いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

民主党の代表選・・・自民、民主で、党首になりながら首相になれなかったのは。

2014年12月22日 11時41分32秒 | 日記

 民主党の次の代表選挙が始まりました。
 候補者として、細野豪志氏や岡田克也氏らの名前が
挙がっています。

 09年から12年まで民主党政権が続いたので、
当時は、民主党代表は、そのまま日本の首相になっていました。
順番でいえば、鳩山由紀夫氏、菅直人氏、野田佳彦氏です。

 その前は、まだ民主党が政権を取っていなかったので、鳩山氏
より前の民主党代表は首相になっていません。
 そのうちの一人が、岡田氏です。
 もちろん、今回退陣した海江田万里氏も、民主党代表でした
が、首相にはなれませんでした。

 首相になったことのない党首は、自民党でもいます。
 民主党が政権を取っていたとき、自民党総裁は、谷垣禎一氏で
した。
 谷垣氏は、党内では有力な首相候補でしたが、たまたま、めぐ
りあわせで、自民党が下野したときに総裁になったため、首相に
はなれませんでした。

 少しさかのぼれば、1990年代、河野洋平氏も、自民党総裁
にはなりましたが、そのときは、反自民の小政党が結集して政権
を取り、細川護煕氏が首相になっていました。
 河野洋平氏は、体調の不良もあり、第一線からは退いた感じが
あります。
 そうなると、党首をしながら首相になっていないのは、民主党
では岡田氏、自民党では谷垣氏ということになります。
 
 当然ですが、岡田氏、谷垣氏は、心の中に、くやしさを秘めて
いるでしょう。

 自民党はしばらくは安倍首相が総裁を続けるでしょうから、谷
垣氏の出番は、もう少し先のことになります。

 一方、民主党の岡田氏は、新聞で報じられる発言を見ても、や
る気満々、民主党の代表を狙っているようです。
 
 今回の選挙で、自民党が圧勝しましたから、安倍首相も、衆議
院議員の次の任期が来る4年後までは、そのままとどまるでしょ
う。ですから、民主党が政権に戻る可能性は、しばらくはありま
せん。
 岡田氏が民主党代表になっても、首相になる可能性は少ないと
思いますが、しかし、代表になっていないと、首相に立候補する
資格さえありません。岡田氏は、今回、どうしても、民主党の代
表になりたいところでしょう。

 しかし、民主党、今の様子を見ていると、政権に復帰するとい
うことを、ちょっと想像もできません。
 民主党から、危機感みたいなものがまるで感じられません。
 こんなに弛緩した状態でいいのかと思います。

 余談ですが、今回の衆院選の選挙運動で、おもしろいエピソード
がありました。
 岡田氏が、地方に応援に出向き、さびれてしまった駅前で、マイク
を握ったときのことです。
 ごたぶんにもれず、その駅前の商店街も、多くの店が閉店して
しまい、シャッターの下りた店が並ぶシャッター通りになってい
ました。
 そこで岡田氏は、集まった聴衆に、
 「みなさん、ご覧ください。
  このシャッター通り、これが、アベノミクスの結果ですよ」
 と訴えました。
 すると、聴衆から、大きな声で野次が飛んだそうです。
 「違う。それは、イオンのせいだ」
 と。
 もちろん、岡田氏は、スーパーのイオンの一族です。
 この野次は、痛烈でした。
 民主党は、そういう疑問にも答えていかなければなりません。
 しかし、民主党、その覚悟があるでしょうか。


総選挙は自民党の圧勝でした・・・民主党は小渕氏の選挙区に候補者さえ立てられませんでした。

2014年12月17日 11時15分55秒 | 日記

 総選挙が終わりました。
 自民党の圧勝、民主党の惨敗です。
 選挙の話はもうあちこちで書かれていますが、やはり、ここは
ひとつ、書いておかなければならないでしょう。
 
 今回は、民主党の話を書きます。

 民主党、まことに、なさけなかったですね。
 安倍首相が解散・総選挙に踏み切るきっかけのひとつになった
のは、小渕優子氏の資金問題と、松島みどり氏のうちわ問題でし
た。
 それを国会で攻撃したのは、民主党です。

 松島みどり氏は、前回の選挙で、自分の公約を書いたうちわを
配り、それが選挙違反だとして、民主党の蓮紡氏が、国会で鬼の
首を取ったようにして、攻めたてました。

 小渕氏は、明治座で後援会向けの観劇会を開いた際、後援会か
ら集めたお金が記載されていないというのが問題になりました。
 これは、週刊誌がスクープして、明らかになりました。
 民主党の手柄ではないのに、民主党が、これも鬼の首を取った
ように、国会で追及したのです。

