いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

国会の原発調査委と菅前首相。そして民主党の悲しさ・・・菅直人氏は首相になる人ではなかったのです。

2012年05月29日 23時28分22秒 | 日記

 原発をめぐる国会の調査委員会で、菅直人・前首長が参
考人として呼ばれ、質問に答えました。

 聞いていて、私の考えはというと、
 菅直人という人が一生懸命だったことは認めますが、し
かし、組織の長、組織のリーダーではなかったなあ。
 ということです。

 それが端的に出たのは、原発事故の翌日、2011年3
月12日に、自ら、ヘリコプターで原発の視察に向かった
ことをめぐる質疑です。
 首相が事故を起こしている最中の原発に向かったのは、
現場の作業を邪魔して、事故への対応を遅らせただけでは
ないのかーーというのが、菅氏への批判です。

 これに対して、菅氏は、
1) 私のところに情報が上がってこないので、状況が
全然分からなかった。
2) だから、現場に行って、どうなっているのか実際に
    確かめたかった。
3) また、現場の人と会って、顔と名前が一致すると
いうことも大事だと思った。
――と答えました。

 うーむ。
 これを聞いていて分かるのは、菅氏というのは、こうい
うことをしたのが悪かったとは、いまも、まったく思って
いないーーということです。
 いや、むしろ、菅氏は、いいことをしたと思っているの
ではないでしょうか。

 もし菅氏が、運動部のキャプテンであるとか、会社の課
長とか係長であるとか、あるいは、組織の中間管理職であ
るとかなら、こういう行動は、賞賛されるかもしれません。
 しかし、日本という国の文句なしにトップにいる首相と
いう肩書を持てば、話は別です。首相が、こういうことを
してはいけないのです。
首相は、中間管理職ではありません。
そこのところを、菅氏はまったく理解していないのです。

 そう書いてしまうと、なにやらえらそうな話に聞こえる
でしょうから、私自身の経験を書いてみましょう。
 G7サミットとか、日米首相会談とか、大きな国際会議
を想定してください。
 そうした会議では、最後に、記者会見があります。
 当然、大勢の記者が会見に出ます。
 それはそれでいいのですが、会見の時間が、新聞やテレ
ビのニュースの締め切りに近い場合が、よくあります。
 大きな国際会議は何人かの記者でチームを組んで取材に
当たります。そういう場合、最後の記者会見に、つい、全
員で入ってしまうのです。これが、間違いのもとです。
 だれか一人、具体的にはその取材チームのリーダー格の
人間が、会見場の外にいて、原稿の取りまとめをしないと
いけないのです。
 もう締め切りが来ているというときに、取材チームのリ
ーダーまで会見場に入ってしまうと、原稿のとりまとめが
できず、締め切りに間に合わなくなります。
 もちろん、本来なら、会見にはリーダーこそ入るべきで
しょう。締め切りまで時間があって、余裕があるという場
合は、リーダーも、会見場に入り、会見の様子を自分で知
るべきでしょう。
 しかし、締め切りが来ていて、切迫しているというよう
な場合には、リーダーは、会見場の外にいて、原稿のとり
まとめに当たるべきなのです。
 そういうことは、経験をして、初めて分かります。
 経験しないと分からないことですし、経験したことは次
の人に伝えていかなければなりません。

アメリカの場合、
「リーダーシップは訓練で身につけることができる」
「リーダーは育てられる」
という考え方があります。
アメリカはマニュアルの国ですから、
「リーダーシップの取り方」
 というような本があったりします。

アメリカの手法がいいか悪いかはひとまずおくとして、
日本の場合、リーダーを訓練で育てようという風土はあり
ません。
それなら、リーダーシップは、経験で身につけるしかあ
りません。

 そういう視点で菅氏を見ると、菅氏は、長い間、
リーダーとして、どう行動すればいいのか。
リーダーは、どう行動するべきか。
ということを経験する場面がなかったのだろうと思いま
す。

