いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

平成最後のブログですー令和もよろしくく

2019年04月30日 21時47分07秒 | 日記

平成最後のブログとなります。
平成は、
1989年に始まり、
もうまもなく、
2019年に終わります。
ちょうど30年でした。
1989年は、バブルの頂点の年でした。
バブルは1990年に、パチンと
はじけました。
そして、そこから、失われた20年が
始まりました。
明日は今日よりいいーー令和は、
そう言える時代にしたいと思います。
明日から令和です。
令和は、当ブログも、本格的に
書いていきたいと思います。
令和も、よろしくお願いします。

これは外交敗戦です・・・水産物をめぐるWTOの敗訴で、韓国はWTO委員に猛烈な説得工作をしていました。日本政府は何もしていなかったようです。

2019年04月22日 00時47分38秒 | 日記

 福島原発の放射能を理由に、東北産の水産物を韓国が輸入禁止と
していることに、日本はWTO(世界貿易機構)に提訴し、一審で
は、韓国の輸入禁止はWTO違反としました。ところが、二審で、
逆転し、WTOは、韓国の言い分を認めました。日本は事実上の敗
訴です。

 このことに関し、韓国がWTOの委員(3人)に対し、昨年末か
ら集中的に説得をしていたと、韓国のメディアが伝えました。内情
の暴露みたいな話です。
 それによると、韓国政府は、ほうっておくと、韓国が負けると判
断していました。そこで、弁護士を中心に対策チームを作りました。
チームは、WTOの本拠地の近くにホテルに陣取り、WTOの委員
を、入れ替わり立ち替わり、説得したのだそうです。
 対策チームの弁護士は、当初、韓国が勝てたらミラクルだと思っ
ていたそうです。国際法的には、日本の言い分が正しいということ
を分かったいたわけです。そこで、猛烈な説得工作、早い話が、い
わゆるロビー活動ですね、それを集中的に実施し、3人の委員から、、
韓国よりの判断が出るよう、仕向けたというわけです。
 韓国の聯合通信の記事です。日本語に翻訳されていますので、次
に、転載しておきます。

           ***

 (世宗=聯合ニュース) 「世界貿易機構(WTO)控訴審で1審敗訴
をひっくり返すために昨年末、ジュネーブホテルにウォールーム
(War Room)をかまえて3週間、20人余りがほとんど一日中、ね
ずみ車が回転するようシミュレーションしながら対応したかいがあ
った。」

 今回のWTO最終審で勝訴を引き出した最大功臣のチョン・ハヌ
ル(39)産業部通商紛争対応課長は12日、聯合ニュースとインタビ
ューで「同僚弁護士が今回の訴訟をひっくり返して勝てば『ミラク
ル』と言ったが本当にそうなったようだ」としてこのように話した。
 米国通商専門弁護士出身で昨年4月、特別採用されたチョン課
長は「世界で最も権威ある控訴機構の一つであるWTO控訴委員3
人を説得するために、それだけ私たちが激しく対応して良い結果が
出てうれしい」として「奇跡のような逆転勝ち」評価に対する感想
を明らかにした。

 彼は「これまで衛生および植物衛生(SPS)主要訴訟で私たちの様
に訴えられる国が勝ったことは一度もなく、1次事実審であまりに
も不利に負けたので最終審でひっくり返る期待は実際薄かった」と
伝えた。
 
 彼は裁判対応過程2週後に目の中に突然腫瘍ができて帰国し腫
瘍除去手術を受けなければならないほど精神的ストレスが激しかっ
たという。特に食品安全に対する私たち国民の多大な関心も負担だ
ったと打ち明けた。

 チョン課長は今回の控訴審進行過程に先立つ1審で日本食品自
体の有害性だけを根拠に判決を下した点が不当だ、という点を強調
するのに力を集中したと伝えた。それと共に福島原発事故後の環境
が日本食品に及ぼす潜在的危険性を検疫過程で除去することが韓国
政府の正当な権利であることを強調したのが功を奏したと分析し
た。

 日本は食品400~500個の標本検査だけ行って危険性がないな
ら、韓国産とヨーロッパ産に比べても危険でないと主張した一方、
韓国は輸入食品の潜在的危険要素を最大限低くしなければならない
のは国家の当然の責務で日本に対する恣意的差別ではないという主
張を展開した。彼は「2審は事実関係より法的論理を扱うとために、
本質的に私たちの措置が正当だという確信を持って控訴委員らを最
大限直観的に説得するのに注力した」と付け加えた。