 民主党の追求で、松島氏は法務相を、小渕氏は経産相を、それ
ぞれ、辞任せざるをえませんでした。
 当時、海江田代表は、これでもっと自民党を追及すると、胸を張ったものです。

 さて、民主党のなさけなさは、ここにあります。

 第一に、自民党の議員のミス、失策を見つけてきて、あげつら
い、閣僚の辞任に追い込んでも、
 「民主党、よくやった」
 と評価する有権者は、もう、どこにもいないだろうということ
です。
 国民・有権者は、自民党のミスをあげつらって攻めたてること
を、野党第一党に求めているわけではありません。
 ところが、あのとき、海江田代表をはじめ、民主党の幹部から
は、「よくやった」というような声しか聞こえてきませんでした。
 かつて、1960年代、70年代、自民党と社会党が対立して
いた時代には、そういう手法がなにがしか支持されたこともあっ
たでしょうが、しかし、もう、時代はとっくに変わりました。
 どうして、民主党は、そんなことが分からないのでしょうか。

 第二に、そうやって閣僚を二人も辞任させたら、追い込まれた
首相が、一気の逆転を狙い、衆議院の解散に踏み切ることがある
かもしれないということを、当の民主党は、どうして少しも考え
なかったのでしょう。
 これは、民主党の、あるいは、民主党議員の想像力の欠如とい
う問題ではないでしょうか。

 第三に、小渕氏をあれだけ攻めたてながら、今回の選挙で、小
渕氏の選挙区で、民主党は、候補者さえ立てませんでした。
 小渕氏の選挙区は群馬5区ですが、立候補したのは、自民党の
小渕優子氏、社民党の小林人志氏、共産党の糸井洋氏の3人でし
た。
 あれだけ小渕氏を責めたのですから、民主党は、候補者を立て
るのが、責任ある態度でしょう。
 群馬5区にも、小渕氏の対応が嫌になり、今回は、小渕氏以外
の候補者に投票しようと考えた有権者もいたはずです。
 ところが、民主党は、その受け皿さえ、用意していません。
 申し訳ないけれど、社民党と共産党が、小渕氏に勝てるとは思
えない。有権者だって、勝ち目のない人に投票しようとは、なか
なか思えないでしょう。
 しかし、社民党の共産党は、健闘しました。
 投票結果を見てみましょう。

 小渕優子(自民) 114、458票 
 小林人志(社民)  23,590票
 糸井 洋(共産)  23、121票

 どうですか。
 社民の小林氏と、共産の糸井氏を足すと、
4万6711票
になります。
小渕氏の半分にも届きませんが、小渕氏を少しはひやりとさせ
る得票数です。

もし、民主党が候補者を出していれば、勝てないにしても、も
う少し肉薄できたのではないでしょうか。
それなのに、民主党は、候補者さえ立てていない。
 前の国会で、あれだけ小渕氏の資金問題を攻めたてたのは、い
ったい、なんだったのでしょうか。
 
 ついでに、松島みどり氏の選挙区も見ておきましょう。
 投票の結果は次のようになっています。

 東京14区
 松島みどり(自民) 87,546票
 木村 剛司(民主) 63、377票
 阿藤 和之(共産) 37、089票

 松島氏が当選していますが、民主の木村氏と共産の阿藤氏を足
すと、10万466票となって、松島氏をはるかにしのいでいま
す。
 民主と共産の候補者の調整というのは、まず共産党が受けない
ので、無理でしょう。
 しかし、民主党は、共産の得票が民主の半分以上もあるという
ことを、真剣に反省しないといけません。
 
 うちわ事件での松島氏の対応は、まことに見苦しいものでした。
 東京の有権者で、松島氏には投票したくないという人はそれな
りの数あったと思います。この投票結果を見ると、そういう人た
ちが、民主ではなく、共産に投票していることが分かります。
 民主は、松島氏のうちわ事件を攻めたてたのに、票は民主では
なく、共産に行ったのです。
 ここから分かるのは、
1) 松島氏のうちわ事件は不細工な話だし、対応もよくない
から、松島氏には投票したくない。
2) しかし、松島氏のうちわ事件を追及した民主党のことは
あまり評価していない。
――という有権者の姿です。
松島氏が自分で転んだだけということです。

