故に対応するだけの能力は、ハナからな
かったといってもいいでしょう。

 そう考えると、よくやっています。
 枝野官房長官の会見が、ほとんど唯一、信用をつなぎとめている
のではないでしょうか。

 さて、そこで、原子力を推進してきた原子力系の学者、科学者
は、いったい、何をしているのかといいたい。
 
 今回、彼らの存在が、ほとんど見えない。
 テレビで解説するところしか見たことがありません。

 原発から30キロで安全なのか、アメリカが指示したように80
キロ(50マイル)離れる必要があるのか。
そんなこと、会見で枝野官房長官に聞いたって、分かるはずも
ないでしょう。
 しかし、では、だからといって、東電が「30キロで安全です」
といっても、きっとまた東電は嘘をついて、と言われるだけでしょ
う。いま東電が何を言っても信じてはもらえません。
 まして、メディアには、それが安全なのか危険なのか、見当も
つきません。

 ここで、原子力学会が、あるいは、良心的な学者集団が、記者会
見を開くと言ってくれないでしょうか。
 そうすれば、メディアは、新聞もテレビも、読売も朝日も、ニュ
ーヨークタイムズも、ワシントンポストも、APも、ルモンドも、
CNNも、いま日本にいる記者は、すべて駆けつけます。
 そこで、学者、学会として、たとえば、
 「いまなら、30キロで安全です」
 「爆発したら、近隣の市町村は影響を受けるでしょうが、東京ぐ
らい離れていれば安全です」
 と、発表すればいいのです。
 そうすれば、「情報を隠している」とか「本当のことをいわない」
とか、言われなくなります。

 たしか、茅誠司氏が、日本の原子力学会の初代会長です。
 学術会議の主要メンバーでもあります。
 茅氏を責めるものでもなんでもなく、茅氏率いる原子力学会が
日本の原発を推進してきたはずです。
 そのお墨付きがなければ、広島、長崎を経験してきた日本で、
原発など作れなかったでしょう。

 いま、この原発の事故、惨状で、日本の信用は、国際的に地に
落ちようとしています。

 ここで縷々述べてきたように、自民党時代に作った原発の事故を
民主党に処理させ、「なにやってんだ」と責めても、何も意味がな
いでしょう。

  欧米、とくに欧州諸国は、日本からの情報がないことにいらだっ
ています。
  ドイツのメルケル首相なんか、はっきりと「日本政府から何も情
報が来ない」と不満を表明しています。
  いまの政府に、それを要求するのは無理でしょう。

  であれば、日本原子力学会、あるいは、科学者の会議が、政府に
代わり、あるいは、日本を代表して、海外諸国の政府に、現状、情
報をしっかりと伝えればいいのです。
  科学者として伝えれば、向こうだって、安心するでしょう。

  だいたい、フランスなんてものは、電力の70%が原発です。そ
のフランスが、日本にいるフランス人に出国を促すなどと、ほとん
どマンガです。

  米軍が救援にきてくれたのは大変ありがたいことです。しかし、
救援に来た米兵から5マイクロシーベルトの放射線が検出されたと
いって、せっけんで洗浄する。
  しかし、その兵士が帰る場所は、米軍の原子力空母なんですよ。
食事も風呂も、睡眠も、なにもかも、24時間、原発のすぐ隣りで
暮らしていて、そっちのほうがよっぽど危ないと思います。しかも、
空母には、核ミサイルなど核兵器がたくさん積まれているのですよ。
それなのに、兵士にわずかの放射線がついたといって大騒ぎし、8
0キロ以上離れなさいと指示する。原子力空母って、そんなに安全
なのでしょうか?

 そういうわけのわからないことになるのも、日本がしっかりと情
報を発信していないからです。

 そして、いまの政府にそれを求めるのは、無理です。
 
 そんなこと、誰でもわかっているでしょう。
 それを承知で、政権交代させたのです。
 それを承知で政権交代させて、菅首相と民主党政府を責めるのも、
問題でしょう。

 そういうときにあたって、なぜ、学者、科学者は、沈黙している
のか。
 原子力学会は、なぜ、日本を代表して、対策を練り、内外に情報
を発信しないのか。

 いま、この状況で、学者、科学者は、どうして黙っているのでし
ょう。
 学者、科学者は、いまこそ、奮起するときです。













東日本巨大地震と原発・・・国際社会の関心は福島原発へシフトしています。日本の信用が試されます。

2011年03月17日 01時42分26秒 | 日記

  東日本巨大地震は、状況が、大津波と福島原発のふ
たつの側面に分かれてしまいました。
  私は神戸生まれで、1995年の阪神大震災で実家
が直撃されました。ですから、大津波で被災した方は、
どんなにか大変だろうと思います。
しかし、今回は、福島原発のことを書きます。大津
波のことは、阪神大震災と対比しながら、別途、書
きたいと思います。