これは民主党の政治家の多くに言えることなのですが、
民主党はずっと野党だったので、実際に責任のある与党
として仕事をしたことがありませんでした。
だから、そういう「経験」を積む機会がなかったのです。
「経験」を積まないまま政権与党になってしまったのが、
民主党の悲しさであり、民主党の失敗です。
 
 佐高信氏が、田原総一郎氏との対談で、おもしろいこと
を話しています。
 ・・・菅直人という人は、事務局長みたいな意識がある。
閣僚になっても、たとえば、会議のあと、椅子の後片付け
をするんです。そんなことをしなくてもいいといっても、
彼は、それが自分の仕事だと思っている。・・・
 
 普通なら、これは、美談になります。
 会議のあと、役員が自ら椅子や机の後片付けをする。
 いい話です。
 しかし、首相になって、それをやってはいけないのです。
 私たち国民は、首相に、椅子や机の後片付けをやっても
らおうと思って、民主党に投票したわけではありません。

 原発事故を見に行こうとしたこと、現場の人の顔と名前
を知りたいと思ったこと。
 それは、立場が違えば美談になるでしょうが、しかし、
首相が、それをやったら、暗愚になります。
 なによりも、国民は、首相にそんなことをやってもらお
うと思って民主党に投票したわけではないのです。

 悲しいかな、菅直人氏は、そこが、決定的に分かってい
ないのです。

 今回の原発事故に際し、彼がやらなければならなかった
のは、調査委員会で菅直人氏が説明したことでいえば、
 1)の、首相のところに情報が全然来なかった
 というところです。
 これは、首相として、断固、即座に、改めるべきでした。
 とにかく、情報を、全部寄こせ。
 情報がどこかで止まっているなら、その場所と原因を突
き止めて、情報が流れるようにせよ。
 即刻、そうせよ。
 それが出来ないものは、解任する。
 そう言って、そこを改めるべきだったのです。

 ところが、彼は、情報が来ないからといって、自分で原
発を見に行った。
 これは、会議の後、だれも椅子を片付けないから、じゃ
あ、俺が片付ける、というのと同じです。

 菅前首相が、一生懸命だったのは、その通りでしょう。
 しかし、菅氏は、首相になってはいけなかったのだと思
います。

民主党に、そのことが分かっている政治家はいるのでし
ょうか。いることを心から望みます。




統一球はプロ野球から魅力を奪いました・・・1-0,2-1の試合ばかり。逆転がなくなってしまいました。

2012年05月26日 21時46分41秒 | 日記

統一球の続きです。

 統一球になって、プロ野球がつまらなくなった話です。
 前回は、打球の音が悪くなって、「快音」が消えたこと
を書きました。

 今回は、試合展開の話です。
 統一球で試合展開がどうなったかというと、
 1-0 とか、2-0、2-1
 という最少スコアの試合が増えました。
 増えましたといより、最少スコアの試合ばかりです。

 ただ最少スコアの試合というのではなく、
 1-0とか2-0
 という完封試合が非常に多くなりました。

 これを、訳知りの方は、
 「スモールベースボール」
 といって、評価したりします。
 それがそれがプロの試合だというわけです。

 いや。
 それが、間違っているのです。

 1-0とか、2-0,せいぜい2-1の試合というのは、
いったい、どういう試合でしょうか。
 ひとつは、終盤での逆転がないということです。
 実際、きのう5月25日の試合後、巨人の原監督は、
 「統一球になってから、先制点が非常に重要になりまし
たね」
 と話しています。

 1-0とか2-0というスコアは、そうなんです、先制
点を挙げたほうが勝つということです。
 実際、今シーズンのプロ野球を見ていると、だいたい、
先制点を挙げたほうが、そのまま勝っています。

