いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

東日本巨大地震(2)・・・福島原発が危ない。地震国・日本は原発と共存できるでしょうか。

2011年03月14日 22時54分19秒 | 日記

  福島第一原発の二号機の現状について、東電と経産
省保安院、そして、枝野官房長官の会見がありました。

  二号機の燃料棒は、一時、完全に露出して空焚きの
状態になったけれども、やがて海水の注入に成功し、全
長4メートルの燃料棒の半分ぐらいが海水にひたる状態
まで回復したそうです。

  しかし、露出した原因が、海水を注入するポンプの
燃料切れで、それは、ポンプの燃料計を職員が見ていな
かったため、というのです。
  この職員は、気が動転していたのでしょう。
  分かる気がします。
  一方的にこの職員を責めるわけにはいかないでしょう。
  しかし、そうはいっても、というところです。

  今回の地震は、津波による被害の大きさと、原発の
事故と、ふたつの側面ができてしまいました。

  原発のほうは、今後、果たして地震国・日本で、原
発がいいのか、という議論になります。
  原発は、結局のところ、核燃料をいかに制御するか
という話に尽きます。
  日本の原発は、何重にも安全策を施しているという
説明になっています。
  しかし、その説明は、今回の地震で、もろくも崩壊
してしまいました。

  なにか異常が発生すると、原発を緊急停止する。
  今回も、そこまではよかった。
  次に、燃料棒を冷やす。
  原発は、緊急停止しても、核燃料がしばらく熱いま
まで残る。それを水で冷却してやらなければなりません。
  その冷却システムを、しっかりと作ってあったはず
なのですが、今回は、地震でそのシステムがうまく機能
しなかった。
  それは、冷却システムの電源が、地震で切れたから
です。それがまた皮肉な話です。
  冷却システムが機能しなかった場合に備えて、ディ
ーゼルによる冷却装置を用意してあります。ところが、
今回は、やはり地震で、このディーゼル装置もうまく機
能しなかったというのです。

  それで、とうとう、海水を入れることにしました。
  海水を入れるということは、もう、この原発を放棄
するということでもあります。

  それでなんとかうまく行き始めたと思ったら、海水
を送り込むポンプの燃料が切れた。燃料計を見ていれば、
燃料がなくなるのは分かったはずなのですが、職員が燃
料計を見ていなかったというのです。

  どんなハイテクも、最後は人間が左右するという、
絵に描いたような話です。

  阪神大震災のときも、高速道路が横倒しに倒れまし
た。政府は、日本の高速道路はしっかり作ってあるから
大地震が来ても大丈夫だと力説していました。

  それが、もろくも崩れたのです。

  阪神大震災の高速道路といい、東日本巨大地震の原
発といい、絶対に安全なものはないということが、白日
の下にさらされました。

  日本は、電力供給のすでに3割が原発です。
  いつのまにか、世界の中で原発大国になってしまい
ました。
  
  スウェーデンが原発をやめるという宣言をしていま
す。しかし、では日本も、ということにはなかなかなら
ないのです。
  スウェーデンの人口は数百万人に過ぎません。
日本は1億2000万人です。もし、日本の人口が
今後、少子化で1億人を切り、9000万人ぐらい
まで減ったとします。約30%の減です。
そうやって初めて、電力供給の30%をまかなう原
発がなくなっても、電力は不足がなくなるーーとい
うことになるのです。

人口の少ない北欧諸国と日本を、簡単に比べるわけ
にはいきません。

何十年かに一度は必ず大地震に見舞われる日本で、
原発をどうするのか。
地震と原発は共存できるのか。

簡単に答えの出る話ではありませんが、しかし、「原
発は安全です」という言い方では、もう、国民は納
得しないでしょう。
福島原発の不幸な事故を無事に乗り越えたら、謙虚
に考え直す必要があるように思います。





東日本巨大地震(1)・・・発生当時は26階にいました。いま福島原発で炉心が完全露出との一報です。

2011年03月14日 20時25分11秒 | 日記

  今回の地震には、本当に驚きました。
  11日の金曜日の午後2時46分、地震が起きたと
きは、東京・丸の内の高層ビルの26階にいました。
  
  阪神大震災のときは、直下型地震だったので、地面
の下からドンと突き上げるような地震でした。
  しかし、今回、東京は震源から遠かったので、いき
なり横揺れから始まりました。
  その横揺れが半端なものではありません。
  揺れるたびに、振幅が大きくなっていきます。
  立ってはいられない揺れというのを、初めて経験し
ました。
  このビルが崩れたら死ぬぞと、そのとき、思いまし
た。

  いま14日、月曜日の夜8時15分です。
  ここまで書いていたら、福島第一原発の2号機で、
燃料棒が完全に露出という一報が入ってきました。

  これは、ちょっとまずいですね。
  炉心溶融です。
  スリーマイルアイランドの再現です。

  チェルノブイリは、炉心が完全に外気まで触れるよ
うな事故でしたが、スリーマイルアイランドはそこまで
は行きませんでした。
その意味で、福島はまだスリーマイルアイランドの
段階です。
それが救いです。

 しかし、福島も、このまま行くと、炉心が外に出て
しまいます。
 そうなると、チェルノブイリの再現になってしまい
ます。

 ちょっと、福島の様子を見たいと思います。