世界の関心は、当初、津波に向いていましたが、い
まや完全に、福島原発に移りました。



地震が起きたのは11日の金曜日の午後2時46分
です。
そして、福島第一原発は、一号機がその日のうちに
コントロールを失います。12日には、緊急事態と
して海水を注入して冷やそうとしましたが、うまく
いかず、12日の午後に水素爆発を起こしてしまい
ました。
この水素爆発の映像は、衝撃的でした。
なにしろ、原発で爆発が起き、煙を吹き上げるなど、
日本の原発事故では考えられない事態です。これま
では、冷却水がちょっと漏れたといっては大騒ぎし
ていたのです。爆発が起きてみると、これまでちょ
っとした水もれで騒いでいたのは、いったいなんだ
ったんだろうという思いです。

それでもまた、12日の土曜日、13日の日曜日は、
関心は、大津波にありました。大津波の映像が次々
にテレビに映り、それもまた衝撃的だったからです。

海外の友人、とくにタイにいるF君と話をしていて、
海外の関心が津波から原発に移ってきたのは、いつごろ
からだろうということになりました。
 意見が一致したのは、14日の月曜日、3号機で水素
爆発があり、建屋の天井部分を吹き飛ばしたときが大きな
転機になったのではないか、というものです。

12日の1号機の水素爆発は一瞬、煙を上げただけ
でしたが、14日の3号機の爆発は、建屋の天井部
分を破壊したため、映像でも、壊れた部分がばらば
らと飛び散るのが見えました。しかも、煙がかなり
大きく上がりました。

  F君によると、タイでも、テレビでこの映像が流
され、新聞でもこの写真が大きく掲載されたそうで
す。
  そして、何も知らないでこの映像と写真を見ると、
爆発の煙がきのこ雲に見え、ほとんど核爆発だと
思われた、というのです。

  日本では、そのあと、会見で、水素爆発であるこ
とがたびたび説明されましたが、海外のメディア向
けにはそこまで詳しく説明するのは難しいでしょう。

 だから、海外のメディアは、14日の月曜日、3
号機の爆発をもって、福島原発は核爆発に近い爆発
を起こしたのではないかーーとの疑いを持って、報
道し始めたのです。

 それだけにはとどまりません。
 14日の月曜日の夜には、2号機の燃料棒が全部
露出します。これは前回のブログで書いたことです。
そして、2号機は結局、翌朝の15日の水曜日には、
同じように水素爆発をし、今度は建屋ではなく、燃
料棒の格納構造体の一部である圧力抑制室(サプレ
ッションプール)を損傷してしまいます。

 さらにまた、15日には、点検で停止していた4
号機まで爆発します。
 4号機は夜には鎮火しますが、16日には、同じ
4号機が再度、出火します。

 なんのことはない。
 朝起きると、必ずなにか新しい事故が起きている
のです。
 毎朝、起きてみたら、福島原発は、またなにか悪
いことが起きている。
 日本に対する海外の目が厳しくなるのは当然でし
ょう。

 16日の水曜日には、東京のフランス大使館が日
本にいるフランス人に出国を促しました。
 来日していたイタリアオペラは、日本にはいられ
ないというわけで、帰国しました。
 ドイツのメルケル首相は、日本は原発事故の情報
を開示しないと、不満をもらしました。

 この地震で、被災者をはじめとする日本人の取っ
た行動が、日本人の冷静さ、礼儀正しさ、我慢強さ
を示すものとして、海外で称賛されました。
 とくに、この事態に至って、商店の略奪がまった
くないというのは驚きの目で受け止めれており、C
NNは、東北に入ったアメリカ人記者がワシントン
のキャスターから「略奪はどうですか?」と聞かれ、
「それがないのです」と答えました。キャスターは
意味が分からなかったようで、再度聞いたのですが、
現地のアメリカ人記者は「略奪というものはまった
くありません」とはっきり答えました。
 ニューヨークに住む私の友人も、タクシーのドラ
イバーから、やはりそのことを称賛されたのだそうです。
 
 しかし、そうした称賛も、15日、16日には、
原発事故に対する不手際への不満にとってかわられ
てきたようです。

 福島原発の事故への対応は、国際社会における日
本の信用が試されることになりました。
 ここで対応を誤ると、日本の信用は、地に落ちま
す。
 日本は信用されなくなるでしょう。

 津波のときは「がんばれ日本」といってエールを
送ってくれていた国際社会が、いま、原発への対応
をめぐり、「日本は何をやっているんだ」という不信
感を持ち始めています。

 いまこそ、日本が踏ん張るときです。



東日本巨大地震(3)・・・福島原発、再び、燃料棒が全部露出しました。かなり危ない。原因は?