 日本が控訴審判定後にさらに提訴する可能性については「部分的
手続きの透明性は私たちがもう少し高めるだろうが、これ自体は最
終判決が出た以上、これ以上日本はどうすることもできない」とし
た。

 チョン・ヘグァン協力官は「上訴機構が出した報告書の内容を詳
しく見れば我が方の主張とほぼ大同小異である。上訴機構が私たち
の主張と異議申し立ての部分を適切だ、と受け入れたと見られる」
と話した。

 現在、世宗(セジョン)市オフィステルで生活するチョン課長は
「他の部署と協力しながらわかったことは、民間が考えるより中央
行政機関の能力が優れているということ。これは私が公務員になっ
たからというリップサービスではない。みな遅くまで仕事をして激
しく悩む過程で次第に弁護士の実力も向上したようだ」と付け加え
た。

キム・ソンジン記者 [聯合ニュース]  

            ***

 ご覧のように、韓国は、2審を担当するWTOの委員会の委員3
人に、猛烈な説得工作をしたことが分かります。
 日本が事実上敗訴する決定が出たとき、日本の新聞各紙は、解説
で、
 ・ 決定の文章があいまいだ。
 ・ 玉虫色の決定で、内容がはっきりしない。
 ということを指摘しました。
 はっきり日本が負けたという決定になっているわけではなく、だ
から、日本の新聞は、日本が敗訴といっても、「事実上」敗訴と解
説したわけです。
 菅官房長官が「日本が負けたわけではない」と話したのも、同じ
理由でしょう。

 それこそが、韓国の説得が効果があったということです。
 東北産の水産物からは、基準を超す放射線は出ておらず、それ
を輸入禁止にするのは、どう見ても、WTO違反です。
 しかし、韓国があまりに猛烈な説得をするものだから、WTOの
委員も、情にほだされてなのか、面倒くさくなってなのか、適当に
付き合っておこうと思ったからなのか、ともかく、韓国の言い分を
入れた決定をだしてしまったのです。

 一方の日本政府は、勝つと決め込んで、韓国のような説得工作を
ほとんどしていなかったようです。
 WTOの委員というのは、いってみれば、判決を出す裁判官みた
いなものです。その裁判官に、訴訟の当事者が自分に有利なように
説得工作をするというのは、ありえない話です。
 しかし、韓国は、それをやった。
 それなのに、日本は、何もしなかった。

 これは、外交敗戦というほかないでしょう。
 
 こんなことを続けていれば、日本は、国際的な情報戦、PR戦、
広報宣伝戦で、負け続けます。
 これを、はっきり、外交敗戦と認識し、今後の対策を立てなけれ
ばならないと思います。
 このまま負け続けるわけにはいかないのです。





WAGYUのハンバーガー・・・和牛もイチゴもリンゴも、みな心配です。日本の農政は、かつて「NO政」と揶揄されていました。このままでは危ない。

2019年04月15日 00時21分26秒 | 日記

 いま、「サバイバー 運命の大統領」というアメリカのテレビド
ラマをケーブルテレビで放送しています。これが大変おもしろい。
 内容は、ワシントンの議会がテロで爆破され、大統領や閣僚、上院
議長ら、政治に関わるすべての人が死んでしまった。しかし、ただ
ひとり、住宅長官という最も末席に当たる閣僚が、たまたま、その
とき、議会に行っておらず、生き残った。そのため、彼が、唯一、
生存した政府閣僚として、法の規定によって、大統領に就任したとい
うのです。
 それを、裏で画策した秘密結社がいる。さて、その狙いは?とい
うドラマです。
 なにしろ、突然、大統領になり、苦労するのですが、なんとか、
やっている。そこへ、かつて大統領だった人物がホワイトハウスへ
アドバイスにやってきて、こんなことを言うのです。
 「大統領。新しくホワイトハウスに入るとWAGYUのハンバー
ガーが食事に出るのですが、もう、食べましたか?」
 大統領は、「えっ?WAGYUのハンバーガー?それはおいしそ
うですが、まだ食べてません」と応じます。
 元大統領は、「おっ、それはいけませんな。WAGYUのハンバ
ーガーを食べてこそ、大統領ですよ」と答えて、2人で、大笑いす
るのです。