 7回、8回も、なんということなく、バッターが打ち取
られている。

 これを「スモールベースボール」などと呼んではいけま
せん。それは、たぶん、スモールベースボールの定義が違
うのです。
 
 なにがいけないか。
 一言でいいましょう。
 1-0とか2-1の試合って、見ていて、つまらないの
です。

 終盤、7回、8回で、1点負けていたら、統一球のプロ
野球では、まず、逆転できない。
 3点差、4点差あっても、終盤で逆転してくれる。そう
いう夢を、私たちファンは見るのです。
 逆転がない野球というのは、夢がありません。
 統一球は、その野球の夢をつみとってしまいました。

 こんな試合を
 「スモールベースボール」だとか、
 「技を磨いて、小技で点を取れ」だとか、
 言ってはいけないのです。

昨シーズンと今シーズン、何度か、東京ドームに足を運
びました。
 そのうち、何回か、本当に、途中で眠くなってしまった
のです。
 長年、野球を見ていますが、球場で眠くなったのは初め
てです。
 そのぐらい、つまらなくなりました。

 9回やって1-0の試合なんて、本当につまらないです
よ。

 しかし、1-0や2-1でもエキサイティングな試合が
あります。
 たとえば、これまで2回開催されたWBC(ワールド・
ベースボール・クラシック)です。
 前回のWBCで、サムライジャパンと、韓国の試合は、
最後まで最少得点の試合でしたが、これは、本当に手に汗
握りました。
 こういう試合は、両チームとも、手堅い試合運びになり
ます。打者は長打よりも進塁打を選択し、投手もエース級
のリレーとなります。だから、どうしたって、最少得点を
争う試合になります。見る側も、たった1点に、一喜一憂
するのです。
 これを、スモールベースボールと呼ぶなら、その通りで
す。

 しかし、そんな展開は、WBCとか、公式戦の優勝争い
とか、日本シリーズとか、そういう特別な試合で見てこそ、
おもしろいのです。
 手に汗握りますからね。

 ペナントレースは144試合あります。
 その毎日の試合を1-0とか2-1ばかりやっても、手
に汗握らないのです。
 それはただ、つまらない試合になるだけです。

 いまのプロ野球を、もう一度、見てください。
 ヒットは、三遊間をゴロで抜けていくものが圧倒的に多
い。
 三遊間のゴロのヒットというのは、凡打のショートゴロ
と紙一重です。
 ゴロを打ってしまったけれど、たまたま、飛んだコース
がよくて三遊間を抜けるヒットになったーーというので
す。

 ヒットというのは、快音を発し、ライナーが外野に飛ん
で行くものであってほしいですね。

 もうひとつ。
 終盤の逆転がないというのは、ホームランが減ったとい
うことでもあります。
 統一球で、本当にホームランが減りました。
 
 巨人に移籍して4番を打っている村田なんか、いま現在、
まだ3本のはずです。
 
 やはり巨人の小笠原は、フルスイングがトレードマーク
ですが、フルスイングしても長打が出なくなり、すっかり
フォームを崩してしまいました。もしかすると、今年限り
で引退ではないでしょうか。

           ***

 球場には、3万人、4万人の観客が集まります。
 快音を残し、バッターが打った球が、大きな放物線を描
いて、スタンドに向かって飛ぶ。
 入るか、捕られるか?
 そのとき、3万人、4万人の観客の目が、ただひとつの
白球を追うのです。そのとき、一瞬、球場は静まりかえり
ます。
 
 それが、野球の魅力のひとつです。
 統一球は、野球の魅力を、すっかり奪ってしまいました。
 
 これでは、プロ野球は、寂れると思います。



プロ野球の統一球は野球をつまらなくしました・・・これは、スモールベースボールとは別の話です。

2012年05月25日 17時13分48秒 | 日記

 プロ野球の統一球が、最近、にわかに話題になってきま
した。
 統一球は、去年から日本のプロ野球が採用したボールで、
アメリカのメジャーリーグのボールに近づけたということ
になっています。
 とくに、いまの加藤コミッショナーの考えが大きいと聞
いています。加藤コミッショナーは、ワシントンで駐米大
使だったという官僚で、日本のプロ野球をアメリカのメジ
ャーと同じ土俵でやりたいという考えがあるようです。