2011年03月15日 01時14分21秒 | 日記

  福島第一原発の二号機の燃料棒が、再び、全部露出
してしまいました。
  14日の深夜になって、東電が発表しました。

  これはかなりまずい状態です。
  空焚きしていることになるわけですから、このまま
だと、燃料棒、炉心が溶けてしまい、最悪の場合は爆発
ということになります。
  
  せっかく、さっきは、二号機に海水の注入が始まり、
燃料棒が半分ぐらい隠れたということだったのに、なん
でこんなことになったのでしょう。
  東電の説明はこうです。
  
海水を注入するため、炉心の入っている容器の圧力
を下げた。圧力を下げないと、海水を注入しても押
し戻される。
  圧力を下げて、海水が入っていった。
  圧力を下げるのには、自動開閉バルブを開いた。
  この自動開閉バルブは、自動開閉だから、圧力が下
がると閉じる仕組みになっている。  
  海水を入れるために圧力を下げたので、ある程度下
がったところで、自動的にバルブが閉じた。
  
  とまあ、こういうことです。
  安全のための装置、フェイル・セイフが、かえって
あだになっています。
  普段なら笑い話で済むのでしょうが、いまはそうは
いきません。

  次の手段として、人の手でバルブを開けて対応する
というのです。
  
  なんということでしょう。


東日本巨大地震(2)・・・福島原発が危ない。地震国・日本は原発と共存できるでしょうか。

2011年03月14日 22時54分19秒 | 日記

  福島第一原発の二号機の現状について、東電と経産
省保安院、そして、枝野官房長官の会見がありました。

  二号機の燃料棒は、一時、完全に露出して空焚きの
状態になったけれども、やがて海水の注入に成功し、全
長4メートルの燃料棒の半分ぐらいが海水にひたる状態
まで回復したそうです。

  しかし、露出した原因が、海水を注入するポンプの
燃料切れで、それは、ポンプの燃料計を職員が見ていな
かったため、というのです。
  この職員は、気が動転していたのでしょう。
  分かる気がします。
  一方的にこの職員を責めるわけにはいかないでしょう。
  しかし、そうはいっても、というところです。

  今回の地震は、津波による被害の大きさと、原発の
事故と、ふたつの側面ができてしまいました。

  原発のほうは、今後、果たして地震国・日本で、原
発がいいのか、という議論になります。
  原発は、結局のところ、核燃料をいかに制御するか
という話に尽きます。
  日本の原発は、何重にも安全策を施しているという
説明になっています。
  しかし、その説明は、今回の地震で、もろくも崩壊
してしまいました。

  なにか異常が発生すると、原発を緊急停止する。
  今回も、そこまではよかった。
  次に、燃料棒を冷やす。
  原発は、緊急停止しても、核燃料がしばらく熱いま
まで残る。それを水で冷却してやらなければなりません。
  その冷却システムを、しっかりと作ってあったはず
なのですが、今回は、地震でそのシステムがうまく機能
しなかった。
  それは、冷却システムの電源が、地震で切れたから
です。それがまた皮肉な話です。
  冷却システムが機能しなかった場合に備えて、ディ
ーゼルによる冷却装置を用意してあります。ところが、
今回は、やはり地震で、このディーゼル装置もうまく機
能しなかったというのです。

  それで、とうとう、海水を入れることにしました。
  海水を入れるということは、もう、この原発を放棄
するということでもあります。

  それでなんとかうまく行き始めたと思ったら、海水
を送り込むポンプの燃料が切れた。燃料計を見ていれば、
燃料がなくなるのは分かったはずなのですが、職員が燃
料計を見ていなかったというのです。

  どんなハイテクも、最後は人間が左右するという、
絵に描いたような話です。

  阪神大震災のときも、高速道路が横倒しに倒れまし
た。政府は、日本の高速道路はしっかり作ってあるから
大地震が来ても大丈夫だと力説していました。

  それが、もろくも崩れたのです。

  阪神大震災の高速道路といい、東日本巨大地震の原
発といい、絶対に安全なものはないということが、白日
の下にさらされました。

  日本は、電力供給のすでに3割が原発です。
  いつのまにか、世界の中で原発大国になってしまい
ました。
  
  スウェーデンが原発をやめるという宣言をしていま
す。しかし、では日本も、ということにはなかなかなら
ないのです。
  スウェーデンの人口は数百万人に過ぎません。
日本は1億2000万人です。もし、日本の人口が
今後、少子化で1億人を切り、9000万人ぐらい
まで減ったとします。約30%の減です。
そうやって初めて、電力供給の30%をまかなう原
発がなくなっても、電力は不足がなくなるーーとい
うことになるのです。