 民主党は、海江田代表が落選しました。
 選挙区で負け、比例復活さえできないというひどい負け方でし
た。
 気になるのは、選挙後の民主党に、代表が落選したんだから、
これで敗戦のけじめがついたと考えているような、ゆるい空気が
感じられることです。
 海江田氏が当選していれば、党内で、海江田氏の責任を問う声
が高まり、激しい抗争が起きたでしょう。それによって、それな
りの緊張感も続いたと思います。
 しかし、海江田代表が落選して、代表を辞任したため、そうい
う抗争さえ、起きる気配がありません。

 自民党に対する最大野党が、こんなていたらくで、いいはずが
ありません。
 民主党は、奮起せよ。






五輪の分散開催には反対します(1)・・・平昌を日本でやれば、必ず、東京も韓国でという話になります。

2014年12月10日 23時48分03秒 | 日記

 夏と冬の五輪を、複数の国で分散開催するという案が、
にわかに浮上しました。国際五輪委員会(IOC)のトー
マス・バッハ会長が、一連の改革案を、アジェンダ2020と
して、IOC総会で提案し、承認されたものです。

 これで、焦点が当たったのが、2018年に韓国の平昌
で開かれる予定の冬期五輪と、2020年の東京五輪です。

 具体的には、平昌五輪の競技のうち、一部を日本で開い
てはどうかというものです。

 結論を先に書くと、この分散開催には、当ブログは、絶
対反対です。
 理由は、韓国で開かれる冬期五輪の競技の一部を日本で
開くことになれば、もう、間違いなく、韓国から、東京の
夏の五輪の一部競技を、韓国で開きたいという要求が出て
くるからです。
実際に、韓国の新聞各紙は、アジェンダ2020を受け
て、一斉に、分散開催を支持する社説を書き、平昌五輪を
日本で分散開催するだけではなく、東京五輪も韓国で分散
開催するべきだと、当然のように、主張しています。

 こんなことがあってはなりません。

 というのも、平昌五輪の一部競技を日本で開いたらどう
かという議論が出たのは、平昌五輪の準備が遅々として進
んでいないからです。

 韓国は平昌五輪を誘致したとき、ソウルから五輪会場ま
で高速鉄道を敷く計画を表明していましたが、平昌五輪が
決定するとすぐ、この計画を撤回しました。

 もともと、平昌には、五輪施設を建設する財政力がない
ことが分かっていました。
 平昌は国をあてにしていたのでしょうが、国も、動きま
せん。
 そのため、施設の建設の見通しがなかなか立ちません。
視察に来たIOCの委員は、準備が進んでいないことに危
機感を持ちます。

 施設もそうですが、そもそも、平昌には雪がそんなに降
らないのです。
 というより、韓国は高い山がなく、雪が少ない。
 だから、スキーには適していないのです。

 そんな平昌で冬の五輪ができるのか。
 韓国の国内でも、平昌五輪の返上論が出るほどです。

アジェンダ2020の分散開催は、そんな状況で提案さ
さました。
                (続く)
 



党首討論会が開かれました・・・非常に違和感を感じました。違和感の原因は、2点あります。

2014年12月02日 00時04分36秒 | 日記

 総選挙に向け、与野党の党首による討論会が、12月1
日、日本記者クラブの主催で開かれました。
 見ていて、いくつか、非常に違和感がありました。
 違和感の原因を考えていて、2つ、思い当たりました。
 きょうは、そのことを書いておきたいと思います。


(1)維新の党の代表は江田氏でいいのか。
 まず、維新の党です。
 この党首討論会に、維新の党から、江田憲司氏が出てい
ました。
 ここに、江田氏が出ていることに、非常に違和感を感じ
ます。



 江田氏は、橋下徹氏とともに、維新の党の共同代表だそ
うです。
 共同代表だから、党首討論に出ても、おかしくはないの
でしょう。
 しかし、そんなことは、形式的な話です。

 江田氏は、つい最近まで、「みんなの党」の幹事長だっ
たのです。みんなの党は、渡辺喜美氏が代表として作った
党で、初めのころは、渡辺氏と江田氏が二人三脚でそれな
りの勢力を持っていたのです。
 しかし、江田氏と渡辺氏はやがて対立し始め、今年、と
うとう、江田氏がみんなの党を離党しました。

 江田氏は、その際、みんなの党で仲間を募り、新しく「結
いの党」を作りました。当然、江田氏が代表です。

 夏が過ぎると、江田氏は橋下徹氏と接近し、結いの党を、
そっくり、維新の党に合流させました。
 そして、勢力を拡大した維新の党で、江田氏は、橋下氏
とともに、共同代表に就任したのです。