 この場面で、当ブログは、驚きました。
 WAGYUのハンバーガー?
 WAGYUというのは、もちろん、和牛のことです。
 ホワイトハウスで、何か特別なときに、WAGYUが出るという
ドラマの設定になっているわけです。
 そのぐらい、和牛が、有名になっています。
 いや、それどころか、高級な牛肉として、ワシントンでも認知さ
れているということです。
 
 そんなことがあって、先日、というのは、つい2、3日前の日経
新聞ですが、衝撃的な記事が出ていました。アメリカや欧州で、す
でに、WAGYUの協会があり、品種改良などに当たっているとい
うのです。

 日本の和牛の受精卵が、中国に持ち出されそうになりました。あ
ろうことか、中国の空港で検疫にひっかかり、日本に送り返されま
した。日本から中国に持ち出そうとした和牛の受精卵が、中国の入
国検疫でひっかかるとは、ほとんど、笑い話です。
 ともかく、これで、和牛が国外に持ち出されそうになったとして、
大きなニュースになったわけです。

 しかし、なんのことはない。
 アメリカでは、テレビドラマでWAGYUのハンバーガーが出て
くるほど、すでに和牛が流通しているのです。
 しかも、和牛の協会まであるという。
これこそ、本当の笑い話です。

 日本が、和牛が国外に流出しそうだと、あたふたしていたら、も
うとっくに、和牛はアメリカや欧州に出てしまっていたというわけ
です。もちろん、中国にも、出てしまっていると見た方がいいでし
ょう。

 ところが、この騒動で、農水省は、畜産物を海外に持ち出すのを
禁止する法律がないので、とりあえず、防疫関係の法律で対処する。
そして、これからどう対処するかを考える農水省の委員会を、2月
に設置したというのです。

 あきれて、モノも言えません。
 アメリカのドラマでも出てくるほど、和牛は、すでに海外に出て
しまっている。欧米には和牛の協会まであって、品種改良も研究し
ている。
それなのに、取り締まる法律がなくて、この2月に農水省に委員
会を設置した。
 うそでしょう?というほか、ありません。

 和牛の流出は、もう、何年も前に始まったと見られます。
 そんなことは、農協も、畜産関係者も知っていて、農水省にも報
告が上がっていたはずです。
 農水省も、報告を待つまでもなく、とっくに知っていたはずです。
 危ないと思えば、すぐに、法案を作り、国会に出せばいい。
 国会では、反対があるはずもなく、全会一致で、可決されるでし
ょう。
 それなのに、何をやっていたのでしょう。
 何もやっていなかったのです。
 
 今回、中国で検疫にひっかかって日本に戻され、大きなニュース
になったから、農水省は、あわてて対応をしたのだと思います。
 ニュースにならなければ、放っておいたのではないでしょうか。

 何をやっているのかと思っていたら、今度は、やはり日経新聞に、
日本で品種改良したブドウ「シャインマスカット」が、中国に流出
し、中国で別の名前を付けられて、栽培、販売されているという記
事が出ました。

 もう、ボロボロです。

 日本は、というか、農水省は、農産物、畜産物の輸入を極力、抑
えてきました。日本の農業、畜産を守れというのです。
 代表的なものがコメです。
 コメは、かつて、GATT(現在のWTO)のウルグアイ・ラウ
ンドで、市場開放を求められ、農水省と農協は、コメは日本の文化
だといって、市場開放を拒否してきました。
 牛肉も、アメリカやオーストラリア、とくにアメリカから、市場
開放を迫られてきました。1980年代ごろまで、日本では、牛肉
は高級品でした。値段が高く、しゃぶしゃぶに牛肉を使うなど、と
んでもない。家庭でしゃぶしゃぶをするときは、安い豚肉を使った
ものです。なぜ高かったかというと、海外から輸入する牛肉に高い
関税をかけていたからです。それが、アメリカからの強い要求で、
牛肉の関税が少しずつ引き下げられた。だから、いま、牛肉は安く
なり、家庭でも、普通に牛肉を食べられるようになったのです。
 その前には、オレンジやグレープフルーツの輸入にも反対してい
ました。日本のみかん農家を守れというのです。
 
 農水省は、ほとんどすべての農産物、畜産物を、海外との競争か
ら守ろうとしてきました。
 そのため、日本の農産物市場は、長い間、徹底的に閉鎖され、消
費者は、高い農産物、畜産物を買っていたのです。