人口の少ない北欧諸国と日本を、簡単に比べるわけ
にはいきません。

何十年かに一度は必ず大地震に見舞われる日本で、
原発をどうするのか。
地震と原発は共存できるのか。

簡単に答えの出る話ではありませんが、しかし、「原
発は安全です」という言い方では、もう、国民は納
得しないでしょう。
福島原発の不幸な事故を無事に乗り越えたら、謙虚
に考え直す必要があるように思います。





東日本巨大地震(1)・・・発生当時は26階にいました。いま福島原発で炉心が完全露出との一報です。

2011年03月14日 20時25分11秒 | 日記

  今回の地震には、本当に驚きました。
  11日の金曜日の午後2時46分、地震が起きたと
きは、東京・丸の内の高層ビルの26階にいました。
  
  阪神大震災のときは、直下型地震だったので、地面
の下からドンと突き上げるような地震でした。
  しかし、今回、東京は震源から遠かったので、いき
なり横揺れから始まりました。
  その横揺れが半端なものではありません。
  揺れるたびに、振幅が大きくなっていきます。
  立ってはいられない揺れというのを、初めて経験し
ました。
  このビルが崩れたら死ぬぞと、そのとき、思いまし
た。

  いま14日、月曜日の夜8時15分です。
  ここまで書いていたら、福島第一原発の2号機で、
燃料棒が完全に露出という一報が入ってきました。

  これは、ちょっとまずいですね。
  炉心溶融です。
  スリーマイルアイランドの再現です。

  チェルノブイリは、炉心が完全に外気まで触れるよ
うな事故でしたが、スリーマイルアイランドはそこまで
は行きませんでした。
その意味で、福島はまだスリーマイルアイランドの
段階です。
それが救いです。

 しかし、福島も、このまま行くと、炉心が外に出て
しまいます。
 そうなると、チェルノブイリの再現になってしまい
ます。

 ちょっと、福島の様子を見たいと思います。




今度は菅首相に在日の方からの献金・・・こんな暴露合戦をしている場合ではありません。

2011年03月11日 10時56分20秒 | 日記

  今度は、菅首相が、在日韓国人からの献金を受け取っていたこ
とが分かりました。11日の朝日新聞の朝刊が報じました。
  菅首相も、国会で認めたようです。
  しかし、菅首相は「日本人だと思っていた」と答えています。
  朝日も、献金は日本人名だったと書いています。

  朝日は、なんだって、こんなばかげたことを、一面トップで報
じるのでしょう。
  朝日も、どうかしています。
  なにをやっているんでしょう。

  これは、パンドラの箱を開けたようなものです。

  日本で一番多い外国人はどこの国の人か?という有名な問題が
あります。
  アメリカでもロシアでもありません。
  答えは、韓国と、北朝鮮です。
  もちろん、在日の人々を指します。 
 
  この10年、20年で、在日の方は、もともとの名前を使うよ
うになりましたが、少し前までは、みな日本人名を使っていました。
朝日の記事も、菅首相に献金した人の名前は
「献金の名簿には通名である日本名が書かれていた」
としています。
韓国に対する偏見は、かつてに比べて、ずいぶんなくなってき
ました。そういうこともあって、最近は、日本名から韓国名に
戻す人も増えています。
しかし、日本名のままの人のほうが多いのです。
日本で生まれ育ち、いまはもう、このまま日本で暮らそうとい
う人が多いのです。
国籍をどっちにするかは、迷うところでしょう。
サッカー日本代表でアジアカップの決勝戦で貴重なシュートを
放った李選手は、名前からしてもともと在日ですが、国籍は日
本を選択したわけです。

在日の方は、もう、日本の日常に溶け込んでいます。
日本名を使っていたら、在日かどうか、分からない。
しかも、日本名を使っていても、国籍は韓国のままの人もいる
し、日本にした人もいる。

しかし、それは、本人が言わなければ、まず分かりません。
分かりようがないと思います。

朝日は、何年か前、社会面の連載記事で、俳優の松田優作が在
日だったと書きました。文中にさらっと出ていたので、おやっ
と思いましたが、あれは、朝日はなんでわざわざそんなことを
書いたのだと論議を呼びました。

在日かどうかは、本人が表明しないと、まず分かりません。

いま、国会議員は、衆議院480人、参議院242人です。
この合計722人をすべて、詳細に調べたら、在日の方からの
献金を受け取っている人は、決して少なくないはずです。
献金ではなく、調査をパーティ券の購入にまで広げたら、たぶ
ん、かなりの数になるのではないでしょうか。
献金とパーティ券の購入と、どこが違いますか?
日本人名で献金したら、国籍はどこか、そんなことはまず分か
らないでしょう。そこまで調べろということになれば、ものす
ごいムダな労力を必要とします。
まして、パーティ券の購入者となると、いったい、どこのだれ
だか、さっぱり分からなくなるはずです。

