9V-SPK、シンガポール航空が飛ばしていた当時の最新鋭機である。
新型のファーストクラスをプロモーションするため、この驚くべき派手な
トロピカル・メガトップが投入された。ちなみにメガトップはシンガポー
ル航空での747-400の愛称である。747-300はビッグ・トップでしたね。
シンガポール航空を代表する機体たり得たはずだったが、2000年10月、
事故により全損、死傷者160人以上を出す大惨事を引き起こした。台湾を経
由してロサンゼルスを目指していた同機は、台風さなかの中正国際空港
(台北)で工事中の滑走路に誤進入し、工事資材や車両と衝突し炎上して
しまったのでありました。
原因は乗務員のミスであり、機体そのものには何の落ち度もないのだけれ
ど、なかなか取り上げ難い機体になってしまったのは事実。私自身、黒焦
げで転がっている後部胴体の映像は衝撃的で、今も鮮明に覚えている。
SPKにはほぼ同じ塗装の妹がいた。SPLは、事故後早々に通常塗装に戻さ
れている。航空機の事故はなかなかゼロにはできないが、この事故は素人目
に見ても、乗務員がもう少し注意をすれば何の問題もなく防げたと思われる。
今年でちょうど20年ですね。あらためて振り返る良いタイミングかもしれない。
シンガポール航空には1000機目のジャンボも在籍していた。とにかく機材更
新が早いことで知られる同社の場合、747-400はすでに無く、日本でも常連
だったA340やA310ももちろん存在しない。時は着実に流れている。
マレーシア航空の真っ赤なハイビスカスこと、An experience redefined。
派手すぎて何が何だかわからかくなっているが、南国らしい良い塗装。
マレーシア航空も慢性的な赤字に苦戦しており、当然現況は楽観できるも
のではないだろう。
再び極彩色の鳥たちが飛び回る日々がやってくるとよいのだが。