 さて。
 この統一球が、飛ばないのです。
 私自身、何度か球場に試合を見に行きましたが、本当に、
ボールが飛びません。

 そこで、今シーズンに入って、プロ野球の選手会が、コ
ミッショナーに対し、
 統一球のあり方を見直してほしい
 という要望を出しました。

 新聞によると、3月末にメジャーリーグのマリナーズと
アスレチックスが日本に来たとき、日本の選手が、統一球
とメジャーリーグのボールを比較したということです。二
つのボールを床に落としたところ、メジャーのボールのほ
うがよくはずんだというのです。
 たしかに、阪神の金本選手は、メジャー球を使ったアス
レチックスとの親善試合で、右翼上段まで届くホームラン
を打ちました。しかし、統一球を使った日本の公式戦では、
そんな大きなホームランを打っていません。

 シーズンが始まってからは、報知新聞によると、巨人の
ホールトン選手が、
 「メジャーのボールのほうが飛ぶ」
 と発言したそうです。

 しかし、これに対しては、違う意見もあります。
 4月に新聞に載った投書では、こう書いてありました。
 ーーボールが飛ばなくても、犠打とか盗塁とか技を使っ
  て点が取れる。プロ野球の選手は、いまこそ、技を磨
  いてほしい。

 いわゆるスモール・ベースボールです。

 この投書を受けた同じ新聞のコラムでは、この投書を支
持するような考えが述べられていました。

        ***

 以上が、統一球をめぐる現状と、賛否の意見です。

 間違いなく、統一球は、飛びません。
 結論からいうと、私は、統一球は廃止して、元のボール
に戻すべきだと思います。

 「犠打や盗塁で点を取ればいい」というスモールベース
ボールの考え方や、「いまこそプロ野球選手は技を磨いて
ほしい」という考え方は、実のところ、統一球に対しては、
間違った考え方だといわざるをえません。

 どうしてでしょうか?
いくつか、理由がありますが、簡単にいえば、
 プロ野球がつまらなくなった
 ということです。
本当に、プロ野球がつまらなくなりました。

 第一に、球場に行ってみて、非常に違和感があるのです。
 なんだろうと思っていて、はっと気がつきました。
 打球の音がよくないのです。
 統一球が採用される前は、投手の投げたボールを打者が
打つと、
 「カーン」とか「キーン」、
 「カキーン」
 あるいは、速い打球の場合は
 「キンッ」
 という音がしていました。
 この音を日本語でいえば、
 「金属音」「鋭い音」「乾いた音」
 ということになります。
 もっと簡単にいえば、 
 「快音」 
 です。

 試合が始まる前の打撃練習を見ているとさらによく分か
ります。 
 打撃練習では、以前は、打者がボールを打つと、
 コーン
 という軽い音を立てて、ボールが外野に飛んでいました。

この乾いた音が、野球を見る醍醐味のひとつだったので
す。
 この音こそが、「快音」だったのです。

 実況中継のアナウンサーは、かつて、よく
 「小笠原の打った球は、快音を発し、外野席に飛んでい
きました」
 などと中継をしていました。
新聞の運動面でも、
 「ツーアウト2塁、小久保の打球は快音を発し」
 という書き方をしていました。

 ところが、統一球では、この「快音」が消えてしまった
のです。

 実際に球場で見ていると、打者の打った球は、いま、
 「ゴツッ」とか、
 「ゴン」「ゴツ」
 というに鈍い音になっています。

 いい当たりの長打が出ても、
 「カキーン」ではなく、
 「ゴツーン」という鈍い音しかしません。

 これは、テレビのプロ野球中継を見ていても、よく分か
りません。一度、テレビで、打者の打つ打球音を聞いてみ
てください。 
 カキーンという音がすることはなく、
 ゴツッという音がします。