それを、朝日のようにいちいち調べて、
「外国人から献金」
と一面でやっても意味がないでしょう。

もし、在日の方が、一斉に、しかし、国籍をあかさず、国会議
員722人の全員に、どっと献金をしたとします。
献金額が1年2万円とか3万円の少額にしたら、国会議員の事
務所は、いちいち、その方の国籍なんか、調べないでしょう。

そうやって、じっと1年たち、2年たち、そこで、
「実は、A議員は外国人から献金を受け取っていた」
「B議員そうだ」
「C議員もそうだ」
と、情報をリークして、国会で質問したり、新聞に書いたりし
たら、どうなりますか?
 前原外相がそうやって外相を辞めたのだから、国会議員は全
員、閣僚をはじめとする役職には就いてはいけないことになり
ます。
 
 そうしたら、政府なんか、成立しません。

 関西は、在日の方が多い。
 もう少し詳しくいうと、
 神戸は中国の人が多い。
 大阪、京都は韓国、北朝鮮の人が多い。
 ・・・ということになります。

 神戸には南京街といって、横浜の中華街と並ぶ大きなチャイ
ナ・タウンがあります。
 大阪は、鶴橋のように、大きなコリアン・タウンがあります。

 行ってみると分かりますが、神戸は中国料理店が多く、韓国
料理店を探すのにホネが折れる。大阪は韓国料理店が多く、中
国料理を食べようと思ったらなかなか見つからない。
 
 そのぐらい、生活に溶け込んでいます。

 だから、政治献金だってしているかもしれないし、パーティ
券なんか別に何の意識もなく普通に買っているのではないでし
ょうか。
 民主党の議員も、自民党の議員も、同じです。前原外相を追
及した自民党だって、いまごろ、「おい、うちは大丈夫か」「弱
ったなあ」と思っているのではないでしょうか。

 朝日は、菅首相の献金を、一面トップで書いて、何をしよう
というのでしょうか。

 本来なら、新聞は
 在日の方からの献金は別枠で考えるべきだとか、
 この問題は冷静な対応が必要だとか、
 そういう論調を張るべきなのではないでしょうか。

 日本はいま、こんなことをやっている場合ではありません。

 




三度、前原外相の辞任・・・各紙は辞任やむなしと書きました。それが残念です。ジャーナリズムは奮起せよ。

2011年03月10日 01時11分27秒 | 日記

  前原外相の辞任について書くのは、これでもう3度
目になりますが、それでも、どうしても書いておかなけ
ればならないことがあります。
  それは、前原外相が辞任した際、新聞各紙が「外国
人からの献金は禁じられているから、辞任はやむをえな
い」という論調で一致してしまったことです。
  さらにいえば、前原外相が在日韓国人から献金を受
け取っていることが分かったとき、新聞各紙は、前原外
相をまったく擁護しませんでした。むしろ、辞任を督促
するような書き方をしました。

  ジャーナリズムが、そんなことでいいのでしょうか。
  
  繰り返しになりますが、今回の論点は、
(1)外国人といっても、日本で生まれ育った在日韓国
人であること。
(2)その在日の方は、前原外相が子供のころから家族
ぐるみのつきあいだったこと。
(3)だから、献金といっても、国会議員にまでなり、
しかも、民主党の党首にまでなった前原氏に、おめでと
いうという気持ちで渡したと推定されること。
(4)しかも、献金の額が年間5万円を4年とか5年と
かで、合計して、たかだが20万円から25万円程度に
過ぎないこと。これが一億円だったら問題でしょうが、
1年間で5万円です。献金する側だって、何の見返りも
期待してはいないでしょう。
  ――などになります。

  たいしたことのない話ばかりです。
  これのどこが、外相辞任に相当するような話ですか。
 
  外国人からの献金を禁止するのは、日本の政治が外
国人に左右されるのを防ぐのが目的でしょう。
  であれば、この在日の方の献金で、前原外相が左右
されたとは、とても思えません。まして、1年5万円の
献金で、前原氏がこの人になにがしかの便宜を図ったな
どということもありえないでしょう。

きっと、前原氏を追及した自民党の政治家だって、
そんなことは思っていないでしょう。
そうなんです。
今回の話は、実に形式的な法律違反を問題にして
しまっているのです。

