おはようございます。ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
仏教を理論的に勉強していると、仏教の徳目は「知恵」と「慈悲」だと言われていることがあります。
「知恵」はここで置いておいて「慈悲」にこだわると、「慈悲」の「慈」と「悲」は、そもそも別な意味があり、それぞれ次のとおりです。
慈・・・・マイトリー(楽しみを与えること)、「与楽」
悲・・・・カルナー(苦しみを軽減すること)、「抜苦」
両方をまとめると、抜苦・与楽として語られることが多いです。
大乗仏教では、慈・悲の次に喜・捨が続き、「計りしれない利他の心」として「四無量心」と言われます。
慈・悲・喜・捨
喜捨をまとめると、他者の幸せをうらやまずに心から喜び、他者を差別せず平静な心で扱う意味になります(『岩波 仏教辞典』)。
ここで、私がまとめると、次のとおりです。
1.人に楽しみを与えたり、人の苦しみを軽減したりしても、それで慢心してはならない。
2.次のステップは、慈悲を施して、そのことを共に喜んだりしても、恩着せがましい気持ちをいつまでも持っていることがなく、そのことを忘れて、平静な気持ちであり続けよう。
ということです。
世間では「あの人にこうしてあげたのに」とか、「恩知らず」と言うことがあります。
しかし、慈悲の心をもって何かを他者に貢献したとしても、その段階で水に流してしまおう、ということです。
他者に何かを貢献したことだけで十分で、見返りを求めてはならないのです。
<お目休めコーナー> 通りすがりの小学校で
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