 そうです。
 統一球になって、プロ野球から
 「快音」
 が消えてしまいました。

 いまあるのは、鈍い音だけです。

 これが、プロ野球をつまらなくしてしまいました。
 
 私たちは、プロ野球に、爽快感を求めます。
 日常生活にはない爽快感がほしいのです。

 カキーンという快音は、まさに、爽快な音でした。
 それは、ある種のカタルシスでした。
 あの軽快な音を聞いて、私たちは、なにか楽しい気分に
なったのです。

 統一級は、その「快音」を奪ってしまいました。

 これは、犠打や盗塁で点を取ればいいという考え方とは、
まったく別の次元の話です。
 野球の快感という話なのです。

 同時に、選手は技を磨けばいいというものでもないので
す。
 どんなに技を磨いても、統一球の打球音は「ゴツッ」と
いうままでしょう。
それは、技とは関係がないのです。

 統一球でやる野球は、快音がない。
 それは、野球から快感を奪い、
 プロ野球をつまらなくしてしまいました。

                 続きます。



今度は福岡市長が禁酒要請を・・・これを冷笑するのは、また、インテリの欠点です。

2012年05月22日 21時06分37秒 | 日記

 きのうに引き続いて、きょうもまた、インテリの弱さの
話を書きます。

 福岡市の高島市長が、市職員に、1か月間、外でのアル
コールを慎むよう、要請しました。
 飲酒運転など、お酒を飲んで警察につかまる市職員が毎
月のように出ることに、業を煮やしたものです。


 何年か前、飲酒運転をしていた福岡市の職員が前の車に
追突し、前の車が川に転落、乗っていた3人の子供が死ん
だという事故がありました。この事故を契機に、飲酒運転
に対する批判が全国的に高まり、飲酒運転は悪いことだと
いう意識がかなり浸透してきました。
 ところが、福岡市では、市職員による飲酒事故が相変わ
らず続くのです。
 
 そこで、高島市長の「禁酒要請」となったものです。
 もっともなことのように思えます。

 しかし、きょう22日、テレビのワイドショーを見てい
ると、司会者やコメンテーターたちが、あまり賛成しない
のです。

 典型的だったのは、フジの小倉智昭氏です。
 彼は
 「これは、個人の資質の問題ですからねえ」
 と言うのです。

 小倉氏から振られたコメンテーターは
 「なんだか、小学校の先生が生徒を指導するような話で
すねえ」
 と、冷やかすのです。

 ほかにも、なんとなく、「そこまでしなくても」という
感じがあるようです。 

 これも、きのう書いた大阪市の職員の入れ墨の話と同じ
です。
 飲酒運転を「個人の資質ですからねえ」と言ってしまえ
ば、もう、話は、そこで終わってしまいます。
 「個人の資質ですから」と言うのは、それ以上の議論を
封殺するものなのです。
小倉氏は、どうして、それが分からないのでしょう。

 飲酒運転が個人の資質の問題だとすれば、道交法で飲酒
運転を厳しく取り締まる必要はなくなってしまいます。
 市職員の飲酒運転によって、3人の子供が死んでしまっ
たご両親の立場に立てば、この市職員の飲酒運転を
 「個人の資質」
 で切り捨ててしまうのは、絶対に許せないでしょう。

 「小学校の先生が生徒を指導するようなもの」
 もそうです。
 そうやって指導しなければならないほど、飲酒事故が多
いわけでしょう。

 なんで、こんなに、物わかりがいいのでしょう。
 大阪市の職員の入れ墨問題では、「物わかりの良いイン
テリの弱さ」ということを指摘しました。
 福岡市の「禁酒要請」を冷笑するインテリの場合は、「イ
ンテリの弱さ」というよりは、「インテリのニヒリズム」
とでも言う方がいいかもしれません。