   そんなことは、常識で考えれば、明らかなことで
す。
   それなのに、新聞各紙は、どうして、常識で判断
することなく、形式論、法律の形式論で、前原外相の辞
任を論じてしまったのでしょう。
   どうしてそこまで、形式論にとらわれるのでしょ
う。
   どうして、もっと事の本質を考えることができな
いのでしょう。
   ジャーナリズムに携わる者として、それが本当に
残念です。

   その中で、今回、唯一、まともな記事がありまし
た。3月8日付の朝日新聞の朝刊で、アメリカのコロン
ビア大学のジェラルド・カーチス教授が、「政治の混迷」
という原稿を寄せています。
   この原稿が、ほとんど唯一、前原外相を辞任に追
い込んだできごとの馬鹿馬鹿しさを的確に論じています。
   一部を引用しましょう。
   「外国籍の人から献金を受けていたのはルール違
反には違いないが、だからといって直ちに辞任を要求し
た野党議員も、メディアも、民主党内の一部議員も、少
しでも国益を考えた上でのことなのか。
    なんでもかんでもすぐに政争の道具にして党利
党略ばかりが目的化してしまえば、国家運営はできない」
   
   どうですか。すっきりしているでしょう。
   ルール違反かもしれないけれど、軽微な違反だ。
それで、直ちに「辞任」を要求するというのは、なんで
もかんでも政争の道具にするということだ。そんなこと
では国家運営はできないと、そういうことです。

   アメリカ人の教授に書いてもらうのではなく、新
聞が、どうして、みずからの言葉で、こう書けないのだ
ろうと思います。
   ジャーナリズムのために、そのことを惜しみます。
   ジャーナリズムは奮起せよ。



前原外相は結局辞任しました・・・もういい加減にしてほしい。政治は「政局」ではなく「政策」を。

2011年03月06日 23時40分20秒 | 日記

  3月4日の金曜日のブログで取り上げた前原外相は、
結局、辞任することを決め、3月6日の日曜夜、記者会
見をして発表しました。

  なんということでしょう。
  なんで、こんなことで辞めなければならないのでし
ょう。 
  なんで、こんな小さなことが問題になるのでしょう。
  問題にする自民党もばかですし、辞めさせる民主党
もばかです。
  民主党も自民党も、公明党も共産党も、この国の政
治家たちは、いったい、何をしているのでしょう。
  だれか、まともな政治家はいないのでしょうか。

  4日のブログでも書きましたが、前原外相に献金し
た外国人というのは、京都で飲食店を営む在日韓国人で
す。なるほど、国籍は韓国でしょう。しかし、在日韓国
人は、日本に生まれ日本で育ち、日本語を話し、日本の
生活に溶け込んでいます。
  アメリカやヨーロッパ、あるいは中東に住み、日本

語はしゃべったことがないというような外国人とはわけ
が違うのです。
  前原外相に献金をしていた在日の女性も、これまで
ずっと前原外相を応援してきた。しかも、前原外相の家
庭とは子供のころからのつきあいだと話しています。
  献金は毎年5万円を4年間、合計20万円です。
  ほほえましいじゃありませんか。
  子供のころから知っていた前原氏が、代議士になり、
民主党の幹部になり、政権交代も実現し、大臣にまでな
った。ああうれしい、少しでも献金しようと思って、ど
こが悪いのでしょう。
   
  このことを国会で取り上げ、「前原氏には大臣の資格
もないし、議員の資格もない」と鬼の首を取ったように
大騒ぎしたのは、自民党の西田昌司氏です。
  
  なるほど、国会議員が外国人から献金を受けるのは
法律違反であるかもしれない。
  しかし、前原外相の法律違反は、ほとんど形式的な
違反であり、単純なミスといってもいいものです。
  そんなことを国会で取り上げ、外相を辞任に追い込
んで、いったいなんだというのでしょう。
  6日には、京都で自民党の集会があり、そこで、自
民党の谷垣総裁は、西田氏のことに触れ、
  「見事な質問だった」
  と激賞しました。
  会場では、大きな拍手が起きたそうです。

  なんだか、がっかりして、力が抜けます。
  なにが「見事な質問」ですか。
  
  これによって、国会は紛糾し、日本の外相がまた辞
任し、政府も国会も、しばらくは、機能しなくなるでし
ょう。

  そんな形式的な、単純なミスとでもいえそうなこと
をあげつらう余裕は、いまの日本にはありません。
  政治がなすべきことは、ほかにたくさんあります。

  政治には、「政局」と「政策」があります。
  「政局」は、政党間の争い、政党内部の人事抗争な
どを指します。一般に、「政治はどうしようもない」とい
うような言い方をするときは、この「政局」です。
「政策」は、日本経済をどう立て直すか、貿易の自
由化をどう進めるか、中国やロシアとの外交をどう
するのかーーなど、日本の針路を決める文字通りの
「政策」です。
 