 それで日本の農家、畜産農家が育ったのなら、日本人としては、
まあ、よかったと思うところです。
 しかし、日本の農業、畜産業は、人が減り、どんどん高齢化して
います。農家が育つどころか、農業人口は減る一方です。そのため、
海外から「研修生」という名前の労働力を受け入れ、なんとか現場
を維持しています。
 
 農水省は農業を守るフリをしていましたが、実際には、日本の農
業は衰退の一途をたどってきました。
かつて、農政は「NO政」と揶揄されたことがありましたが、そ
の通りだと思います。

 ところが、それだけかたくなに輸入を制限しながら、農水省は、
日本の農畜産物を海外に売ろうとしてきました。
 海外の見本市などで、日本の和牛やぶどう、甘いリンゴ、梨、イ
チゴなどを、売り込んできたのです。海外の見本市で、海外の人が
密の入った日本のリンゴを食べ「これはおいしい!」とびっくりし
ているシーンが、ときどき、テレビのニュースで放送されます。
 そして、日本からの農産物輸出は拡大しています、というような
ことを言います。

 海外からの輸入を制限しておきながら、日本の農産物は海外に売
り込もうとする。
 おかしいでしょう。
 そもそも、その姿勢がおかしい。

 海外に売り込むとき、和牛やりんご、イチゴを、どこまで守って
いるのか、正直、心配です。
 なにしろ、海外への持ち出しを禁止する法律がないというのに、
日本の農畜産物を海外に売り込もうというわけですから、ほとんど、
ノーチェックです。

 和牛の海外流失は、起きるべくして起きたと思います。
 和牛、りんご、いちご、梨、正直、もうすでに遅いのではないか
と心配です。


イチゴも新幹線も・・・「知的財産」に対し、日本は、各方面であまりに無防備でした。のどかな時代は過ぎ去ったと認識して、対応を。

2019年04月07日 21時15分51秒 | 日記

 日本の牛、和牛の受精卵が日本から中国に持ち出されながら、
なんと、中国の空港で検疫にひっかかって日本に戻されたという事
件が、先日、起きました。
 日本の大事な資源が中国に持ち出されかかったのに、それが、中
国側で阻止されるとは、皮肉というほかありません。
 
 農産物、畜産物の分野では、和牛の受精卵や、イチゴの新製品、
あるいは、改良した穀物や植物の種子が、日本から国外に持ち出さ
れて、大きな問題になっています。
 工業製品では、かつて、新しい工場や新製品の情報が、ほとんど
無防備で海外に漏れていたようです。

 ひとくくりにすると、「知的財産」といっていいと思いますが、
日本は周囲を海に囲まれていたため、よくもあしくも周辺諸国とは
海という自然の障壁があり、こうした知的財産は、なんとなく守ら
れていました。
 そのため、生産者、製造業者、企業も、日本政府(具体的には
霞が関の官庁)も、新聞やテレビのメディアも、そして、消費者も、
知的財産には、無頓着だったというのが、残念ながら、実態でしょ
う。
 
 メディア、とくにテレビの情報番組が知的財産に勉強不足で、見て
いて驚くことがあります。
 もう2年近く前のことになりますが、民放の情報番組で、日本の
農家からイチゴが韓国に持ち出された話を流していました。「情報
番組」と書いたのは、テレビの場合、純粋なニュースなのか、ニュ
ースショーなのか、あるいは、バラエティ番組なのか、よく分から
ないからです。

 純粋なニュースという場合、それは、ジャーナリズムの領域に入
ります。しかし、ニュースショーやバラエティ番組は、ジャーナリ
ズムとは言いにくい。なぜなら、ショーやバラエティには、演出が
入るからです。
 ジャーナリズムは、事実を、手を加えず、そのまま伝える仕事です。
 そこへ、演出が入ると、もう、ジャーナリズムではなくなります。
 いまのテレビは、ジャーナリズムとはいいにくいのです。
しかし、そこに出ている人たちが、自分たちはジャーナリズムに
携わっていると勘違いしているから、話は余計やっかいになります。