 インテリって、本当に、だめですね。
 
 大阪の橋下市長の良さは、そうした
 「インテリの物わかりの良さ」
 「インテリのニヒリズム」
 を、ひとりで断固突き抜けて行くことにあるのです。

 インテリが何もできないのは、そう、物わかりが良すぎ
て、それが邪魔をして、なにかを断固突き抜けて行くとい
うことが出来ないからなんですね。




大阪市の職員の入れ墨はおかしい・・・入れ墨に「文化の問題」と理解を示すのはインテリの弱さです。

2012年05月21日 21時06分57秒 | 日記

 大阪市役所で、100人を超す職員が入れ墨をしていま
した。
 橋下市長が怒るのは当たり前です。
 
 問題になったきっかけは、児童施設の職員が、自分の入
れ墨を子供たちに見せていたことだというのですから、こ
れはちょっとお話になりません。

 橋下市長が君が代を強制する限り、私自身は、橋下市長
を支持しにくいのです。
 しかし、入れ墨に関しては、全面的に、橋本市長を支持
します。

 先週、橋下市長が会見でこの入れ墨問題に触れた際、各
地の自治体の首長たちが、それぞれの会見で、報道陣から
大阪市の職員の入れ墨をどう思うか、質問されていました。
 
 それに対する首長たちの答えが、いかにも、ぬるいので
す。
 ぬるいーーというよりは、インテリの弱さ、物わかりの
良いインテリの弱さというべきでしょう。

 典型的なのは、仙台市の奥山恵美子市長です。
 奥山市長は、会見で大阪市の入れ墨について聞かれ、お
おむね、こう答えました。
 ーー入れ墨というとあれですけれど、タトゥーというも
のもあります。タトゥーというのはファッション的な感じ
もありますし、まあ、こういうのは、文化の問題という感
じがいたします。文化の問題であれば、あまり騒ぐのも・・・。

 これは、もう、典型的な、物わかりの良いインテリの弱
さというほか、ありません。 

 名古屋の河村市長も同じような発言をしていました。
 テレビで、自治体の首長の会見を見ていると、同じよう
に、「文化の問題」「芸術の問題」というような言い方をす
る人が多くて、驚きました。

 首長だけではありません。
 街角でテレビ局のインタビューを受けたサラリーマン
も、けっこうな人数が「文化の問題」「個人の問題」という
答えをしていました。

 どうして、こう妙に物わかりがいいのでしょうか。

入れ墨あるいはタトゥーを「文化の問題」ととらえるの
は、もうそれだけで、教養のあるインテリであることを示
しています。
 文化の問題だから、それは、良い悪いの問題ではないー
ーというわけです。

 しかし、入れ墨を、文化の問題と言い始めると、もう、
そこから議論が進まなくなります。
 
 いま、温泉地に行くと、
 「入れ墨をしている方の入場はお断りします」
 という張り出しが、100%、あります。

 では、入れ墨をしていて、入場を断られた暴力団員が、
 「おう、入れ墨は文化の問題じゃ。
  仙台の市長もそう言うとるやろ」
 と反論したら、奥山市長は、いったい、どう答えますか?

 日本では、長い間、入れ墨は、暴力団がするものでした。
 入れ墨=暴力団と、多くの人が思っているのです。

 だから、入れ墨をした人の入場を温泉が断るのは、入れ
墨を断る以上に、「暴力団お断り」ということでしょう。

 箱根や有馬で、ゆっくり温泉につかっているとき、背中
いっぱいに大きな入れ墨をした人が入ってきたら、だれだ
って、気味が悪いでしょう。
 背中いっぱいに入れ墨をした人は暴力団だという社会的
な認識があるのです。

 そういうときに、
 「いや、入れ墨は文化の問題でございますから」
 と言う人がいたら、おかしいでしょう。

 「文化の問題」と言ってしまうと、あらゆることを一般
論あるいは抽象論に置き換えてしまいます。
 
 しかし、大阪市の入れ墨問題は、
 「公務員が入れ墨をして、市民に不愉快な思いをさせて
いいのか」
 ということです。
 極めて、具体的な問題なのです。

 インテリは、知識と教養があるだけに、妙に物わかりが
いいのです。
 そして、それは、インテリの決定的な弱さです。
仙台の奥山市長の発言は、そのひとつの典型です。

 大阪市の市職員が、児童施設で、子供たちに自分の入れ
墨を見せていた。
 それが、文化の問題であるはずがないでしょう。
 
 ごみの回収に来る市職員の腕から、入れ墨が見えた。
 普通の市民が、ごみ回収で、何か頼もうと思っても、そ
んな入れ墨をした市職員に対して、モノが言えますか?