 いまの日本で、政治が本当にやらなければならな
いのは、「政策」です。
 
 しかし、実際には、民主党も自民党も、「政局」ば
かりやっている。国会が「政局」の場になっている。
 政局をやればやるほど、政策はおろそかになって
しまうのです。いまや、政策は忘れ去られています。

   そういう状況にあって、西田氏が持ち出した在日
外国人による20万円の献金という問題は、政局にもな
らないような、小さな話、小さなミスです。
   そんなものを、大げさにがなりたてて、外相の首
を取って、なにがうれしいのでしょう。

   これでまた、日本の政府も国会も、一段と機能を
低下させてしまいます。
   日本がどんどん苦しくなります。
   
   それを、谷垣さん、あなたは「見事な質問だった」
というわけですか。

   しかし、これは、自民党だけの問題ではありませ
ん。自民党政権の時代、とくに、その最後の数年間、民
主党は、西田氏のようなことをたくさんやってきたので
す。
   麻生首相が漢字が読めないというので、国会の
質問で、民主党議員は、漢字の熟語のボードを持ち込み、
麻生首相に「この読み方と意味はわかりますか?」と聞
きました。一国の首相を、そうやって、嘲笑したのは、
民主党の議員です。
   福田首相、安倍首相も、同じように、民主党議員
が揚げ足を取り、退陣に追い込みました。
   松岡農水相の事務所費に不明な金額があることを
取り上げ、民主党は、執拗に追及しました。その挙句、
松岡氏は、なんということか、自殺してしまったのです。
   柳沢厚労相の「女性を子供を産む機械として計算
すると」という発言を、何度も何度も国会で追及し、国
会を機能不全に追い込んだのも、民主党です。柳沢氏が
どう説明し、あやまっても、民主党は、許さなかった。

   いま、自民党は、それと同じことをやっています。
   もし、これで衆院が解散され、総選挙になったと
すれば、間違いなく自民党が勝つでしょう。
   そうやって、自民党が政権を取ったら、今度はま
た野党に戻った民主党が、仕返しとばかり、自民党の閣
僚の小さな問題を発掘し、国会で質問して、閣僚を辞任
に追い込むでしょう。
   目に見えるようです。
   人間、だれだって、ひとつやふたつ、すねに傷を
抱えています。
   質問した自民党議員にだって、思い当たることが
あるでしょう。
   それを攻撃しあうのは、簡単です。
   しかし、それは、報復合戦です。
   行きつくのは、血で血を洗う報復合戦です。
   それは、武器を持たないだけで、実態は、ほとん
どテロ合戦となってしまいます。
   
   もう、正視に耐えません。

   前原外相に、在日韓国人が献金していたことが分
かった。しかし、いま、国会で、そんなことを攻め立て
る状況ではない。
   自民党の総裁、幹事長、ベテラン議員が「いまは、
そんなことをやっている場合ではない。そんな質問で国
会を紛糾させるのは、やめよう」と、どうしていえない
のでしょう。
   政治には、そうした節度と成熟を求めたい。

   民主党も、自民党も、もういい加減にしてくれ。
   そんなことをやっている間に、日本は、どんどん
窮地に追い込まれていく。
   あなたたちは、どうして、そんなことが分からな
いのだろう。




前原外相に外国人が献金・・・外国人って在日の人です。それは差別でしょう。西田議員の品性が問題です。

2011年03月05日 01時12分59秒 | 日記

  前原外相が、外国人から政治献金を受けていたとし
て、国会で、自民党の西田昌司氏から追及されました。

  西田氏は、もう、いい加減にしてもらいたいと思い
ます。
  この人は、本当にどうしようもない人物ですね。
  見下げ果てた男でしょう。

  というのも、前原外相に献金していた外国人という
のは、京都に住む在日韓国人です。在日韓国人を、こと
さら「外国人」とあげつらうのは、差別に等しいでしょ
う。そうして、西田氏は、外国人から政治献金を受ける
のは禁止されていると、鬼の首を取ったようにアピール
するのです。

  大阪や京都において、在日の人々は、暮らしに溶け
込んでいます。言葉は完全な日本語です。日本に生まれ
たのだから、そんなの当り前です。ご近所さんは、日本人
だと思って接しています。
  
  そういう在日の人には、国籍を日本に変更する人も
いますし、あるいは逆に、日本名を韓国名に戻す人もい
ます。
  ひとり一人考えがあって、そうしているのです。
 
  西田氏は、京都の選出です。
  であれば、そんなこと、百も承知のはずです。 
  それを、鬼の首を取ったように、言い募るというの
は、この人の品格のなさを示すだけです。

