いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

この大空を・・・日本の電機企業が元気だったころ、CMソングも元気でした。ここから巻き返しを。

2012年03月05日 01時10分37秒 | 日記

 思い出話のようになりますが、前回の続きを書いておき
ます。日本の電機各社のCMソングの話です。

 日本の電機各社は、戦後一貫して、日本経済を牽引して
きました。
 活力にあふれ、元気だったのです。
 CMソングにも、おのずと、その元気さが反映されます。

 今回は、製品をPRするCMソングではなく、会社その
ものをPRするCMソングです。会社のイメージソングと
いってもいいかもしれません。

 松下や東芝ではなく、今回はNECから始めましょう。
 NECはコンピューターの会社ですが、もともとは、通
信機器の会社でした。当時、通信といえば大きなパラボラ
アンテナがシンボルのようなもので、NECのテレビCM
も、大きなパラボラアンテナが登場します。
 大きなパラボラアンテナを背景に、工場の作業服を着た
社員が立ち並び、そこに、歌がかぶさります。
 
 「大空を この大空を
  飛び回る電波 NEC」
  
どうですか。
 この歌詞そのものが、もう、元気でしょう。
 いきなり、「大空を」ときて、さらに、「この大空を」と、
「この」がついて、いかにも力が入ります。
 そしてまた、「飛び回る」というのがいいですね。
 言葉とは素晴らしいもので、「飛び回る」という表現だ
けで、もう、元気はつらつという感じが出ます。

 いまや、NECは、ちまちました携帯電話が主力みたい
なことになり、大きなパラボラアンテナをバックに力感あ
ふれるCMソングが流れていたころとは、様変わりしてし
まいました。会社に力感がなくなってしまいました。

 次は、家電の王者だった松下電器です。いまはパナソニ
ックという名前になりました。
 松下は、もともと、「ナショナル」という名前を使って
いました。
その「ナショナル」といえば、この歌で決まりです。

 「明るいナショナル
  明るいナショナル
  ラジオ、テレビ
  なんでもナショナル」

 実際のCMソングでは、
 「あっかるい ナッショナール
  あっかるい ナッショナール」
 と歌っていて、ここでも、いかにも力がみなぎるという
感じでした。

 本当に、あのころ、というのは、昭和でいえば、30年
代、40年代、50年代、60年代、そして平成の最初の
ころーーということになりますが、あのころは、本当に元
気でしたね。
 
 松下は、のちに、高級な製品に「パナソニック」という
名前を使います。
 そのとき、こんな歌が出ます。 
 「世界のトランジスタ
  ナショナル・パナソニック」
 これも、最後の「パナソニック」を、「パナーソニーッ
ク」という感じで歌うのです。
 この歌詞は、ナショナルのパナソニックです、という感
じになりますね。

 松下に負けじと、電機各社は、同じようにCMソングを
作ります。
 有名なのは、東芝でしょう。
次の歌は、テレビでもラジオでもよく流れていたので、
どなたでもご存じだと思います。

 「ひかる ひかる 東芝
  走る  走る  東芝
  歌う  歌う  東芝
  みんな みんな 東芝
  東芝のマーク」

 どうですか?
 あ、知ってる、知ってるーーという感じでしょう。
 
 最近、この歌も、すっかり耳にしなくなりました。
 残念です。
 明るい歌です。
 本当に元気な歌です。
 日本は、元気だったんです。

 三菱電機にもよく知られた歌があります。
 「三菱電機の歌声は
  あなたと ともに
  きょうもまた
  三菱電機の歌声は
  明るい家庭に 響くよ
  三菱電機」

 歌詞そのものが明るいですね。
この歌も、最近は、さっぱり聴きません。

日立はどうでしょう。
 日立といえば、どちらかというと新しい歌になりますが、
次の歌が有名です。
 「この木 なんの木
  きになる きになる
  名前も知らない木ですが
  見たこともない木になるでしょう」
 
 かつて、日立が一社で提供しているテレビ番組がいくつ
かあり、その番組の最後に、必ずこの歌が流れていました。
 いまでは、一社でテレビ番組をまるまる提供すると言う
こと自体が少なくなってしまいました。
 この歌も、ほとんど聴くことがなくなりました。

歌は世につれ
 世は歌につれ
 とは、よく言ったものです。
 こうやって、電機各社のCMソング、イメージソングを
並べてみると、かつて、日本の電機企業がいかに元気だっ
たか、大変よく分かります。
 かつて、といっても、そんな昔ではありません。
 たかだか15年、20年前のことです。

 思い出話のように、元気だった時代を振り返っても、そ
れだけでは意味がありません。
 もう一度、日本経済に元気を取り戻すよう、知恵を出し
合っていかなければなりません。
 
 野田首相も、ただ、増税増税と言っているだけではだめ
です。
 一国のリーダーたるもの、その国に元気が出るようなこ
とをしてほしいですね。増税増税というだけでは、元気は
出ません。

 ここに挙げた歌が、過去の遺産になってしまわないよう、
ここから巻き返していかなければと思います。


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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (sunshine_21)
2012-07-02 15:46:15
これは懐かしいです。
子供でしたが企業戦士って感じで凛々しくうつりました。
サンヨーの「うちのテレビにゃ色がない となりのテレビにゃ色がある♪」も急に思い出しました。
NECの映像はもう一度見てみたいですね。
ありがとうございます。 (筆者)
2012-07-02 15:50:20
sunshineさん。
ありがとうございます。
なつかしいですよね。
最近、電機メーカーのCMソングを、本当に
聴かなくなりました。というより、電機メー
カーのCMそのものがなくなってしまいましたね。
見るのは、ソフトバンクのCMと、インテルの
CMばかりです。
日本の電機メーカーは、ここから、再び、
立ち上がってほしいと思います。
Unknown (Unknown)
2013-07-01 20:34:13
こんばんわ。
1年ぶりですが急に思い出して
ここに来てしまいました。
カギは通信? (N.O.)
2013-07-01 22:19:58
通信機器といえばエシュロンですよね。日本もアメリカのようにあらゆる通信の内容を傍受できるようにしなければ、競争力の回復は無理ではないですか。
現在も太平洋戦争末期と同じように、日本の通信は全部アメリカに筒抜けでしょう。企業秘密も国家機密もへったくれもないのではありませんか?
三菱電機 (くまおやじ)
2019-11-16 07:07:26
♫のび~る技術、新しい力、なんとかかんとか、三菱電機、三菱電機~♫
というデューク・エイセスが歌ったのを記憶してるのですが・・・プロレス中継で
NECのコマーシャル画像が見たい (かずおやじ)
2021-10-13 19:25:37
昭和40年代のNEC日本電気のテレビコマーシャルで、貴殿も掲載している「大空を この大空を
  飛び回る電波 NEC」の時の映像は、
パラボラアンテナと大型コンピュータのMTの画像だったと思います。 小学生の子供が、コンピュータってなんでもできるんでしょう、宿題やってとお願いして、コンピュータから自分でやりなさいと言われたと言う記憶があります。どこかに映像は無いものでしょうかね?
三菱電機 (オーディオビルダー)
2022-04-05 17:33:36
60年代後半に父が購入した3ピースのフロア型ステレオ装置(真空管式)付属のレコードに収録されていました。その歌の前に女性アナウンサーによるL-ch/R-ch/センター定位のアナウンスがあり、左右のバランス調整を
促していました。懐かしいです。

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