 それを、「文化の問題」だとか、「個人の問題」だとか言
ってはいけません。
 
 インテリの弱さというのは、困ったものです。




なんとか退院しました。

2012年05月19日 11時24分44秒 | 日記

 なんとか退院しました。
 退院といっても、松葉杖を2本使って歩く
状態で、5月中は静かにしているしかないようです。

 
 入院中にも、いろいろなニュースが続きました。
 ひとつひとつ、書いていきたいと思います。

 このすぐ下にある「電機産業の衰退」が、復帰第一号の
原稿です。

 引き続き、また、よろしくお願いします。
 


電機産業の衰退・・・野田首相は消費税に政治生命を賭けている場合ではありません。目をさませ。

2012年05月18日 17時19分59秒 | 日記

 日本経済の二本柱といえば、自動車と電機でした。
 その電機が、いま、大変なことになっています。

 東芝が、テレビの国内生産を中止することを決めました。
 シャープは台湾の電機メーカーに支援を仰ぎました。
 横綱級の二社であるパナソニックとソニーが、有機EL
テレビで提携することを決めました。
 日立は、もうすでに、テレビとパソコンから撤退してい
ます。 

 半導体に目を移せば、日本で唯一、メモリーを生産して
いたエルピーダが倒産状態になり、アメリカの半導体メー
カーに買収されることになりました。

 電機は、つい最近までは、日本が世界をリードし、ある
いは、席巻していたのです。

 その電機各社が、相次いで、つまずいています。
 これは、一時的なつまづきではなく、構造変化に伴う全
面的な衰退です。

 これは、企業経営の話にとどまるものではありません。
 電機は、自動車とともに、日本経済を支える二本柱のひ
とつです。
 電機の衰退は、すなわち、日本経済の衰退ともなります。
 
 これにどう対応するのか。
 それは、本来、野田首相、民主党政権にとって、緊急の
課題です。

 政府として、なにかできることはあるのか。
 なにができるのか。
企業経営の問題として見過ごしてしまっていいのか。
 
 なにか、政府として、公的に援助できることはあるので
はないか。

 依然としてデフレから脱却できず、長い不況に苦しむ日
本にとって、電機産業をどうするのか、どう再建するのか
は、実際のところ、緊急課題です。

 それなのに、野田首相は、
 「消費税率の引き上げに政治生命を賭ける」
 と言うのです。
 それも、まことに、無表情な顔で。

 どうかしているでしょう。
 いま、消費税は5%です。
 仮にこれを引き上げて、消費税の税収が増えたとしまし
ょう。
 しかし、電機各社は巨額な赤字に沈んでいます。
 ということは、電機各社が払ってきた税金は、これから
は、入ってこないことになります。
 
 消費税を増税しても、その増収分は、
 電機各社の支払う税金(法人税など)の減少分で、
 相当程度、相殺されてしまいます。

 政治生命をかけて消費税を増税しても、
 一方で、電機産業が衰退してしまったら、
 結局のところ、なんにもなりません。

 さらにまた、消費税が上がって、電機製品の売れ行きが
落ちたら、それはまた、新たなダメージとなります。

 野田首相が、いま、政治生命を賭けるのは、消費税の増
税などでは、絶対に、ありません。
 いま、日本の首相が政治生命を賭けるのは、
 まず、なによりも、原発事故を含む東日本大震災からの
復興です。
 そして、衰退に向かう電機産業の再建です。