  しかも、献金したという在日の人は、1回5万円を、
4年間続けただけというのです。合計20万円です。
  この人は、飲食店の経営者で、依然から、前原さん
を応援していて、テレビのインタビューによると「私は
前原さんの営業のナンバーワンというてるんです」とい
うことです。
  そういう人が、年5万円を、4年間、献金したから
といって、なにほどのことがあるでしょうか。むしろ、
ほほえましいぐらいです。
  
   西田氏は、そういう人を「外国人だ」と言い募るの
です。
   西田氏に問いたい。
   それは、もう、在日の人に対する差別に等しい。
 
   むしろ、政治家ともあろうものは、
  「在日の人を外国人と呼ぶのはおかしい」
  「在日の人からの献金を禁じるのはおかしい」
  と主張してもいいぐらいです。

  日本に生まれ育ち、日本語を話し、日本に溶け込み、
日本でふつうの生活をしているけれど、たまたま、在日
だった。
  その人が政治献金をしたというので、どのぐらいの
ものすごい金額かと思ったら、年5万円を4年間、合計
20万円しただけだ。

  それを、西田氏は「外国人から献金を受け取ってい
た」と言います。
  前原外相は、潔く、それを事実として認めました。
  そうしたら、西田氏は「外国人から献金を受けるの
は法律違反だ」と言い募り、あろうことか、
  「前原氏は、大臣の資格がない。大臣どころか、国
会議員である資格がない」
  と決めつけました。

  こういうのを、
  「あほ」
  というのです。

  西田氏は、京都の選出です。
  京都は、大阪と並び、在日の人の多いところです。
  西田氏に献金した、あるいはパーティ券を買った人
を克明にチェックすると、一人や二人、在日の人がいる
のではないでしょうか。

  西田氏は、丸川珠代氏と並び、下品な野次を飛ばし、
つまらない質問をするので有名です。
  こういう人を国会に送り込んではいけません。
  選挙区の恥、日本の恥です。
  選挙区の方、そして、在日の方は、西田氏への抗議
行動をしてはいかがでしょうか。

  自民党の石原幹事長は、これを受け、さっそく、「前
原外相の責任問題だ」というようなことを話しています。
  お父さんの石原慎太郎氏が都知事選に出ないことを
表明して、石原幹事長は、自民党から猛烈な批判を浴び
ています。
  そういう状況で、矛先をかわすいいネタになったと
いう思いでしょうか。

  日本、日本経済が厳しい状況にあるときに、こんなさ
さいな話で、また国会を紛糾させてはなりません。

  前川外相は、こんなことで辞めるべきではありません。

  こんな話、こうやって批判している私自身が、なん
だか、はずかしくなってきました。
  きょうは、本当に、頭にきました。
  とにかく、西田氏を、次の選挙で当選させるようなこ
とがあってはならないと思います。


今後の出稿予定です。乞う、ご期待。

2011年03月03日 10時42分52秒 | 日記

 今後の出稿予定を記しておきます。

(1)新日鉄と住友金属が経営統合する意味は。
   かつて、新日鉄の会長は経団連会長になる
のが当然であり、稲山元会長は「鉄は国家なり」と
公言してはばかりませんでした。
   その新日鉄、日本の鉄鋼会社に、いったい
なにが起きたのでしょうか。


(2)日本が逆転された日・・・その後。
   日本のGDPが中国に逆転されました。
   第一稿を、その日に書き、続報を書きますと
記しましたが、まだ続報を書いていません。
   

(3)コンビニのポルノ。
   日本はいまや全国どこに行ってもコンビニ
があります。
   そのコンビニの雑誌売り場には、必ず、「18歳
未満禁止」の雑誌がたくさんおいてあります。
   この雑誌は、欧米の感覚では、ポルノそのものです。
   アメリカ人に「日本ではポルノは禁止されている」
というと、え?という表情をして、「コンビニは何なの?」
と笑いだします。
   たぶん、週刊ポスト、現代も、ポルノに分類され
るでしょう。
   どうしてこういうことになるのでしょう。

(4)企業で英語を公用語にするというのですが。
   そのばかばかしさは、いったい何でしょう。
   日本における英語の話を書きます。

(5)国際化とは何か?
   (4)とも絡みますが、国際化とはなにかを
問います。

(6)日本がこの長期の不況から脱出するには?
   このデフレから脱出するには、どうすればいいの
でしょうか?
   切り札があります。


(7)日本の外交と大阪人。
   北方領土をはじめ、日本の外交交渉は、大阪人が
担当するべきだと思います。
   まじめにそう思います。
   武士の外交ではだめでしょう。
   なぜか?

(8)週末映画ガイド
   週末は、映画ガイドをします。


  というようなラインアップを考えております。
  乞う、ご期待。