 その民放の情報番組では、日本のイチゴが韓国に流出したことを
特集していました。番組のスタッフが日本のイチゴ農家に出向き、
インタビューしていました。農家の方は、おおむね、次のように話
していました。
 ・・・韓国の農家の人がやってきて、私のところのイチゴの苗を
ひと株でいいから分けてほしいと言うのです。このイチゴは
私たちが長い間苦労して品種改良し、ようやく、たどりついたイチ
ゴです。甘くて、人気なんですよ。我々にしてみれば、大事なイチ
ゴだから、そんなものを、あげるわけにはいかない。だから、もち
ろん、断りましたよ。
 でも、その韓国の人は、拝むようにして、頼むのです。ひと株で
いいから、たったひと株でいいからと。それに、いただいたイチゴ
の苗は、私の農園で使ってみるだけだから、というのです。あまり
にお願いされるものだからね、私も、情にほだされて、じゃあ、ひ
と株だけ分けてあげましょう。そして、その苗は、あなたのところ
だけで使うんですよ。決して、よそに分けたり、広めてはいけませ
ん。いいですね、と念をおして、ひと株、分けてあげたのです。
 そうしたら、1年、2年たつうちに、そのイチゴが、韓国産のイ
チゴとして出始めたんです。韓国のイチゴが評判だというので、調
べてみると、私のところで分けてあげたイチゴとおんなじなんですよ。
 私もびっくりして、その方から連絡先をもらっていたので、連絡
してみようとしたのですが、全然連絡がつきません。
 たったひと株だけ、それも、あなたの農園でだけ使うんですよと、
あれだけ念を押してのにねえ・・・

 日本のイチゴ農家の方は、概ね、そんな話をしていました。
 平昌五輪で、女子カーリングの選手が、休憩時間のもぐもぐタイ
ムで食べたイチゴがおいしかったと話して、いろいろ話題になって
いましたが、もしかすると、そうやって日本から持ち出されたのか
もしれません。

 インタビューに応じた日本の農家の方は、見るからに、困惑した
表情で、イチゴが持ち出された事情を説明していました。
 ところが、そのインタビュー映像が終わったあと、横にいた若い
アナウンサーが、こう言ったのです。
 「いやあ、まあ、決して悪いことではないと思うんですが、でも、
せっかく日本で開発した品種ですからねえ」。
 これを聞いて、びっくりしました。
 日本産のイチゴが韓国に持ち出されたのに、「悪いことではない
と思うんですが」というのです。なぜそういったか、想像はつきます。
 彼は、日本の高い品質のものが、世界に広がり、世界で利用され
るとすれば、それは素晴らしいことだと、そういいたかったのでし
ょう。
 その番組のメインのキャスターも、この言い方をたしなめようと
はしませんでした。

 残念ながら、これが、知的財産に対する日本の感覚かもしれません。
 日本の高品質のものが世界に広がるのは、悪いことではない。む
しろ、いいことだ。
 そういうのです。

 これまで長い間、日本の各分野の知的財産は、こうやって、タダ
で、海外とくに韓国と中国に漏れていきました。
 インスタントラーメンでは、1960年代初め、日本のインスタ
ントラーメンの会社が、韓国の会社に、製造方法から技術、レシピ
まで、すべて無償で教えています。
 半導体も、韓国のサムスンが日本の経団連に技術提供を依頼して
きて、経団連の仲介で、日本の企業が、製造技術を教えました。

 もちろん、当時、韓国はまだまだ貧しい国であり、日本としては、
お隣りの国を助けるという気持ちがあったのでしょう。
 イチゴの苗の番組で、若いアナウンサーが「悪いことではないと
思うのですが」と解説したのは、そういう時代の名残りがあるのか
もしれません。
 しかし、もう、そんなのどかな時代は、遠くに過ぎ去りました。
とっくに、昔の話になってしまったのです。

 中国に対しても、同じことが言えるでしょう。
 2004年、JR東日本と川崎重工は、中国で、高速鉄道のプロ
ジェクトを受注し、中国鉄道省に、東北新幹線「はやて」の技術を
供与する契約を結びました。
 ところが、中国は2011年、日本から技術供与を受けて開発し
た中国の新幹線を「独自開発」とし、アメリカで特許を申請をした
のです。

 日本は高い技術を持っている。
 それを、世界に提供するのはいいことだ。
 ・・・そんな時代は、もう、昔話になっているのです。

 2019年の私たちは、遅まきながらも、そのことをはっきり自
覚し、対応する必要があるでしょう。

 (続きます)







新元号と韓国・・・これだけ反日をしておいて、「今後も未来志向で発展を」とは、よくいえたものです。三権分立という言葉がくせ者です。

2019年04月04日 22時19分28秒 | 日記

 新しい元号、令和が発表され、各国政府が反応を示しています。
その中で、違和感があったのが、韓国政府の反応です。韓国の外務
省の報道官は、令和が発表された翌4月2日、「今後も、韓日(日
韓)関係が未来志向的に発展していくよう期待する」という談話を
出しました。