 そして、12月1日の党首会談には、維新の党を代表し
て出席し、安倍首相の隣りに座ったというわけです。

 振り返ってみると、
 みんなの党の幹事長
 結いの党の代表
 維新の党の共同代表
という変遷です。

 たった1年でこれです。
 まさしく、
 ホップ ステップ ジャンプ
 です。

 江田氏にすれば、してやったりというところでしょう。

 逆に、渡辺喜美氏にしてみれば、地団駄を踏むような思
いでしょう。
 なにしろ、つい最近まで、みんなの党で、渡辺氏が代表
をしており、その下の幹事長に江田氏がいたのですから。
 もし、どこかでもう少しうまくやっていれば、1日の党
首討論会で、維新の党を代表して、安倍首相の隣りに座っ
ていたのは、渡辺喜美だったかもしれないのです。
 渡辺氏にしてみれば、これほど、くやしいことはないで
しょう。

 江田氏は、してやったりということなのでしょうが、し
かし、有権者として見れば、いくらなんでも軽すぎます。
 わずかの間に、これだけ党を変え、ポストを変えれば、
有権者としては、いったい何なんだろうという思いになり
ます。
 はっきりいえば、不信感です。

 もっといえば、橋下氏もおかしい。
 維新の党は、橋下徹氏が作った党です。
 そんなことは、だれもが知っている。
 江田氏など、最後の最後に、ぱっと来ただけです。
 いまでも、維新の党といれば、橋下徹氏です。

 そうであれば、1日の党首討論会は、橋下氏が自分で出
るべきだったでしょう。

 橋下氏が出ていれば、座りもよかった。
 だれも、文句を言わないでしょう。
 違和感もなかった。

 きっと、維新の党の内部にも、江田氏に対する不満が出
ているはずです。

 橋下氏も、江田氏も、策士タイプの政治家です。
 
 策士、策におぼれる。
 1日の党首討論会を見ていて、しみじみと、そう思いま
した。
 もしかすると、維新の党は、総選挙を前に、とんでもな
い失敗をしたのではないですか。

 そうそう。
 ひとつ、大事なことを書き忘れていました。
 維新の党は、大阪が発祥の地であり、大阪が拠点です。
 そして、大阪の人は、江田氏のようなタイプが好きでは
ないということです。
 もしかすると、維新の党は、江田氏が共同代表となって
党首討論にまで出てきたことによって、肝心の大阪での票
を失ったかもしれません。

(2)党首討論にユーモアがない。
この日の党首討論は、どこか、ぎすぎすしていました。
 なぜだろう。
 
 与党・自民党の党首である安倍首相と、野党・民主党の
海江田代表に、ともども、ユーモアというものがないので
す。
 2人とも、どうにも、ユーモアのセンスがない。
だから、記者とのやりとりに、トゲが出る。
トゲが出るから、討論会で、思わず会場が爆笑するとい
うようなことが、いっさいありません。

 安倍首相という人は、記者から質問で突っ込まれると、
ムキになる。ムキになって、気色ばんで、答えます。まる
で、質問した記者を攻撃するような感じになります。
 もっとユーモアを交えて答えればいいのにと思うのです
が、あまりにムキになって答えるから、なにか、余裕がな
いように見えてしまう。
もっとユーモアを持って、討論に臨んでほしいと思いま
す。

 一方の海江田氏は、これがまた、安倍首相に輪を掛けて、
ムキになる。ユーモアのセンスという点においては、安倍
首相よりもっと悪いのではないでしょうか。
海江田氏は、記者の質問に対し、一生懸命答えようとす
るのですが、ちょっと突っ込んだ質問が来ると、自分を防
衛しようとするような答え方になります。
記者がいじわるな質問をしたら、ユーモアを持って切り
返せばいい。質問する記者の側も、いじわるな質問で海江
田氏をとっちめようなどとは思っていません。いじわるな
質問に対し、ユーモアのある答えを返してくれればいいな
と思っています。
 ところが、残念ながら、海江田氏は、そういうことの出
来るタイプの政治家ではないのですね。

 安倍首相も海江田代表も、少しタイプは違うけれど、同
じように生真面目で、同じようにユーモアがない。
 だから、党首討論会も、討論が進めば進むほど、ユーモ
アという潤滑油が切れ、ぎすぎすした雰囲気になってしま
うのです。

 ユーモアがあれば、ぎすぎすした空気も、いっぱつでな
ごやかなものにすることができる。
 しかし、残念ながら、日本の与野党の党首・代表には、
ユーモアのセンスがない。
 まったく、困ったことです。