 野田首相は、なにか、完全に勘違いしています。
 最近の野田首相を見ていると、不気味なぐらい無表情で
す。顔の動きがありません。能面のようです。
 この顔は、そう、マインド・コントロールされている人
の顔のように見えます。
 消費税を増税しなくてはいけないというマインド・コン
トロールを受けているように見えます。

 2009年の夏、歴史的な政権交代を実現させたとき、
「消費税の増税に政治生命をかける」と言う首相の出現を、
国民は、想像もしていなかったでしょう。

 消費税増税で不毛な与野党対立をしている間に、日本の
電機産業は、衰退に向かいます。
 それは、日本経済の衰退を意味します。

野田首相は、どうすれば、目を覚ますのでしょう。



デフレの病理ーー値下げがむしばむ日本経済

2012年05月12日 07時14分45秒 | 日記

骨折の手術をし、病院で横たわっていると、
テレビで気になるニュースが続きます。
まず、長距離バスの事故です。
そして、100円マックの拡大です。
このふたつは、まったく違うニュースに
見えますが、値下げ、それも、無理な値
下げという点で一致しています。

無理な値下げは、必ずどこかにしわ寄せが
きます。
長距離バスも、運転手を2人にしていれば、
運転手の居眠り運転は、防げたでしょう。
しかし、運転手を2人にすると人件費が
高くなり、バス料金もそのぶん、高くなり
ます。そうすると、この値下げ競争に負け
てしまうわけです。

100円マックも同じです。
100円に設定することで、どこかに
しわ寄せがきているはずです。
従業員の賃金、接客態度、納入業者
への値下げ要請など、いろいらあるでしょう。
でも、ちょっと待ってほしいのです。
いまこの時代に、そこまでして100円
マックを作って、どれだけ、売り上げが増え
ますか? たいして増えないでしょう。
むしろ、値下げによって、売り上げの
総金額は、減るかもしれません。

この無理な値下げは、経済の活力を
削ぎます。
私たち消費者も、無理な値下げは、もう
求めないようにしませんか。




手術しました。入院しています。

2012年05月12日 00時00分33秒 | 日記

検査の結果、左足首の外側の骨、
腓骨ひこつ が折れていることが分かり、
9日の水曜日の午後、手術をしました。

麻酔が切れたあとは、かなり痛いです。

手術から2日目の11日になって、よう
やく、痛みがやわらいできました。

まだ病院にいます。
再開まで、もうしばらくお待ちください。
よろしくお願いします。



不覚にも。

2012年05月06日 21時24分40秒 | 日記

 不覚にも、左足の足首を骨折してしまいました。
 
 この連休に、信州・蓼科に行ったところ、雪の残るスキー場が
ありました。スキー場として今シーズンの営業は終わっていたの
ですが、好天でもあり、ゲレンデ周辺を散歩しました。

 すると、シャーベット状に凍った雪が隠れており、右足を
滑らせてしまいました。
 凍った雪の上にたくさんの葉っぱが落ちており、雪に気が
つかなかったのです。

 それだけなら残雪のスキー場で尻もちーーという笑い話ですんだ
のですが、運悪く、左足が穴ぼこにひっかかってしまいました。
 そのため、右足だけ前に滑り、左足が穴ぼこに残るという
状態になりました。

 その結果、体重が左足にかかり、ボキボキッという鈍い音が
して、鈍痛が走りました。
 すぐに腫れ始めました。

 病院を調べると、諏訪日赤の救急外来が開いており、そこへ
駆け込みました。

 診断は、左足首の外側の細い骨に亀裂が二本走っています
ーーというものでした。

 応急処置をして、東京に戻ってきました。
 連休明けに、東京の病院で改めて診察を受けます。
 場合によってh、手術が必要になりそうです。

 そういう事態になっても、このブログは書き続けます。
 福島の1周年も、まだ続きがあります。
 ほかにも、書くべきテーマがたくさんあります。

 しかし、そういう状況ですので、ときどき、間が開くことが
あると思います。
 どうぞ、ご了承ください。