 もともと反日の国ですが、文在寅大統領になって、反日が一層ひ
どくなりました。
 元の駐韓国大使だった武藤正敏氏が、文大統領のことを「北朝鮮
のことにしか関心がない」と述べています。実際、その通りで、こ
れだけ日韓関係が悪化しても、文大統領は知らぬ顔です。

 韓国の最高裁が、韓国人のいわゆる元徴用工の訴訟で、日本企業
に賠償を命じる判決を出しました。
 これに対し、日本政府は、1965年の日韓基本条約で解決済み
だとし、2国間協議などを求めていますが、韓国政府は、何の対応
も見せていません。この問題は、日韓関係の根本的な所に関わりま
すから、本来なら、文大統領が自ら表に出てきて、対応すべきもの
です。政府の最高責任者が対応しないと、解決しないでしょう。

 韓国政府は、現代の国家は三権分立だから、司法の判断は尊重し
なければならない。政府は司法には介入できないーーという言い方
をしています。
 最高裁の判決には、政府があれこれ言える立場ではないというわ
けです。

 しかし、この「三権分立」という言葉がくせ者です。
 三権分立は、もちろん、立法、行政、司法の三権は、それぞれ独
独立しているという考え方です。
 原則はその通りですから、韓国政府にそう言われると、日本政府
もなんとなく反論しにくいのかもしれません。

 しかし、実際には、三権分立が守られているかというと、そんな
ことはないのです。
 どの国でも、最高裁長官、最高裁判事は、政府つまり行政府が指
名します。アメリカでも日本でもそうです。韓国もそうです。
 司法の最高責任者を、行政府が指名するのですから、三権分立は
もともと、危ういところがあります。

 いわゆる元徴用工の問題で日本企業に賠償金を払えという判決を
出した韓国の最高裁長官は、金命洙(キム・ミョンス)氏といい、
文大統領が指名しました。韓国の国会でこの人事が審議されたとき、
人事聴聞会の報告書は、「実務に精通した適任者」という評価と、
政治信条が文大統領に近いので「司法の中立性」が疑問視される評
価とを、両論併記しました。韓国にも、司法の中立性、つまり三権
分立に対する懸念があったわけです。

 そもそも大統領が指名した最高裁長官です。大統領は、当然、そ
ういう判決が出ると想定していたわけです。

 もっとすごいのは、この最高裁判決と相前後して、韓国の検察庁
が、前の最高裁長官、梁承泰(ヤン・スンテ)氏を逮捕したことで
す。梁氏は、朴槿恵・前大統領の時代の最高裁長官です。
 逮捕の容疑は、梁氏が、いわゆる元徴用工の訴訟で判決を出すの
を遅らせたとというものです。

文大統領が指名した最高裁長官が、いわゆる元徴用工の訴訟で日
本企業に賠償金の支払いを命じる判決を出しました。
 そして、朴槿恵・前大統領の時代の最高裁長官を逮捕しました。
 
 これのどこが、三権分立でしょう。
こんなことをしておいて、政府は司法の判断を尊重するとか、政
府は司法には介入しないとか、主張しても説得力はまったくありま
せん。そこにあるのは、三権分立や司法の独立ではなく、政府(行
政)による司法への介入です。

 三権分立で、行政、司法ときて、残るは、立法(国会)です。
 韓国の国会議長が、アメリカの通信社のインタビューに、慰安婦
問題は日本の天皇が謝るのがいちばんいい、というような発言をし
ました。これには、さすがに、日本の世論が猛反発しました。

 三権の下にコントロールされているのが軍隊ですが、日本近海で
北朝鮮の船の近くにいた韓国の軍艦に自衛隊機が近づいたところ、
韓国の軍艦がレーダーを照射するという大事件がありました。
 
 文大統領になって、反日の動きがエスカレートしています。
 そして、文大統領は、それを鎮めようとは、一切していません。
 これだけ反日をしておいて、新元号の令和について、
 「韓日(日韓)関係が未来志向的に発展していくよう期待する」
とは、よく言えたものです。
 
 武藤元大使の言う通り、文大統領は北朝鮮のことしか頭にないと
いうことなのでしょう。